n8nを使った業務自動化のワークフロー構築において、日時の扱いは避けて通れない重要な要素です。
APIから取得したデータのタイムスタンプ、Googleスプレッドシートに入力された日付、WordPressへの投稿予約時間など、様々な場面で日時データを扱う必要があります。
しかし、「システムの求めるフォーマットが違う」「タイムゾーンを変換したい」「3日後の日付を取得したい」といった処理は、プログラミングに慣れていないと少し難しく感じるかもしれません。
そんな複雑な日時処理を、驚くほど直感的に、そしてノーコードで実現してくれるのが、n8nに標準搭載されている「Date & Time」ノードです。
この記事を読めば、Date & Timeノードの基本的な使い方から、実務で役立つ応用テクニックまでを完全にマスターできます。
日時処理を制する者は、n8nの自動化を制すると言っても過言ではありません。
あなたのワークフローを一段階レベルアップさせる旅に、さっそく出発しましょう。
n8n Date & Timeノードの基本操作 – まずはここから
Date & Timeノードは、その名の通り、n8nのワークフロー内で日付と時刻に関連するあらゆる操作を担う専門家です。このセクションでは、ノードの基本的な役割と、最もシンプルな使い方である「現在日時の取得」について解説します。(2026年1月時点の情報)
Date & Timeノードの役割とは?
このノードの最大の魅力は、コーディングを一切必要とせず、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)上の設定だけで高度な日時処理が可能な点にあります。具体的には、以下のような多彩な機能を提供します。
- 現在日時の取得: ワークフローが実行された瞬間の日時を取得します。
- フォーマット変換: 「2025-12-16T15:00:00.000Z」のようなISO形式を、「2025年12月16日」といった見やすい形式に変換します。
- 日時計算: 特定の日付に対して、数日後、数ヶ月前といった加算・減算処理を行います。
- タイムゾーン変換: UTC(協定世界時)をJST(日本標準時)に変換するなど、異なるタイムゾーン間の差異を吸収します。
- 比較・差分計算: 2つの日付の間の日数や時間差を算出します。
これらの機能を組み合わせることで、これまで手作業や複雑な関数で行っていた日時関連のタスクを、n8n上でスマートに自動化できるようになります。
基本の「き」:現在日時を取得する方法
まずは、最も基本的な使い方として、ワークフロー実行時の現在日時を取得してみましょう。操作は非常に簡単です。
- n8nのキャンバス上で「+」アイコンをクリックします。
- 検索ボックスに「Date & Time」と入力し、表示されたノードを選択します。
- ノードが追加されたら、何も設定を変更せずに「Execute Node」ボタンを押します。
たったこれだけで、ノードの出力(Output)に現在の日時が「ISO 8601」という世界標準の形式で表示されます。例えば、「2026-01-15T10:30:00.000Z」のような形式です。このISO形式は、多くのAPIやシステムで標準的に利用されるため、n8nでは基本の形式として扱われます。
独自の視点: Date & Timeノードは、前のノードからデータを受け取っていない場合、実行時の「現在時刻」を基準に動作します。しかし、前のノードから日付データ(例: `{“createdAt”: “2025-12-01T00:00:00.000Z”}`)を受け取った場合は、その受け取った日付を基準に処理を行います。この挙動を理解しておくことが、Date & Timeノードを使いこなす上で最初の重要なポイントとなります。「Data to Use」プロパティで、どの入力データを処理対象にするか明示的に指定することも可能です。
実践!よくある日時フォーマット変換パターンをマスターする
n8nで自動化ワークフローを構築する上で、最も頻繁に利用する機能が「フォーマット変換」です。システムAから受け取った日時データを、システムBが要求する形式に変換する、といったシナリオは日常茶飯事です。このセクションでは、Date & Timeノードの核心機能であるフォーマット変換を徹底解説します。
なぜフォーマット変換が欠かせないのか?
