「海外に住む子どもへ仕送りしたいけど、銀行の海外送金は手数料が高い」。
そんな話を親から聞いて、WISEを勧めてみたものの「スマホでの登録が難しそう」と尻込みされた経験はないでしょうか。
実際、60代・70代の親世代にとって、海外送金サービスの新規登録は想像以上にハードルが高いものです。
本人確認書類の撮影、英語混じりの画面表示、マイナンバーの入力など、慣れない操作が続くと途中で諦めてしまうケースも少なくありません。
読み終えるころには、スマホ操作に不安がある親御さんでもWISEの初期設定から初回送金までを完了できる「サポートの段取り」が明確になっているはずです。
なぜシニア世代にこそWISEが必要なのか
銀行の海外送金で損をしている現実
2026年5月時点の情報として、大手銀行の窓口から海外送金を行う場合、1回あたりの送金手数料は3,000円〜7,500円程度かかるのが一般的です。さらに見落とされがちなのが「為替レートの上乗せ(隠れコスト)」で、銀行が独自に設定するレートには1〜3%程度のマージンが含まれていることがほとんどです。
たとえば、毎月10万円をアメリカに住む子どもへ仕送りしているケースを考えてみましょう。銀行経由の場合、送金手数料と為替マージンを合わせると年間で6万〜10万円以上のコストが発生する計算になります。WISEを利用すれば、実際の為替レート(ミッドマーケットレート)で送金でき、手数料も数百円〜数千円程度で済むため、年間の節約額は数万円規模になります。
「銀行のほうが安心」という気持ちは理解できますが、同じ金額を届けるのに余計なコストを払い続けるのは、年金生活の親世代にとって決して小さな問題ではありません。
シニア世代がWISE登録でつまずく3つの壁
WISEの登録手続き自体はシンプルに設計されていますが、スマホ操作に慣れていないシニア世代にとっては、以下の3つが大きな壁になります。
- 壁1:本人確認書類の撮影 マイナンバーカードや運転免許証をスマホのカメラで撮影する工程があります。「どこをタップすればカメラが起動するのか」「書類のどの面を撮ればいいのか」がわからず、ここで手が止まる方が非常に多いです。
- 壁2:英語表記への不安 WISEはイギリス発のサービスのため、一部の画面やメール通知に英語が混在することがあります。日本語対応は進んでいるものの、見慣れない英語が出るだけで「何か間違えたのでは」と不安になりがちです。
- 壁3:マイナンバーの入力と住所確認 日本の法律上、海外送金サービスの利用にはマイナンバーの提出が必要です。マイナンバーカードを手元に用意していない、通知カードをどこにしまったか覚えていないなど、事前準備の段階でつまずくケースも見受けられます。
こうした壁は、事前の準備と家族のサポートがあれば十分に乗り越えられます。次の章では、登録前に済ませておくべき準備から、実際の画面操作までを順を追って説明します。
登録前の準備:親御さんに用意してもらう4つのもの
WISEの登録をスムーズに進めるために、作業を始める前に以下の4点を手元に揃えてもらいましょう。電話やビデオ通話でサポートする場合は、「これから言う4つのものを用意してね」と最初に伝えるのがコツです。
- 1. スマートフォン(またはタブレット):WISEのアプリをインストールできる端末。iPhoneでもAndroidでも問題ありません。パソコンからも登録可能ですが、本人確認の書類撮影にはスマホが必要になるため、最初からスマホで進めるのが効率的です。
- 2. 本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、パスポートのいずれか。有効期限内のものであることを事前に確認しておきましょう。
- 3. マイナンバーがわかるもの:マイナンバーカードがあれば書類とマイナンバーの両方をカバーできます。カードがない場合は、通知カードまたはマイナンバー記載の住民票でも対応可能です。
- 4. 送金先の情報:受取人の氏名、銀行名、口座番号、SWIFTコード(国際銀行間の識別コード)など。初回送金まで一気に進めるなら、この情報も先に確認しておくと二度手間になりません。
この4つが揃っていれば、登録作業は30分〜1時間程度で完了します。親御さんには「難しい操作は一つずつ電話で教えるから、まずはこの4つだけ用意しておいて」と伝えると、心理的な負担がぐっと軽くなります。
実践:電話サポートで進めるWISEの初期設定5ステップ
