本記事はGoogle Workspace updatesブログ( https://workspace.googleblog.com/ )の情報を基に、2025年10月22日に作成され、2026年4月時点の最新情報を反映して更新しています。
この記事のポイント(結論サマリー)
- 「Ask Gemini in Meet」とは、Google Meetの会議中に、参加者一人ひとりがAI「Gemini」と1対1のプライベートチャットで対話し、会議内容についてリアルタイムで質問・要約・アクションアイテム抽出ができるAI議事録機能です。
- 対象エディションは「Business Plus」「Enterprise Standard」「Enterprise Plus」「Gemini Education Premium」など。従来のBusiness Standard以上に加え、Enterprise向けの提供が2025年10月に開始されました。
- プライバシーは厳格に保護され、あなたとAIの対話は他の参加者に一切見えず、会議終了後にキャプションデータは完全消去されます。
- 現時点では英語会議・デスクトップ版のみ対応。日本語を含む多言語対応は2026年内に順次展開予定です。
- 管理者はデフォルトONで提供され、OU・グループ単位での制御が可能。会議主催者も会議ごとに無効化できます。
Ask Gemini in Meetとは何か:エンティティ定義
Ask Gemini in Meetとは、Google Meetのオンライン会議中に、参加者それぞれが専用のプライベートチャット画面を通じてAI「Gemini」に質問を投げかけ、会議のキャプション(リアルタイム文字起こし)に基づいた回答を即座に得られる機能です。一般的な「AI議事録ツール」が会議終了後に議事録を生成するのに対し、Ask Gemini in Meetは会議の「最中」に」リアルタイムで動作する点が最大の特徴となっています。
Google Workspaceを活用されているエンタープライズ企業の皆様、こんにちは。
あなたの一日は、おそらく、終わりのないオンライン会議の連続なのではないでしょうか。
そして、その一つひとつの会議で飛び交う膨大な「情報」。そのすべてをリアルタイムで完璧に記憶し、理解し、整理することは、もはや人間の能力の限界を超えつつあります。
「前の会議が長引き、5分だけ別の電話に出ていた間に、議論の重要な前提が変わってしまった…」
「議論が白熱しすぎて、結局この会議で何が決まったのか、誰の記憶も曖昧だ…」
「会議の最後に確認しようと思っていたのに、アクションアイテムを聞き逃してしまった…」
こうした会議における情報の「見逃し」や「抜け漏れ」は、ビジネスのスピードと正確性を静かに、しかし確実に蝕んでいく深刻な課題です。
2025年9月、Googleはこの根本的な課題を解決するため、会議に参加する一人ひとりに超優秀な「パーソナルAI議事録係」が寄り添う革命的な新機能、「Ask Gemini in Meet」を発表しました。そして2025年10月、ついにその未来の会議体験がWorkspace Enterprise StandardおよびEnterprise Plusをご利用の皆様の元へも届けられることが発表されたのです。
Ask Gemini in Meetの核心機能:あなただけの”会議の記憶装置”
「Ask Gemini in Meet」の核心は、会議の「最中」に参加者一人ひとりがAI「Gemini」に対して、その会議に関するあらゆる「質問」をプライベートなチャット形式で行えるようになる、という点にあります。
これは、会議の参加者全員が見るパブリックなチャットとは全く異なります。あなたとAIだけの、1対1の対話です。あなたがAIに何を尋ね、AIがどう答えたかは、会議の他のどの参加者にも一切知られることはありません。
この、あなただけのAI秘書は、会議の最初から最後まで、すべての発言をリアルタイムのキャプション(文字起こし)として記憶し、あなたのどんな問いにも即座に答えてくれるのです。
Ask Gemini in Meetで使える3つの主要機能
では、このあなただけのAI秘書「Ask Gemini in Meet」は、具体的にどのような活用ができるのでしょうか。実際のビジネスシーンを想定した3つの代表的なユースケースを、課題と解決策のステップ形式で解説します。
機能1:遅刻・中座時の「ここまでのあらすじ」キャッチアップ
- 課題:前の会議が長引いて10分遅刻してしまった。あるいは、急な電話対応で5分間席を外さなければならなかった。
- Ask Geminiで解決:プライベートチャットでGeminiに「私がいなかった間の議論の要点を教えて」と尋ねるだけで、不在中のキャプションを基に「ここまでは〇〇について議論されており、主に△△という意見が出ています」といった簡潔なあらすじを、あなただけのために瞬時に生成してくれます。
- 補足:この機能は、あなたが参加する前に誰かが「メモを作成(Geminiによるノートテイキング)」機能をオンにしていた場合に、最大限の効果を発揮します。
機能2:議論の途中でも「今、何の話?」を確認
- 課題:専門用語が飛び交い議論が複雑化。少し集中力が途切れた隙に、話の文脈を見失ってしまった。
- Ask Geminiで解決:「今話されている内容を3行で要約して」「先ほど田中さんが発言した予算に関する具体的な数字をもう一度教えて」と気軽に質問するだけで、常に議論の最前線に立ち続けることができます。
機能3:会議終盤での「決定事項・アクションアイテム」抽出
- 課題:会議の終盤。様々な意見が出たが、結局何が「決定事項」で、誰が担当する「アクションアイテム」なのか、記憶が曖昧だ。
- Ask Geminiで解決:「この会議で決まったことと、次のアクションアイテムを、担当者名と期限付きでリストアップして」と指示すれば、Geminiがこれまでの議論全体の中から重要なキーワードを抽出し、会議の成果を構造化してまとめてくれます。
類似AI議事録ツールとの比較
Ask Gemini in Meetを検討する際、他のAI議事録サービスとの違いが気になる方も多いでしょう。代表的な違いを表にまとめました。
| 比較項目 | Ask Gemini in Meet | 一般的なAI議事録ツール(外部サービス) |
|---|---|---|
