海外送金や多通貨管理で人気のWISE(ワイズ)。
その便利さから、「夫婦やパートナーと共同の口座を作って、家計管理や旅行資金の積立に使えないだろうか?」と考える方も多いのではないでしょうか。
特に国際カップルや海外在住のご夫婦にとっては、共通の資金プールを持つことは非常に重要です。
この記事では、WISEで共同口座が作れるのかという疑問にお答えし、もし作れない場合の賢い代替案を具体的に解説していきます。
この記事を読めば、あなたとパートナーに最適な資金共有の方法が見つかるはずです。
結論:WISEでは共同口座(ジョイントアカウント)を開設できない
まず結論からお伝えすると、2026年2月現在、WISEでは夫婦やパートナーであっても共同名義の口座(ジョイントアカウント)を開設することはできません。
WISEの口座は、すべて個人名義または法人名義に限定されています。これは、WISEが国際的な金融規制、特にマネーロンダリング防止(AML)や本人確認(KYC)の要件を厳格に遵守しているためです。共同名義の口座は、所有権や取引の責任所在が複雑になりがちで、厳格な本人確認プロセスを維持するのが難しくなるため、提供されていないのが現状です。
WISEの公式サイトでも、「すべての口座は、個人または法人の名前で登録する必要があります。現在、共同口座には対応していません。」と明記されています。これは、サービスの透明性と安全性を最優先するWISEの方針の表れと言えるでしょう。
しかし、がっかりする必要はありません。共同口座という形式は取れなくても、WISEが提供するパワフルな機能を活用することで、実質的に共同口座と同じような利便性を実現する方法が存在します。次のセクションからは、その具体的な代替案を3つ、ステップバイステップで詳しくご紹介します。
代替案1:代表者のWISE口座を「共有ハブ」として活用する
最もシンプルで効果的な方法が、夫婦やパートナーのどちらか一方のWISE口座を「共有のハブ(中心拠点)」として定め、資金をそこに集約する方法です。
これは、片方の口座を家計や共通の貯蓄を管理するメインの財布と位置づけ、もう片方がそこに必要な資金を送金するという運用です。非常に簡単でありながら、WISEの低い送金手数料の恩恵を最大限に受けられます。
ステップ1:代表者と目的を明確にする
まず、どちらの名義のWISE口座を共有ハブにするかを決めます。例えば、収入の多い方や、家計管理が得意な方を代表者にするのがスムーズでしょう。そして、その口座で何を管理するのか(例:生活費、家賃、旅行資金、共通の貯蓄など)を二人で明確に共有しておくことが重要です。目的が明確であれば、後の資金管理が格段に楽になります。
ステップ2:定額送金や都度送金を活用する
共有ハブ口座を決めたら、もう一方のパートナーは、毎月の給料日後など決まったタイミングで、一定額をその口座に送金します。WISE内のアカウント間での送金は非常にスピーディかつ安価です。例えば、「毎月25日に10万円をパートナーのWISE口座に送金する」といったルールを決めておけば、自動的に共有資金が貯まっていきます。
もちろん、大きな支出があった月やボーナスが入った月など、必要に応じて都度送金するのも簡単です。WISEのアプリを使えば、数タップで送金が完了します。
この方法のメリットと注意点
メリット:
- 透明性: 共有ハブ口座の取引履歴を見れば、何にいくら使ったのかが一目瞭然です。WISEのアプリは支出カテゴリの分析もしてくれるため、家計簿代わりにもなります。
- 低コスト: WISEの最大の強みである低い送金手数料の恩恵を受けられます。特に、異なる通貨を扱う国際カップルの場合、従来の銀行送金に比べて圧倒的にコストを削減できます。
- シンプルさ: 新しいサービスに登録する必要がなく、既存のWISEアカウントだけで完結するため、すぐに始められます。
注意点:
- 口座名義の問題: あくまで口座は個人名義です。法的な所有権は名義人のものとなるため、万が一の関係解消時などに備え、資金の取り扱いについては事前に二人で合意しておくことが精神的な安心に繋がります。
- デビットカード: WISEのデビットカードを使えるのは、口座の名義人のみです。パートナーはカードを利用できないため、支払いは名義人が行うか、都度送金してもらう必要があります。
代替案2:WISEの「Jar(貯金箱)」機能で目的別に資金を分ける
WISEには、メインの残高とは別に資金を分けて保管できる「Jar(ジャー)」という便利な機能があります。これは、一つの口座内に複数の「目的別貯金箱」を作るようなイメージです。この機能を活用することで、共有資金の管理をさらにスマートに行えます。
Jar機能の活用アイデア
代表者のWISE口座(共有ハブ口座)内で、目的別に複数のJarを作成します。例えば、以下のようなJarを作るのはいかがでしょうか。