ここからは、実際にWISEの登録を進める手順を5つのステップに分けて解説します。離れて暮らす家族が電話やLINEのビデオ通話でサポートすることを想定した構成になっています。なお、WISEの登録から送金までの全体像を先に把握しておきたい方は、WISEの個人口座登録から初めての海外送金までをまとめた完全ガイドもあわせて確認すると理解がスムーズです。
ステップ1:アプリのインストールとアカウント作成
まず、App Store(iPhone)またはGoogle Play(Android)で「WISE」と検索し、アプリをインストールします。ここでのサポートポイントは、検索結果に類似アプリが表示される場合があることです。「緑色のロゴで、WISE(旧TransferWISE)と書いてあるもの」と伝えると間違いを防げます。
アプリを開いたら「登録」をタップし、メールアドレスを入力します。親御さんが普段使っているメールアドレスで問題ありません。パスワードは8文字以上で、英数字を組み合わせたものを設定します。電話サポートの場合、パスワードを口頭でやり取りするのはセキュリティ上避けるべきなので、「自分で決めて、紙にメモしておいてね」と伝えましょう。
ステップ2:個人情報の入力
アカウント作成後、氏名・生年月日・住所・電話番号などの個人情報を入力する画面に進みます。ここで注意したいのは、氏名をローマ字で入力する欄がある点です。パスポートをお持ちであればパスポート記載のローマ字表記に合わせ、パスポートがない場合はヘボン式で入力するのが無難です。
住所の入力では、日本語で入力できる欄と英語表記を求められる欄が混在することがあります。「日本語で大丈夫な欄は日本語で入れて、英語の欄はローマ字で住所を入れてね」と説明しましょう。たとえば「東京都新宿区〇〇1-2-3」なら「1-2-3, 〇〇, Shinjuku-ku, Tokyo」の形式です。
ステップ3:本人確認書類の撮影(最大の難関)
筆者の経験上、シニア世代が最もつまずくのがこのステップです。以下の点を事前に伝えておくと、かなりスムーズに進みます。
- 「カメラへのアクセスを許可しますか?」というポップアップが出たら「許可」をタップすること
- 書類は明るい場所で、白い背景の上に置いて撮影すること
- 書類全体が画面の枠内に収まるように、スマホを書類から20〜30cm離して撮影すること
- 撮影後に「鮮明に写っていますか?」という確認画面が出るので、文字がぼやけていないか確認してから「送信」すること
もしセルフィー(自撮り写真)の撮影も求められた場合は、「画面に映っている自分の顔が枠の中に入るように、スマホを顔の正面に持ってきて」と伝えましょう。帽子やマスクを外し、メガネはかけたまま(本人確認書類の写真と合わせるため)で撮影するのが基本です。
なお、撮影がうまくいかず何度もやり直しになると、親御さんのストレスが一気に高まります。3回やってもうまくいかない場合は、「一度アプリを閉じて、また明日やろう」と切り上げるのも大切な判断です。WISEの登録は途中保存されるため、翌日に続きから再開できます。
ステップ4:マイナンバーの入力
本人確認書類が承認されると、マイナンバーの入力を求められます。12桁の数字を入力するだけなので、操作自体は難しくありません。ただし、親御さんがマイナンバーの数字をどこで確認できるかわからないケースがあるため、事前準備の段階で「マイナンバーカードの裏面に書いてある12桁の番号」または「通知カードに書いてある番号」を確認しておくよう伝えましょう。
マイナンバーの提出に抵抗を感じる親御さんもいるかもしれません。その場合は「日本の法律で、海外送金するときはマイナンバーの届出が義務づけられている。銀行の窓口でも同じ手続きが必要だよ」と説明すると安心してもらえます。
ステップ5:初回送金のテスト
アカウント登録と本人確認が完了したら、いよいよ初回の送金です。最初は少額(たとえば5,000円〜10,000円程度)でテスト送金をすることをおすすめします。理由は2つあります。
- 操作に慣れるための練習になる
- 送金先の口座情報が正しいかを少額で確認できる
送金画面では「送金額」「送金先通貨」「受取人情報」を入力し、手数料と到着予定額を確認してから「送金」をタップします。WISEの画面には送金にかかる手数料と、相手に届く金額がリアルタイムで表示されるため、「画面に出ている金額を読み上げて」と伝えれば、電話越しでも内容を確認できます。
送金資金の入金方法は、銀行振込が最もシンプルです。WISEが指定する日本国内の銀行口座に振り込むだけなので、親御さんが普段使っているネットバンキングやATMから手続きできます。
WISEの公式サイトからも登録を開始できるので、パソコンの大きな画面で操作したい場合はそちらを案内するのも一つの方法です。