| 動作タイミング | 会議中にリアルタイム質問可能 | 多くは会議終了後に議事録生成 |
| 対話形式 | 参加者ごとの1対1プライベートチャット | 共有議事録が主体 |
| データ保存 | 会議終了時にキャプション完全消去 | サービスに録画・文字起こしが保存される場合が多い |
| 追加ツール | Google Meetに標準統合(外部ツール不要) | 別サービスの契約・連携が必要 |
| 対応言語(2026年4月時点) | 英語のみ(日本語は近日対応予定) | 日本語対応済みのサービスも多い |
【最重要】プライバシーとデータ保護の仕組み
非常に強力な機能ですが、AIが会議の内容を扱う以上、プライバシーに関する懸念を持つ方もいるでしょう。Googleはこの点について、非常に明確なルールを定めています。
- あなたとAIの対話は完全にプライベート:あなたの質問とAIからの回答は、他の誰にも見えません。
- 会議終了後、データは一切保存されない:最も重要な点です。会議のキャプションデータは、会議が終了した時点で完全に消去されます。「Ask Gemini in Meet」を利用したからといって、会議の録画やトランスクリプトがどこかに生成・保存されることは一切ありません。
- AI学習への利用なし:Google Workspaceのエンタープライズポリシーに従い、会議内の発話内容がGeminiモデルの学習データとして利用されることはありません。
利用開始にあたっての重要な注意点と管理者設定
- 対象エディション:「Business Plus」「Enterprise Standard」「Enterprise Plus」「Gemini Education Premium」などで利用可能。2025年10月のアップデートでEnterprise向けロールアウトが開始されました。
- 管理者向けの設定:この機能はデフォルトで「オン」になります。管理者は管理コンソールから、ドメイン・OU・グループ単位でオン/オフを制御できます。Gemini関連機能の設定統合については、管理コンソールのGemini Enterprise設定統合アップデートも併せてご確認ください。
- 会議の主催者による制御:会議の主催者(および共同主催者)は、会議ごとにこの機能をすべての参加者に対してオフにする権限を持ちます。
- 言語について:現時点(2026年4月)では英語の会議のみがサポートされています。日本語を含む他の言語への対応も近日中に予定されています。
- デスクトップ版のみ:現時点ではPCのデスクトップ版でのみ利用可能です。モバイル対応は今後のロードマップに含まれています。
Google Meetの関連最新アップデート
Ask Gemini in Meetと併せて活用したい、Google Meetの直近アップデートもご紹介します。
- Google Meetハードウェアの「ルーム接続」機能が正式リリース:超音波でパソコンと会議室デバイスを自動検知し、ワンクリックで会議を会議室画面に引き継げる機能。
- 高解像度ディスプレイ向けのビデオ画質向上アップデート:4Kモニターなど高精細ディスプレイでの会議映像がよりシャープに。
よくある質問(FAQ)
Q1. Ask Gemini in Meetは日本語会議に対応していますか?
2026年4月時点では、英語会議のみがサポートされています。日本語を含む他言語への対応は近日中に順次展開される予定とGoogleから発表されています。
Q2. 会議終了後に議事録ファイルは残りますか?
Ask Gemini in Meet単独では、会議終了時にキャプションデータは完全に消去され、議事録ファイルは自動生成されません。会議録画や議事録ファイルを残したい場合は、別途「Geminiによるノートテイキング(メモを作成)」機能を有効化する必要があります。
Q3. 無料版Gmailアカウント(個人利用)でも使えますか?
いいえ、Ask Gemini in Meetは有料のGoogle Workspaceエディション(Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Gemini Education Premiumなど)が対象です。無料のGmailアカウントでは利用できません。
Q4. 自分が質問した内容は他の参加者に見られますか?
いいえ、Ask Gemini in Meetでの質問と回答は完全にプライベートで、1対1の対話となります。他の参加者、主催者、Google管理者のいずれからも閲覧されることはありません。
Q5. 会議参加者に「AIが使われている」ことは通知されますか?
Ask Gemini in Meet自体の利用は個別のプライベート機能のため、他者への通知は原則ありません。ただし、会議全体で「メモを作成」機能が有効化されている場合は、参加者全員に画面上でその旨が明示されます。
Q6. 管理者として、特定の部署のみこの機能を無効化できますか?
はい、可能です。管理コンソールからOU(組織部門)単位やグループ単位でオン/オフを切り替えられます。機密性の高い会議を頻繁に行う部署のみ無効化する、といった運用が可能です。
Q7. スマートフォンのMeetアプリでも使えますか?
2026年4月時点ではPCのデスクトップ版(Webブラウザ)のみの対応で、モバイルアプリでは利用できません。モバイル対応はGoogleのロードマップに含まれているため、今後の提供が期待されます。
まとめ:会議に「記憶」と「検索性」という新次元を
今回、Enterpriseユーザーの皆様にも提供が開始された「Ask Gemini in Meet」。それは、オンライン会議というリアルタイムで情報が流れ去っていくはかない空間に、「記憶」と「検索性」という新しい次元をもたらす革命的なアップデートです。
すべての参加者が自分だけのAI秘書を伴って会議に参加する。誰もが情報の見逃しや認識のズレといった不安から解放され、より本質的で創造的な対話に集中することができる。そんな未来の会議の姿が、今、現実のものとなろうとしています。
日本語対応が実装されれば、日本企業にとってもインパクトは計り知れません。まずは英語会議から試験導入し、管理コンソールでの設定やプライバシーポリシーへの反映を進めておくことが、スムーズな全社展開への近道となるでしょう。ぜひこの新しい強力なパートナーと共に、あなたの毎日の会議をより生産的で実りあるものへと変えていってください。
