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キャッシュレス決済のテスト入金・返金処理をマネーフォワードで相殺して仕訳する正確な手順

キャッシュレス決済のテスト入金と返金、帳簿上でどう処理すればいい?

キャッシュレス決済を新たに導入したとき、決済端末やオンライン決済サービスの動作確認のために「テスト入金」を行うことがあります。

少額を実際に決済して、正常に処理されるかを確認し、その後すぐに返金処理をする。

業務としてはごく自然な流れですが、問題はこのテスト入金と返金が銀行口座やクレジットカードの明細にしっかり記録されてしまうことです。

マネーフォワード クラウド確定申告のように銀行口座やカード明細を自動取得する会計ソフトを使っていると、これらのテスト取引も「未仕訳」として表示されます。

無視すれば残高がずれ、適当に処理すれば売上や経費が実態と合わなくなる。

筆者自身、Square・Airペイ・Stripe・PayPayなど複数のキャッシュレス決済を導入してきた経験から、テスト取引の仕訳で実際に迷ったポイントと、その解決策を具体的にお伝えします。

なぜテスト入金・返金の仕訳を放置してはいけないのか

自動取得した明細は「すべて仕訳する」が原則

マネーフォワード クラウド確定申告では、連携した銀行口座やクレジットカードの明細が自動で取り込まれます。取り込まれた明細は、仕訳として登録するか、「対象外」として処理するかのいずれかを行う必要があります。未処理のまま放置すると、帳簿上の残高と実際の口座残高にずれが生じます。

たとえば、Squareの動作確認で100円のテスト決済を行い、翌日に100円が入金されたとします。この入金を仕訳しなければ、マネーフォワード上の預金残高が実際より100円少ない状態になります。その後の返金処理も同様で、仕訳しなければ残高のずれは解消されません。

「対象外」にすると残高が合わなくなるリスク

よくある間違いが、テスト入金と返金の両方を「対象外」にしてしまうケースです。入金と返金が同じ口座内で完結し、かつ同額であれば結果的に残高は合います。しかし、キャッシュレス決済では入金口座と支払い元が異なるケースが頻繁に発生します。

具体例を挙げると、自分のクレジットカードでSquare端末のテスト決済を行った場合、入金はSquareからの振込として銀行口座に反映され、支出はクレジットカードの明細に記録されます。片方だけを「対象外」にすると、一方の口座残高だけがずれる結果になります。

売上や経費に計上してしまう典型的なミス

もうひとつの典型的な失敗は、テスト入金を「売上高」として仕訳してしまうことです。自動仕訳ルールが設定されていると、Squareからの入金がすべて売上として自動仕訳されるケースがあります。テスト入金はあくまで動作確認であり、実際の売上ではありません。これを売上に計上してしまうと、確定申告時に実際より多い売上を申告することになり、余分な税金を支払うことになりかねません。

同様に、テスト決済に使ったクレジットカードの支出を「消耗品費」や「雑費」などの経費に計上するのも誤りです。テスト入金と返金は事業活動による収益でも費用でもなく、一時的な仮の取引として処理する必要があります。

マネーフォワードでテスト入金・返金を相殺仕訳する具体的手順

ステップ1:テスト取引の全体像を把握する

仕訳を始める前に、テスト取引がどの口座にどのタイミングで反映されるかを整理しましょう。一般的なキャッシュレス決済のテスト取引では、次のようなお金の流れが発生します。

(例)Squareで自分のクレジットカードを使ってテスト決済した場合

  • テスト決済日:クレジットカードに100円の利用が記録される
  • 入金日(数日後):Squareから銀行口座に100円(手数料控除後の金額)が振り込まれる
  • 返金処理日:Squareの管理画面から返金を実行
  • 返金反映日:クレジットカードに100円の返金が記録される
  • 返金精算日:次回のSquareからの入金時に返金額が差し引かれる、または銀行口座から返金分が引き落とされる

決済サービスによって手数料の扱いや返金の反映タイミングが異なるため、まずは関連する口座の明細を確認し、テスト取引に該当する項目をすべてリストアップしてください。

ステップ2:使用する勘定科目を確認する

テスト入金・返金の仕訳には「仮受金」と「仮払金」を使います。これらは一時的な入出金を記録するための勘定科目で、最終的に相殺してゼロにすることを前提としています。

勘定科目の意味は次のとおりです。

  • 仮受金:一時的に受け取ったお金で、最終的な勘定科目が未確定のもの。テスト入金の受け取り側に使用
  • 仮払金:一時的に支払ったお金で、最終的な勘定科目が未確定のもの。テスト決済の支払い側に使用

マネーフォワード クラウド確定申告では、仮受金・仮払金はデフォルトの勘定科目一覧に含まれています。もし表示されない場合は、「設定」→「勘定科目」から追加できます。

ステップ3:テスト入金の仕訳を登録する

マネーフォワードの「自動で仕訳」画面から、銀行口座に反映されたテスト入金の明細を選択します。

(仕訳例)Squareからのテスト入金100円が銀行口座に振り込まれた場合

  • 借方:普通預金 100円
  • 貸方:仮受金 100円
  • 摘要:Squareテスト決済入金(動作確認)

ここで重要なのは、摘要欄に「テスト」「動作確認」などの文言を必ず入れることです。後から見返したときに、なぜこの仕訳が存在するのかがすぐに分かるようにしておくと、確定申告時の見直しが格段に楽になります。筆者の経験上、摘要が不十分だと数カ月後に「この仮受金は何だったか」と調べ直す手間が発生します。

