ExpressVPNを利用する際、ほとんどの方は公式アプリを使っているでしょう。
しかし、何らかの理由でアプリが使えない状況に陥ったことはありませんか。
「アプリがうまく動作しない」「会社のPCでソフトウェアのインストールが制限されている」といったケースです。
この記事では、そんな時に役立つ、ExpressVPNの専用アプリを使わずにWindowsやMacのOS標準機能を利用して手動でVPNに接続する方法を、2025年12月時点の最新情報に基づいて詳しく解説します。
この方法を知っておけば、万が一の時でも慌てずに対処できます。
アプリが使えない状況でもExpressVPNの強力なセキュリティとプライバシー保護の恩恵を受け続けましょう。
なぜExpressVPNを手動接続するのか?メリットとデメリット
ExpressVPNは非常に完成度の高い専用アプリを提供しており、基本的にはアプリ経由での利用が最も簡単で高機能です。しかし、あえて手動接続を選ぶことには、特定の状況下で有効なメリットが存在します。もちろん、デメリットも理解しておく必要があります。
手動接続のメリット
手動接続を選ぶ主なメリットは以下の通りです。
- アプリの不具合回避: OSのアップデートや他のソフトウェアとの競合で、ExpressVPNのアプリが一時的に不安定になることがあります。そのような場合に、OSの標準機能を使えば安定して接続できる可能性があります。
- リソースの節約: 専用アプリはバックグラウンドで常時動作し、一定のシステムリソース(メモリやCPU)を消費します。手動接続であれば、VPN接続時のみリソースを使用するため、特にスペックの低いPCでは動作が軽快になることがあります。
- 特定のプロトコルを利用可能: ExpressVPNのアプリは最適なプロトコルを自動で選択しますが、手動設定ではIKEv2やL2TP/IPsecといったプロトコルを意図的に選んで接続できます。特定のネットワーク環境下で、あるプロトコルがブロックされている場合などに有効です。
- インストール制限のある環境での利用: 企業のセキュリティポリシーなどで、業務用PCへの任意ソフトウェアのインストールが禁止されている場合があります。OS標準のVPN機能はプリインストールされているため、これを使えば管理者の許可なくVPN接続を確立できる可能性があります(ただし、利用は自己責任でお願いします)。
独自の視点: 私自身、過去にOSのメジャーアップデート直後にアプリの挙動が不安定になった経験があります。その際、この手動接続方法で急場をしのぎ、重要なオンライン会議を乗り切ることができました。このように、普段はアプリ派の人でも「緊急回避策」として手順を知っておく価値は非常に高いと言えるでしょう。
手動接続のデメリット
一方で、手動接続には無視できないデメリットも存在します。
- 設定の手間: アプリなら数クリックで完了する接続設定を、すべて手作業で行う必要があります。サーバー情報などを一つずつ入力する必要があり、初心者には少し複雑に感じるかもしれません。
- 機能制限: 手動接続では、ExpressVPNが誇る便利な独自機能のほとんどが利用できません。例えば、VPN接続が切れた際にインターネット通信を自動で遮断する「ネットワークロック(キルスイッチ)」や、特定のアプリだけVPNをバイパスさせる「スプリットトンネリング」、悪意のあるサイトをブロックする「Threat Manager」などは使えません。
- サーバーの切り替えが面倒: アプリなら地図やリストから簡単に行えるサーバーロケーションの変更も、手動接続の場合は設定を新たに追加するか、既存の設定を編集する必要があり、非常に手間がかかります。
- セキュリティリスク: キルスイッチが機能しないため、VPN接続が意図せず切断された場合に、あなたの本当のIPアドレスが漏れてしまうリスクが高まります。プライバシーを最重要視するなら、やはり公式アプリが推奨されます。
これらのメリット・デメリットを理解した上で、手動接続が自分の状況に適しているか判断することが重要です。基本的には公式アプリの利用を第一とし、手動接続はあくまで代替手段と考えるのが良いでしょう。
【Windows編】ExpressVPNを手動でセットアップする完全ガイド
それでは、具体的にWindowsのOS標準機能を使ってExpressVPNに接続する手順を解説します。ここでは、Windows 11を例に進めますが、Windows 10でも基本的な流れは同じです。