- 「生活費Jar」: 食費や光熱費など、毎月の変動費をここに入れます。
- 「旅行資金Jar(ハワイ2027)」: 次の旅行の目標額を設定し、毎月コツコツ積み立てます。
- 「特別支出Jar」: 家具の買い替えや冠婚葬祭など、突発的な出費用に備えます。
- 「純粋な貯金Jar」: 将来のための貯蓄を、生活費とは完全に分けて管理します。
パートナーから送金された共有資金を、まずこれらのJarに振り分けるという一手間を加えるだけで、資金の目的が明確になり、使いすぎを防ぐことができます。Jarにあるお金はデビットカードで直接使えず、一度メインの残高に戻す必要があるため、意図しない支出を防ぐストッパーとしても機能します。
この方法のメリットと限界
メリット:
- 目的の可視化: 「何のためにいくら貯まっているのか」が一目でわかります。目標達成へのモチベーション維持にも繋がります。
- 計画的な資金管理: 生活費と貯蓄を明確に分離できるため、予算管理が非常にしやすくなります。
- 柔軟性: Jarの作成や削除はいつでも可能。必要に応じて新しい目的のJarを簡単に追加できます。
限界:
- 前述の代替案1と同様、あくまで一つの個人口座内での管理である点は変わりません。資金へのアクセス権は口座名義人に限定されます。
この方法は、代替案1をさらに発展させた応用テクニックです。まずは代替案1に慣れ、さらに資金管理をレベルアップさせたいと感じたら、Jar機能の導入を検討してみるのが良いでしょう。
代替案3:両者がWISE個人口座を持ち、都度精算する
もし、一つの口座に資金を集約することに抵抗がある場合や、お互いの経済的独立性を尊重したいカップルには、それぞれがWISEの個人口座を持ち、必要に応じて都度精算する方法も有効です。
例えば、旅行の際に一人が航空券を立て替え、もう一人がホテル代を支払う。そして、後からWISEを使って差額を精算するといった形です。WISEは送金理由をメモとして残せるため、「旅行費精算」などと記載しておけば、後から見返したときにも分かりやすいです。
この方法が適しているカップル
- お互いの支出を細かく管理・共有することにストレスを感じるカップル
- 収入や支出のタイミングが大きく異なり、毎月定額を共有口座に入れるのが難しいカップル
- 「共通の大きな支出」が発生した時だけ、効率的に割り勘したいと考えているカップル
WISEの「送金リクエスト」機能の活用
この運用をさらにスムーズにするのが「送金リクエスト」機能です。例えば、パートナーに100ドルを請求したい場合、アプリから100ドルの送金リクエストを作成し、そのリンクをパートナーに送るだけです。相手はリンクをクリックし、内容を確認して承認すれば送金が完了します。「払った、払わない」といった些細なトラブルを未然に防ぎ、スマートな精算を実現できます。
この方法は、法的な所有権の問題もクリアであり、お互いのプライバシーを尊重しながら、必要な時だけ繋がるという現代的なパートナーシップの形にマッチしているかもしれません。WISEの便利さを実感するためにも、まずは各自が個人口座を開設してみるのが第一歩です。
WISEの個人口座開設はオンラインで完結し、非常に簡単です。詳しい手順については、【完全ガイド】WISE個人口座の登録から初めての海外送金まで徹底解説!手数料を抑えるコツも紹介で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ:WISEで賢く資金を共有しよう
本記事では、WISEで共同口座が開設できないという事実と、その賢い代替案について解説しました。最後に要点をまとめておきます。
- 共同口座は開設不可: 2026年2月現在、WISEでは個人名義、法人名義の口座しか作れません。
- 代替案①:共有ハブ口座: 一方の口座を共有資金のハブとし、もう一方が送金するシンプルな方法。
- 代替案②:Jar機能の活用: 共有ハブ口座内で「目的別貯金箱」を作り、資金管理をさらに明確にする応用テクニック。
- 代替案③:都度精算: 各自がWISE口座を持ち、必要に応じて送金リクエスト機能などを使って精算する方法。
どの方法が最適かは、あなたとパートナーの価値観やライフスタイルによって異なります。大切なのは、二人でよく話し合い、お互いが納得できるルールを決めることです。
WISEには共同口座という選択肢こそありませんが、その低い手数料、スピーディな送金、そして便利なJar機能などを組み合わせることで、従来の銀行が提供する共同口座以上の価値を生み出すポテンシャルを秘めています。
まだWISEのアカウントをお持ちでないなら、まずは無料の個人口座を開設し、その画期的なサービスを体験してみてはいかがでしょうか。国際的な資金管理が、もっと身近で、もっと簡単になるはずです。