ステップ4:テスト決済のカード利用分を仕訳する

自分のクレジットカードでテスト決済を行った場合、カードの明細にも取引が表示されます。

(仕訳例)クレジットカードで100円のテスト決済を行った場合

  • 借方:仮払金 100円
  • 貸方:クレジットカード(未払金) 100円
  • 摘要:Squareテスト決済支払い(動作確認)

なお、事業用ではなくプライベートのクレジットカードでテスト決済を行った場合は、貸方を「事業主借」にします。この場合、返金時は「事業主貸」で処理することになります。

ステップ5:返金処理の仕訳を登録する

返金が実行されると、入金の逆の動きが発生します。返金の反映先によって仕訳が変わります。

(仕訳例A)クレジットカードに返金が反映された場合

  • 借方:クレジットカード(未払金) 100円
  • 貸方:仮払金 100円
  • 摘要:Squareテスト決済返金(動作確認)

(仕訳例B)Squareの次回入金から返金額が差し引かれた場合

  • 借方:仮受金 100円
  • 貸方:普通預金 100円
  • 摘要:Squareテスト決済返金精算(動作確認)

返金の反映方法は決済サービスによって異なります。Squareでは次回の入金から差し引かれるケースが多く、Stripeでは直接カードへの返金とStripeの残高からの控除の両方が起こり得ます。自分が利用している決済サービスの返金フローを事前に確認しておくことをおすすめします。

ステップ6:仮受金・仮払金の残高がゼロになっているか確認する

すべてのテスト取引の仕訳が完了したら、マネーフォワードの「残高試算表」または「総勘定元帳」で仮受金・仮払金の残高を確認します。正しく相殺仕訳ができていれば、両方の残高がゼロになっているはずです。

残高がゼロにならない場合は、次の点をチェックしてください。

  • 決済手数料が差し引かれていないか(Squareの場合、3.25%の手数料が入金時に控除される。テスト入金が100円なら約97円の入金になる)
  • 返金時の手数料が別途発生していないか
  • 入金日と返金日の間にレート変更などが発生していないか(外貨決済の場合)

手数料が差し引かれている場合は、その差額を「支払手数料」として仕訳します。たとえば、100円のテスト決済でSquareの手数料3円が控除され97円が入金された場合は、次のように仕訳します。

  • 借方:普通預金 97円 / 貸方:仮受金 97円
  • 借方:支払手数料 3円 / 貸方:仮受金 3円

あるいは複合仕訳で一度に登録することも可能です。

ここまでの手順をまとめると、テスト入金と返金はすべて仮受金・仮払金で処理し、最終的にそれぞれの残高がゼロになるように相殺するのが正しい方法です。この処理に慣れておくと、テスト取引以外にも保証金の一時預かりなど、似たような一時的な入出金にも応用できます。

なお、マネーフォワード クラウド確定申告の基本的な使い方や機能の全体像については、【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説の記事で詳しくまとめていますので、あわせて参考にしてください。

他の処理方法との比較と注意点

「対象外」処理との比較

先述のとおり、テスト入金と返金の両方を「対象外」にする方法もあります。入金と返金が同一口座内で完結し金額も完全に一致する場合は、結果として残高は合います。ただし、この方法には以下のデメリットがあります。

  • 「対象外」にした取引は帳簿に一切記録されないため、後から取引の存在を確認できない
  • 税務調査時に口座の明細と帳簿を突き合わせたとき、説明が求められる可能性がある
  • 手数料が発生している場合に、その経費を計上する機会を逃す

少額のテスト取引であれば実務上は問題になりにくいものの、正確な帳簿管理を目指すなら仮受金・仮払金を使った相殺仕訳が望ましいです。

「雑収入」「雑損失」で処理する方法との比較

テスト入金を「雑収入」、返金に伴う出金を「雑損失」で処理する方法も見かけますが、これはおすすめしません。テスト取引は収益でも損失でもないため、損益計算書に影響を与える勘定科目で処理するのは実態と合いません。金額が小さくても、正しい勘定科目を使う習慣をつけておくことが、申告ミスを防ぐ基本です。

どんな人に仮受金・仮払金での処理が特に重要か

特に以下に該当する方は、仮受金・仮払金での正確な処理をおすすめします。

  • 青色申告で65万円控除を受けている方(正規の簿記の原則に基づく帳簿が求められるため)
  • 複数のキャッシュレス決済サービスを利用している方(テスト取引の回数が多くなりやすい)
  • 決済サービスの切り替えや新規導入を頻繁に行う方
  • 税理士に記帳を見てもらっている方(第三者が見ても分かる帳簿が必要)

まとめ:テスト入金・返金の仕訳は「仮受金・仮払金で相殺」が正解

キャッシュレス決済のテスト入金・返金処理は、仮受金と仮払金を使って仕訳し、最終的に残高をゼロにするのが正確な方法です。手順を振り返ると、次の流れになります。

  • テスト取引の全体像(どの口座にいつ反映されるか)を把握する
  • 入金は「仮受金」、支払いは「仮払金」で仕訳する
  • 返金処理でそれぞれを相殺する
  • 残高試算表で仮受金・仮払金がゼロになっていることを確認する
  • 手数料が発生している場合は「支払手数料」で差額を処理する

マネーフォワード クラウド確定申告を使えば、銀行口座やクレジットカードの明細を自動取得したうえで、こうした仕訳を画面上で簡単に登録できます。まだ利用していない方は、マネーフォワード クラウド確定申告の無料プランから試してみてください。自動取得された明細に対して仕訳ルールを設定しておけば、通常の売上入金とテスト入金を区別する作業も効率化できます。