ステップ1: ExpressVPNアカウント情報とサーバー情報を取得
まず、手動設定に必要な情報をExpressVPNの公式サイトで確認します。
- ExpressVPNの公式サイトにサインインします。
- 「Set up on more devices」または「製品設定」のページにアクセスします。
- 左側のメニューから「Manual Configuration(手動設定)」を選択します。
- 右側に「OpenVPN」「L2TP/IPsec」「PPTP」のタブが表示されます。ここでは、より安全な「L2TP/IPsec」を選択しましょう。(※2025年現在、セキュリティの観点からPPTPは非推奨、OpenVPNは専用クライアントが必要なため、OS標準機能ではL2TP/IPsecまたはIKEv2が一般的です。)
- 表示されている「Username(ユーザー名)」「Password(パスワード)」、そして「Pre-Shared Key(事前共有キー)」をメモしておきます。これはExpressVPNのログイン情報とは異なる、手動設定専用のものです。
- 同じページに記載されているサーバーアドレスのリストから、接続したい国のサーバーアドレス(例:
tokyo-1.expresslayer.com)を一つ選んでメモします。
ステップ2: WindowsのVPN設定
次に、取得した情報を使ってWindowsにVPN接続プロファイルを作成します。
- 「スタートメニュー」を開き、「設定」をクリックします。
- 左側のメニューから「ネットワークとインターネット」を選択し、次に「VPN」をクリックします。
- 「VPN接続を追加」ボタンを押します。
- 以下の通りに情報を入力します。
- VPN プロバイダー: 「Windows (ビルトイン)」を選択します。
- 接続名: 任意の分かりやすい名前を入力します(例: ExpressVPN Tokyo L2TP)。
- サーバー名またはアドレス: ステップ1でメモしたサーバーアドレスを入力します。
- VPN の種類: 「事前共有キーを使った L2TP/IPsec」を選択します。
- 事前共有キー: ステップ1でメモした事前共有キー「123456789」を入力します。
- サインイン情報の種類: 「ユーザー名とパスワード」を選択します。
- ユーザー名: ステップ1でメモしたユーザー名を入力します。
- パスワード: ステップ1でメモしたパスワードを入力します。
- 「サインイン情報を保存する」にチェックを入れておくと、次回から入力が不要になります。
- すべての情報を入力したら、「保存」をクリックします。
ステップ3: 接続と切断
作成したVPNプロファイルの「接続」ボタンを押すだけで、VPNに接続できます。「接続済み」と表示されれば成功です。切断する際も、同じ画面の「切断」ボタンを押します。
これで、Windowsの標準機能だけでExpressVPNのサーバーに接続できました。タスクバーのネットワークアイコンからも簡単に接続・切断が可能です。
【Mac編】ExpressVPNをOS標準機能で利用する手順
続いて、Mac(macOS)でExpressVPNに手動接続する手順です。ここではmacOS Sonomaを例に解説しますが、以前のバージョンでも「システム環境設定」>「ネットワーク」から同様に設定可能です。
ステップ1: ExpressVPNアカウント情報の取得
Windows編と同様に、まずExpressVPNの公式サイトで手動設定用の情報を取得します。手順はまったく同じです。
- ExpressVPNの公式サイトにサインイン後、「Manual Configuration(手動設定)」ページにアクセスします。
- 「L2TP/IPsec」タブを選択し、表示されるユーザー名、パスワード、事前共有キーをメモします。
- 接続したい国のサーバーアドレスをメモします。
macOSでは、よりモダンで高速なIKEv2プロトコルも利用できます。もしIKEv2で接続したい場合は、ExpressVPNのサポートページでIKEv2用の設定情報を探す必要がありますが、L2TP/IPsecの方が情報を見つけやすく簡単です。
ステップ2: macOSのVPN設定
取得した情報を使って、macOSにVPN構成を追加します。
- 「Appleメニュー」>「システム設定」を開きます。
- サイドバーで「ネットワーク」をクリックします。
