noteやBrainの売上、正しく記帳できていますか?
noteやBrain、Tipsといったプラットフォームでコンテンツを販売している個人事業主が増えています。
しかし、いざ確定申告の時期になると「プラットフォームの手数料はどう処理するの?」「振込額と売上額が合わないけど大丈夫?」と頭を抱える方が少なくありません。
実際、コンテンツ販売の記帳は通常の物販やサービス提供とは異なるポイントがいくつもあります。
売上の計上タイミング、プラットフォーム手数料の仕訳、振込手数料の扱いなど、知らないまま進めると申告漏れや過少申告につながるリスクがあります。
2026年4月時点の情報をもとに、初めてコンテンツ販売の確定申告に取り組む方にもわかるよう丁寧にまとめました。
コンテンツ販売の記帳が難しい3つの理由
売上金額と入金額が一致しない
コンテンツ販売プラットフォームでは、販売価格からプラットフォーム手数料が差し引かれた金額が振り込まれます。たとえばnoteでは、販売価格の15%(有料記事の場合)が手数料として差し引かれます。Brainでは販売価格の12%がプラットフォーム手数料です。
ここで重要なのは、売上として計上すべきなのは「振込額」ではなく「販売価格の総額」であるという点です。手数料を差し引いた入金額だけを売上として記帳してしまうと、経費に計上できるはずの手数料分が消えてしまい、結果的に正確な損益が把握できなくなります。
売上の発生日と入金日がズレる
noteの場合、売上が発生してから実際に振り込まれるまでに1〜2か月ほどのタイムラグがあります。Brainも同様に、一定期間ごとにまとめて振り込まれる仕組みです。
発生主義で記帳する場合、売上はコンテンツが購入された日に計上する必要があります。12月に売れたコンテンツの入金が翌年1月になるケースでは、売上の計上年度を間違えると申告内容に誤りが生じます。
複数プラットフォームの管理が煩雑
noteとBrainの両方でコンテンツを販売していたり、さらにTipsやココナラなども併用している場合、それぞれのプラットフォームで手数料率や入金サイクルが異なります。プラットフォームごとに仕訳のルールを整理しておかないと、記帳の抜け漏れが起きやすくなります。
マネーフォワード クラウド確定申告でコンテンツ販売を記帳する具体的手順
ステップ1:勘定科目と補助科目を設定する
まず、コンテンツ販売に関連する勘定科目を整理します。マネーフォワード クラウド確定申告の「各種設定」から「勘定科目」を開き、以下の補助科目を追加しておくと管理が楽になります。
- 売上高の補助科目:「note売上」「Brain売上」など、プラットフォームごとに作成
- 支払手数料の補助科目:「プラットフォーム手数料」として作成
- 売掛金の補助科目:「note売掛金」「Brain売掛金」など、プラットフォームごとに作成
補助科目をプラットフォーム別に分けておくことで、どのプラットフォームからいくら売上があったのかを一目で確認できます。私自身、最初は補助科目を分けずに運用していましたが、確定申告の時期に各プラットフォームの売上を突き合わせる作業が非常に大変でした。この一手間が後々の確認作業を大幅に楽にしてくれます。
ステップ2:売上発生時の仕訳を登録する
コンテンツが購入された時点で、以下の仕訳を登録します。たとえば、noteで1,000円の有料記事が売れた場合(手数料率15%)の仕訳例です。
〈借方〉売掛金(note売掛金)850円 / 〈貸方〉売上高(note売上)1,000円
〈借方〉支払手数料(プラットフォーム手数料)150円
この仕訳により、売上は販売価格の総額1,000円で計上され、プラットフォーム手数料150円は経費として処理されます。売掛金には手数料を引いた入金予定額850円が残ります。
マネーフォワード クラウド確定申告の「仕訳帳」または「振替伝票入力」から登録できます。振替伝票入力を使うと、1つの取引で借方を2行に分けて入力できるため便利です。
ステップ3:入金時の仕訳を登録する
プラットフォームから銀行口座に入金があった際の仕訳です。
〈借方〉普通預金 850円 / 〈貸方〉売掛金(note売掛金)850円
銀行口座をマネーフォワード クラウド確定申告に連携している場合、入金データが自動で取り込まれます。この入金データに対して、売掛金の消込(けしこみ)として仕訳を登録すれば完了です。
なお、振込手数料がかかるプラットフォームの場合は、以下のように処理します。
〈借方〉普通預金 600円 / 〈貸方〉売掛金(note売掛金)850円
〈借方〉支払手数料(振込手数料)250円
ステップ4:仕訳ルールを活用して入力を効率化する
マネーフォワード クラウド確定申告には「自動仕訳ルール」機能があります。銀行口座に連携した入金データのうち、摘要に「note」や「Brain」といったキーワードが含まれる場合に、自動的に勘定科目を割り当てるルールを設定できます。