よくある失敗とその回避方法
失敗1:本人確認書類の写真が不鮮明で却下される
最も多いトラブルです。暗い部屋で撮影した、書類に光が反射している、手ブレしているなどが原因となります。回避策として、「昼間の明るい部屋で、書類をテーブルに置き、スマホを両手で持って撮影する」ことを伝えましょう。フラッシュはオフにするのがポイントです。
失敗2:入力した氏名と書類の表記が一致しない
たとえば、登録時に「TANAKA」と入力したのに、パスポートの表記が「TANAKA(DENAKA)」のように別名併記になっている場合、不一致とみなされることがあります。入力する氏名は本人確認書類の表記に完全に一致させるよう注意してください。
失敗3:送金先情報の入力ミス
口座番号やSWIFTコードを1桁間違えるだけで、送金が失敗したり、誤った口座に送金されるリスクがあります。送金先情報は、受取人本人にメールやメッセージで正式な口座情報を送ってもらい、それをコピー&ペーストするのが最も確実です。親御さん自身での手入力は極力避けましょう。
銀行送金とWISEの比較:シニア世代にとっての判断基準
「結局、銀行とWISEのどちらがいいの?」という疑問にお答えするために、主要な比較ポイントを整理します。
- 手数料:銀行は1回あたり3,000〜7,500円+為替マージン。WISEは送金額の0.5〜1.5%程度で為替マージンなし。10万円の送金なら、WISEのほうが数千円安くなるケースがほとんどです。
- 送金スピード:銀行の海外送金は通常2〜5営業日。WISEは送金先や通貨によりますが、多くの場合1〜2営業日で着金します。
- 操作の簡便さ:銀行は窓口に出向けば担当者がサポートしてくれるため、対面でのサポートを重視する方には安心感があります。一方、WISEはスマホ一つで完結しますが、初回設定には家族のサポートが必要になる場合があります。
- セキュリティ:WISEはイギリスの金融行動監視機構(FCA)をはじめ、各国の金融当局に登録・認可されており、日本では関東財務局に登録された資金移動業者として営業しています。銀行と同等の規制下で運営されている点は、安心材料として親御さんに伝えてあげてください。
結論として、月に1回以上の海外送金をしている方にはWISEのコスト面のメリットが大きく、年に数回程度で対面サポートを重視する方は銀行の窓口送金も選択肢に入ります。ただし、一度WISEの操作に慣れてしまえば、頻度に関係なくWISEのほうが手数料を節約できることは間違いありません。
離れて暮らす家族がサポートする際の心得
一度にすべてを終わらせようとしない
筆者がサポートした際に最も効果的だったのは、作業を2日に分けるアプローチでした。1日目はアプリのインストールとアカウント作成まで、2日目は本人確認と初回送金という分け方です。1日で全工程を終わらせようとすると、親御さんの集中力が切れて操作ミスが増える傾向があります。
画面の専門用語を「翻訳」してあげる
WISEの画面に出てくる「受取人」「SWIFT/BICコード」「ミッドマーケットレート」といった用語は、シニア世代にはなじみがないことが多いです。電話サポートでは、これらを噛み砕いて伝える意識が大切です。たとえば「受取人」は「お金を受け取る相手のこと」、「SWIFTコード」は「銀行の住所みたいなもの」と言い換えるだけで、理解度が格段に上がります。
操作メモを写真に残しておく
2回目以降の送金を親御さんが一人でできるようにするために、初回サポート時に各画面のスクリーンショットを撮っておき、LINEなどで共有しておくのがおすすめです。「次回はこの写真の通りに進めれば大丈夫だよ」と伝えれば、自信を持って操作できるようになります。
まとめ:最初の一歩を家族で一緒に踏み出そう
スマホ操作に不安があるシニア世代でも、家族のサポートがあればWISEの初期設定と海外送金は十分に可能です。この記事のポイントを整理すると、以下の3点に集約されます。
- 事前に本人確認書類・マイナンバー・送金先情報・スマホの4つを用意しておく
- 登録作業は2日に分け、本人確認書類の撮影を重点的にサポートする
- 初回は少額のテスト送金で操作に慣れ、画面のスクリーンショットを残しておく
銀行の海外送金と比べて手数料を大幅に節約できるWISEは、年金生活の親世代にとって家計の強い味方になります。WISEの個人口座登録から送金までの完全ガイドと本記事を参考に、ぜひ次の週末にでも親御さんと一緒に最初の一歩を踏み出してみてください。
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