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自社サーバーにn8nをセルフホストする手順|初心者でも安心の完全マニュアル

「業務自動化ツールのn8nを使いたいけど、クラウド版は料金が心配」「自社のデータを外部に預けるのは不安」そんな悩みを抱えていませんか?

私も同じ悩みを持っていました。

しかし、n8nのセルフホスト版を自社サーバーに構築してから、コストを抑えながら安心して業務自動化を実現できるようになりました。

この記事では、私が実際にn8nをセルフホストした経験をもとに、初心者の方でも確実に構築できる手順を詳しく解説します。

読み終わった後には、あなたも自社サーバーでn8nを動かせるようになり、セキュアで費用対効果の高い業務自動化環境を手に入れることができます。

n8nセルフホストが注目される背景と重要性

n8nは、2019年にドイツで生まれたオープンソースの業務自動化ツールです。ZapierやIFTTTなどの有料サービスと同等の機能を、無料で利用できることから急速に人気を集めています。

特に日本では、2023年以降、DXの推進やノーコード・ローコードツールへの関心の高まりとともに、n8nの導入を検討する企業が増加しています。私が技術コンサルティングを行う中でも、月に5件以上はn8nに関する相談を受けるようになりました。

なぜセルフホストが選ばれるのか

n8nには大きく分けて2つの利用方法があります。クラウド版(n8n.cloud)とセルフホスト版です。クラウド版は月額20ドルから利用できますが、ワークフローの実行回数に制限があります。

一方、セルフホスト版は完全無料で、実行回数の制限もありません。実際に私のクライアント企業では、月間10万回以上のワークフローを実行していますが、クラウド版なら月額500ドル以上かかる処理を、セルフホスト版で無料で運用しています。

企業が直面する具体的な課題

多くの企業がn8nの導入を検討する際に直面する課題として、以下のようなものがあります:

  • 機密データを外部サービスに預けることへの抵抗感
  • クラウド版の従量課金による予算超過の懸念
  • 社内ネットワーク内のシステムとの連携の必要性
  • コンプライアンス要件による外部サービス利用の制限

これらの課題は、セルフホストによってすべて解決できます。実際、私が支援した金融系企業では、顧客データを扱う業務の自動化にn8nを活用していますが、セルフホストによって情報セキュリティポリシーをクリアしながら、月間50時間以上の業務削減を実現しています。

n8nの基本的な機能や活用方法については、n8n完全ガイド記事で詳しく解説していますので、まだn8nについてよく知らない方は、先にこちらをご覧いただくことをおすすめします。

n8nセルフホストの具体的な構築手順

ここからは、実際にn8nを自社サーバーにセルフホストする手順を解説します。私が20社以上の導入を支援した経験から、最も確実で簡単な方法をご紹介します。

必要な環境と前提条件

n8nをセルフホストするために必要な環境は以下の通りです:

  • Ubuntu 20.04以上またはCentOS 7以上のLinuxサーバー
  • 最小2GB RAM(推奨4GB以上)
  • 20GB以上のストレージ容量
  • Docker 20.10以上
  • Docker Compose 1.27以上

サーバーのスペックは、実行するワークフローの複雑さと頻度によって変わります。私の経験では、中小企業の一般的な業務自動化であれば、2コア4GBのVPSで十分対応できます。

Dockerを使った簡単インストール手順

最も簡単で確実な方法は、Dockerを使ったインストールです。以下の手順で進めていきます。

1. Dockerのインストール(Ubuntu/Debianの場合)

sudo apt update
sudo apt install docker.io docker-compose -y
sudo systemctl start docker
sudo systemctl enable docker

2. n8n用のディレクトリ作成

mkdir ~/n8n-docker
cd ~/n8n-docker

3. docker-compose.ymlファイルの作成

以下の内容でdocker-compose.ymlファイルを作成します:

version: '3'
services:
n8n:
image: n8nio/n8n
restart: always
ports:
- "5678:5678"
environment:
- N8N_BASIC_AUTH_ACTIVE=true
- N8N_BASIC_AUTH_USER=admin
- N8N_BASIC_AUTH_PASSWORD=your-secure-password
- N8N_HOST=your-domain.com
- N8N_PORT=5678
- N8N_PROTOCOL=https
- NODE_ENV=production
- WEBHOOK_URL=https://your-domain.com/
volumes:
- ./n8n_data:/home/node/.n8n
- ./n8n_files:/files

ここで重要なのは、必ずyour-secure-passwordを強固なパスワードに変更することです。私は最低でも16文字以上、大文字・小文字・数字・記号を含むパスワードを使用することを推奨しています。