例えば、以下のようなケースを想像してみてください。
- API連携: Notion APIから取得したページの作成日(ISO形式)を、Slack通知用に「MM月DD日 HH:mm」という分かりやすい形式にしたい。
- データベース連携: MySQLデータベースに保存されている日時(YYYY-MM-DD HH:mm:ss形式)を、Googleスプレッドシートに「YYYY/MM/DD」形式で記録したい。
- ファイル名生成: 毎日生成するレポートファイルの名前に、実行日の「YYYYMMDD」という日付文字列を入れたい。
このように、システムやサービスの数だけ日時の表現方法が存在します。Date & Timeノードによるフォーマット変換は、これらのシステム間の差異を吸収し、スムーズなデータ連携を実現するための「翻訳者」の役割を果たします。
「From Format」と「To Format」を使いこなす
Date & Timeノードでフォーマットを変換するには、主に2つのプロパティを設定します。
- From Format: 入力データ(変換元)の日時がどのようなフォーマットであるかを指定します。
- To Format: 出力データ(変換後)をどのようなフォーマットにしたいかを指定します。
これらの指定には、特定の意味を持つトークン(プレースホルダー)を使用します。代表的なトークンは以下の通りです。
YYYY: 4桁の年 (例: 2026)MM: 2桁の月 (例: 01)DD: 2桁の日 (例: 15)HH: 24時間表記の時 (例: 13)mm: 2桁の分 (例: 05)ss: 2桁の秒 (例: 30)
実践例: ISO形式から日本語表記へ
前のノードから {"date": "2026-01-15T14:00:00.000Z"} というデータを受け取ったとします。これを「2026年01月15日」という形式に変換してみましょう。
- Date & Timeノードの「Property Name」に、処理したいデータが含まれるプロパティ名(この場合は `date`)を指定します。
- 「To Format」に
YYYY年MM月DD日と入力します。
これだけで実行すると、出力には指定したフォーマットの新しいプロパティが追加されます。入力が標準的なISO形式の場合、「From Format」は空欄のままでもn8nが自動で解析してくれることが多いですが、もしうまくいかない場合は「From Format」に YYYY-MM-DDTHH:mm:ss.SSSZ と正確に指定する必要があります。
独自の視点: フォーマット変換で初心者が最も陥りやすいのが、「From Format」の指定ミスです。n8nは賢いですが、特殊なフォーマット(例: `DD/MM/YYYY`)や、標準から少し外れた形式のデータを扱う場合は、入力データの形式を正確に「From Format」で教えてあげる必要があります。変換エラーが出た際は、まず入力データの形式と「From Format」の指定が完全に一致しているかを確認するのが、問題解決への一番の近道です。
ワークフローを強化する日時計算とタイムゾーン対応
フォーマット変換をマスターしたら、次は日時計算とタイムゾーン対応に挑戦しましょう。これらの機能を使いこなすことで、「3日後にリマインダーを送る」「海外サービスの時間を日本時間に合わせる」といった、より高度で実用的な自動化が実現可能になります。
日時の加算・減算で未来や過去を操作する
Date & Timeノードでは、特定の日時に対して期間を加えたり引いたりする計算が非常に直感的に行えます。「Operation」プロパティで「Add(加算)」または「Subtract(減算)」を選択し、期間と単位を指定するだけです。
実践例: 7日後にリマインドタスクを作成する
- Date & Timeノードで、基準となる日時(例: 現在日時)を取得します。
- 「Operation」で「Add」を選択します。
- 「Value」に `7` と入力します。
- 「Unit」で「Days」を選択します。
これを実行すると、出力にはきっかり7日後の日時データが生成されます。このデータを後続のTodoistノードやNotionノードに渡せば、「プロジェクト開始から7日後のフォローアップタスク」を自動で作成するワークフローが完成します。「-3 months(3ヶ月前)」や「+2 hours(2時間後)」のように、様々な単位で柔軟に日時を操作できるのが強力な点です。
国際的なワークフローの必須知識:タイムゾーンの壁を越える
海外のサービス(例えば、米国のサーバーで稼働しているAPI)と連携する場合、タイムゾーンの違いが問題になることがよくあります。APIからのレスポンスがUTC(協定世界時)で返却される一方、日本のユーザーにはJST(日本標準時)で表示したい、といったケースです。
Date & Timeノードでは、このタイムゾーン変換も簡単です。
- From Timezone: 入力データがどのタイムゾーンであるかを指定します。(例: `UTC`)
- To Timezone: 出力データをどのタイムゾーンに変換したいかを指定します。(例: `Asia/Tokyo`)
実践例: UTCをJSTに変換する
- Date & TimeノードにUTCの日時データを入力します。
- 「From Timezone」に `UTC` を指定します。
- 「To Timezone」に `Asia/Tokyo` を指定します。
実行すると、自動的に9時間進んだJSTの日時データが出力されます。これにより、海外の取引先とのやり取りや、グローバルなイベントの時間を扱うワークフローも、時差を気にすることなく正確に構築できます。
独自の視点: n8nの実行環境自体のタイムゾーンも意識することが重要です。もしn8nをセルフホストしているサーバーのタイムゾーンがUTCに設定されている場合、Date & Timeノードのデフォルトの挙動もUTC基準になります。多くのクラウドサービス(n8n Cloudを含む)はUTCを標準としているため、「日時の挙動がおかしいな?」と感じたら、まずはデータがどのタイムゾーンで扱われているかを確認し、必要に応じて明示的にタイムゾーン変換を行う癖をつけることをお勧めします。これは安定したワークフローを構築するためのプロの習慣です。
まとめ:Date & Timeノードでn8n自動化をネクストレベルへ
今回は、n8nのワークフロー構築に不可欠なDate & Timeノードについて、その基本から応用までを詳しく解説しました。
直感的なGUI操作だけで、以下のような強力な機能を利用できることをご理解いただけたかと思います。
- 様々なフォーマット変換で、システム間のデータ連携をスムーズに。
- 日時の加算・減算で、未来のタスク予約や過去のデータ集計を自動化。
- タイムゾーン変換で、グローバルなワークフローも正確に構築。
Date & Timeノードをマスターすることは、単に日時を扱えるようになるだけでなく、あなたのn8nワークフローの可能性を飛躍的に広げることを意味します。これまで諦めていた複雑な処理も、このノードを使えばきっと実現できるはずです。
n8nが持つ自動化のポテンシャルは計り知れません。もし、まだn8nを試したことがないなら、ぜひその第一歩を踏み出してみてください。驚くほど簡単に、あなたの日常業務が効率化されていくのを実感できるでしょう。
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