設定手順は以下のとおりです。
- 「自動で仕訳」メニューから「連携サービスから入力」を開く
- 取り込まれた明細の中から、noteやBrainからの入金を選択
- 勘定科目に「売掛金」、補助科目に「note売掛金」を設定
- 「仕訳ルールとして記憶する」にチェックを入れて登録
次回以降、同じパターンの入金があれば自動で仕訳候補が表示されるため、確認して登録するだけで済みます。ただし、この自動仕訳で処理できるのは入金時の売掛金消込のみです。売上発生時の仕訳(ステップ2)は、各プラットフォームの売上レポートをもとに手動で登録する必要があります。
よくある失敗とその回避方法
実務でつまずきやすいポイントをまとめます。
1つ目は、入金額をそのまま売上にしてしまうケースです。前述のとおり、売上はあくまで販売価格の総額です。入金額を売上にすると手数料分の経費が計上されず、所得が実際より多く計算されてしまいます。
2つ目は、年末年始の売上計上漏れです。12月に販売されたコンテンツの入金が翌年1月になる場合、売上は12月に計上しなければなりません。プラットフォームの売上レポートで12月分を必ず確認し、入金前でも売掛金として売上を計上してください。
3つ目は、アフィリエイト報酬との混同です。Brainにはアフィリエイト(紹介)機能があり、他者のコンテンツを紹介して得た報酬と、自分のコンテンツの売上では勘定科目が異なります。アフィリエイト報酬は「売上高」ではなく「雑収入」や別の補助科目で管理するのが適切です。
手動記帳と自動連携、どちらを選ぶべきか
手動記帳のメリットとデメリット
プラットフォームの売上レポートを確認しながら1件ずつ仕訳を登録する方法です。取引の内容を正確に把握でき、手数料の計算も確実に行えます。一方で、販売件数が多い月は入力作業に相当な時間がかかります。月間の販売件数が10件以下であれば手動でも十分対応できますが、それを超えると効率化の工夫が必要です。
CSV取り込みによる半自動化
noteやBrainの売上データをCSVでダウンロードし、マネーフォワード クラウド確定申告の「仕訳帳」にインポートする方法もあります。CSVファイルのフォーマットをマネーフォワードの仕訳インポート形式に合わせる必要がありますが、表計算ソフトでテンプレートを作っておけば、毎月のデータ変換を効率的に行えます。
私の経験では、月間30件以上の販売がある場合はCSV取り込みが圧倒的に効率的です。初回のテンプレート作成に30分ほどかかりますが、以降は毎月10分程度で記帳が完了します。
銀行口座連携との組み合わせが最適解
結論として、もっとも効率的なのは「売上発生時はCSVまたは手動で記帳し、入金時は銀行口座連携で自動処理する」という組み合わせです。マネーフォワード クラウド確定申告は主要な銀行口座やクレジットカードとの連携に対応しており、入金データの取り込みは自動で行われます。この自動取り込みと手動の売上記帳を突き合わせることで、記帳漏れを防ぐチェック体制も構築できます。
マネーフォワード クラウド確定申告の口座連携の設定方法や対応金融機関の詳細は、マネーフォワード クラウド確定申告の完全ガイドで解説していますので参考にしてください。
プラットフォーム別の手数料率と記帳のポイント
- note:有料記事は売上の15%、定期購読マガジンは売上の20%がプラットフォーム手数料。加えて決済手数料が5%別途かかる場合あり
- Brain:プラットフォーム手数料は売上の12%。紹介機能を使った場合は紹介者への報酬も差し引かれる
- Tips:手数料率は売上の14%
- ココナラ:販売額に応じて手数料率が変動(22%が基本)
手数料率がプラットフォームによって異なるため、仕訳を登録する際は毎回プラットフォームの売上レポートで実際の手数料額を確認することをおすすめします。概算ではなく、レポートに記載された正確な金額を使うことで、決算時の差異を防げます。
まとめ:コンテンツ販売の記帳は「仕組み化」が成功の鍵
コンテンツ販売の売上をマネーフォワード クラウド確定申告で正確に記帳するためのポイントを整理します。
- 売上は入金額ではなく、販売価格の総額で計上する
- プラットフォーム手数料は「支払手数料」として経費に計上する
- 補助科目をプラットフォーム別に作成し、管理を明確にする
- 年末の売上計上漏れに注意し、発生主義で記帳する
- 銀行口座連携と手動記帳を組み合わせ、ダブルチェック体制を作る
これらの設定を一度整えておけば、毎月の記帳作業は大幅に効率化されます。コンテンツ販売の規模が大きくなるほど、正確な記帳の仕組みが活きてきます。
まだマネーフォワード クラウド確定申告を導入していない方は、マネーフォワード クラウド確定申告の公式サイトから無料で始められます。まずはアカウントを作成し、銀行口座の連携と補助科目の設定から取りかかってみてください。