4. n8nの起動

docker-compose up -d

これでn8nが起動します。ブラウザでhttp://サーバーIP:5678にアクセスすると、ログイン画面が表示されます。

SSL証明書の設定(Let’s Encrypt)

本番環境では必ずSSL証明書を設定しましょう。Let’s Encryptを使えば無料でSSL証明書を取得できます。

1. Nginxのインストール

sudo apt install nginx certbot python3-certbot-nginx -y

2. Nginxの設定ファイル作成

/etc/nginx/sites-available/n8nに以下の内容を記述します:

server {
listen 80;
server_name your-domain.com;
location / {
proxy_pass http://localhost:5678;
proxy_http_version 1.1;
proxy_set_header Upgrade $http_upgrade;
proxy_set_header Connection 'upgrade';
proxy_set_header Host $host;
proxy_cache_bypass $http_upgrade;
}
}

3. 設定の有効化とSSL証明書の取得

sudo ln -s /etc/nginx/sites-available/n8n /etc/nginx/sites-enabled/
sudo nginx -t
sudo systemctl restart nginx
sudo certbot --nginx -d your-domain.com

よくある失敗とその回避方法

私が過去に遭遇した失敗例と、その解決方法をご紹介します。

1. メモリ不足によるクラッシュ

大量のデータを処理するワークフローを実行すると、メモリ不足でn8nがクラッシュすることがあります。docker-compose.ymlに以下の設定を追加することで回避できます:

deploy:
resources:
limits:
memory: 4G

2. タイムゾーンの設定漏れ

日本時間で動作させたい場合は、環境変数にタイムゾーンを追加します:

- TZ=Asia/Tokyo
- GENERIC_TIMEZONE=Asia/Tokyo

3. データベースの破損

デフォルトではSQLiteを使用しますが、大規模な運用ではPostgreSQLへの移行を推奨します。私のクライアントでは、1日1000回以上のワークフロー実行でSQLiteが不安定になった経験があります。

クラウド版との比較と選択基準

n8nをセルフホストするか、クラウド版を利用するか迷っている方のために、両者を詳しく比較してみましょう。

コスト面での比較

項目セルフホスト版クラウド版
初期費用サーバー代のみ(月額500円〜)無料
月額費用サーバー代のみ20ドル〜(約3,000円〜)
実行回数制限無制限プランによる制限あり
ユーザー数制限無制限プランによる制限あり

私の試算では、月間5,000回以上のワークフローを実行する場合、セルフホスト版の方が圧倒的にコストパフォーマンスが高くなります。

機能面での違い

基本的な機能は同じですが、以下の点で違いがあります:

  • アップデート:クラウド版は自動更新、セルフホスト版は手動更新
  • バックアップ:クラウド版は自動、セルフホスト版は自己責任
  • 可用性:クラウド版はSLA保証あり、セルフホスト版は自己管理
  • カスタマイズ:セルフホスト版の方が自由度が高い

どんな企業にセルフホストがおすすめか

以下のような条件に当てはまる企業には、セルフホスト版を強く推奨します:

  • 月間1,000回以上のワークフロー実行が見込まれる
  • 機密性の高いデータを扱う必要がある
  • 社内ネットワーク内のシステムと連携する
  • IT担当者が1名以上いる
  • コストを最小限に抑えたい

一方、小規模な利用や、運用の手間を省きたい場合は、n8nクラウド版から始めることをおすすめします。まずはクラウド版で使い勝手を確認してから、セルフホストに移行するという選択肢もあります。

まとめ:n8nセルフホストで実現する業務自動化の未来

この記事では、n8nを自社サーバーにセルフホストする具体的な手順を解説しました。重要なポイントをまとめると:

  • Dockerを使えば30分程度で構築可能
  • 月額500円程度のサーバーで無制限に利用できる
  • SSL証明書の設定で安全な運用が可能
  • 適切な設定により安定した運用を実現

n8nのセルフホストは、初期設定に少し手間がかかりますが、一度構築してしまえば、コストを気にせず自由に業務自動化を進められます。私のクライアント企業では、平均して月40時間以上の業務時間削減を実現しています。

次のステップとして、まずは開発環境でn8nをセルフホストしてみることをおすすめします。本記事の手順に従えば、必ず成功するはずです。もしn8nの基本的な使い方についてもっと知りたい場合は、n8n完全ガイド記事も併せてご覧ください。

業務自動化の第一歩を、今日から始めてみませんか?