- 右下の「…」アクションメニューをクリックし、「VPN構成を追加」を選択します。利用したいプロトコルに応じて「L2TP over IPSec…」または「IKEv2…」を選びます。ここでは「L2TP over IPSec…」を選択します。
- 以下の情報を入力します。
- 表示名: 任意の分かりやすい名前を入力します(例: ExpressVPN Japan)。
- サーバアドレス: ステップ1でメモしたサーバーアドレスを入力します。
- アカウント名: ステップ1でメモしたユーザー名を入力します。
- 次に、「認証設定…」ボタンをクリックします。
- 「パスワード」の欄に、ステップ1でメモしたパスワードを入力します。
- 「共有シークレット」のラジオボタンを選択し、ステップ1でメモした事前共有キーを入力します。
- 「OK」をクリックします。
- 「作成」ボタンをクリックして、VPN構成を保存します。
ステップ3: 接続と切断
設定が完了すると、システム設定のネットワーク画面や、メニューバーに表示させたVPNアイコンから、作成したVPN構成のスイッチをオンにするだけで接続できます。接続を切りたい時も同様にスイッチをオフにするだけです。
以上の手順で、MacでもアプリなしでExpressVPNを利用できます。
手動接続の注意点と便利な使い方
手動接続は便利ですが、最大限活用するためにはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。
手動接続で利用できない主要機能
前述の通り、手動接続ではExpressVPNの便利な機能が使えません。特にセキュリティに関わる以下の2点は重要です。
- ネットワークロック(キルスイッチ): 手動接続では、VPNが切断されてもインターネット通信は止まりません。機密性の高い作業を行う際は、IPアドレスが漏洩するリスクがあることを常に意識してください。
- DNSリーク保護: ExpressVPNのアプリは、OSのDNS設定を上書きして自社の暗号化されたDNSサーバーを使用することで、DNSリークを防ぎます。手動設定の場合、この保護が完全ではない可能性があるため、より高い匿名性が必要な場合は注意が必要です。
これらの高度な機能を含め、ExpressVPNが提供する全てのサービスを最大限に活用したいのであれば、やはり公式アプリの利用が最も安全で確実です。ExpressVPNの基本的な使い方から応用までを網羅した情報は、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 【2025年最新版】ExpressVPNとは?使い方・料金・評判を徹底解説!始め方ガイド
トラブルシューティング
手動接続でうまくいかない場合、以下の点を確認してみてください。
- 入力情報の再確認: ユーザー名、パスワード、サーバーアドレス、事前共有キーにタイプミスがないか、一文字ずつ丁寧に見直しましょう。特に大文字と小文字、数字の「0」とアルファベットの「O」などは間違いやすいポイントです。
- 別のサーバーアドレスを試す: 特定のサーバーがメンテナンス中であったり、混雑していたりして接続できない場合があります。リストにある別のサーバーアドレスで試してみてください。
- ネットワーク環境の確認: ファイアウォールやセキュリティソフトがVPN接続をブロックしている可能性があります。一時的に無効にして試すか、別のネットワーク(例: スマートフォンのテザリング)で接続できるか確認してみましょう。
これらの対処法で解決しない場合は、ExpressVPNの24時間対応ライブチャットサポートに問い合わせるのが最も早い解決策です。
まとめ
この記事では、ExpressVPNの公式アプリを使わずに、WindowsとMacのOS標準機能だけで手動接続する方法を詳しく解説しました。
手動接続は、アプリが使えない緊急時や、PCへのソフトインストールが制限されている環境で非常に役立つ代替手段です。
しかし、キルスイッチやスプリットトンネリングといった高度な機能が利用できないなど、デメリットも存在します。
セキュリティと利便性を最大限に享受するためには、やはり公式アプリの利用が最適です。
本記事で紹介した手動接続は「いざという時のための知識」として覚えておき、普段はぜひ高機能な公式アプリを活用してください。
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