ExpressVPNを使っているのに、なぜか特定のウェブサイトやアプリだけ「接続できない…」と困っていませんか。
普段は快適なExpressVPNが、肝心な時に限ってアクセスを阻む。
そのイライラ、非常によく分かります。
実はこの問題、多くのユーザーが一度は経験する典型的なトラブルであり、原因は一つではありません。
しかし、ご安心ください。
この記事では、考えられる全ての原因を網羅的に分析し、誰でも今すぐ試せる具体的な解決策を9つのステップで徹底的に解説します。
最後まで読めば、あなたはExpressVPNのトラブル解決能力を身につけ、より快適なインターネットライフを手に入れることができるでしょう。
ExpressVPNで特定サイトに繋がらない問題とは?
ExpressVPNは高い匿名性とセキュリティを誇る人気のVPNサービスですが、「特定の動画配信サービスだけ見られない」「ある国のサーバーに繋ぐと、特定のニュースサイトが表示されない」「会社のアプリだけVPN経由だと動作しない」といった限定的な接続問題が発生することがあります。これは、VPNが正常に機能しているにもかかわらず、特定の通信だけがうまくいかない状態です。
では、なぜこのような現象が起きるのでしょうか。主な原因は、アクセス先のサイトやサービス側がVPNからのアクセスを意図的にブロックしているケースです。特に、動画配信サービスや金融機関などは、ライセンス契約やセキュリティ上の理由から、VPNサーバーのIPアドレスを特定し、アクセスを制限することがあります。
また、原因は相手側だけにあるとは限りません。こちら側のExpressVPNアプリの設定、OSのネットワーク設定、あるいはセキュリティソフトとの競合など、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性も考えられます。この問題を放置すると、VPNを利用する本来の目的(セキュリティ確保や地域制限の回避)を果たせなくなるため、原因を正しく理解し、一つずつ対処していくことが重要です。まずは、ExpressVPNの基本的な使い方を再確認し、設定に誤りがないか見てみるのも一つの手です。
【9ステップ】ExpressVPNで特定サイトに繋がらない時の解決策
問題の特定が難しい場合でも、以下の解決策を上から順番に試すことで、ほとんどのケースで問題が解消されるはずです。簡単なものから試していきましょう。
ステップ1: VPNサーバーのロケーションを変更する
最も簡単で効果的な解決策です。アクセス先のサイトが、現在接続しているVPNサーバーのIPアドレスをブロックしている可能性があります。同じ国や地域にある別のサーバーに接続し直すだけで、あっさり問題が解決することがよくあります。
- 手順1: ExpressVPNアプリを開き、現在の接続を切断します。
- 手順2: 「ロケーションを選択」から、同じ国内の別の都市やサーバーを選び、再接続します。
- 手順3: 問題のサイトやアプリに再度アクセスできるか確認します。
ポイント: 例えば「アメリカ」に接続したい場合でも、「ロケーションを選択」から国名の右にある矢印をクリックすると、都市別のサーバーリストが表示されます。一つがダメでも、他の都市のサーバーを試す価値は十分にあります。
ステップ2: VPNプロトコルを変更する
VPNプロトコルとは、VPN接続を確立するための通信規格のことです。ExpressVPNでは複数のプロトコルが利用可能で、現在のプロトコルがサイト側でブロックされていたり、ネットワーク環境と相性が悪かったりする場合があります。
ExpressVPNで利用できる主なプロトコル:
- Lightway (推奨): ExpressVPNが独自開発した最新プロトコル。速度と安定性に優れますが、ごく稀に互換性の問題が出ることがあります。
- OpenVPN (UDP): 速度と信頼性のバランスが良い標準的なプロトコル。
- OpenVPN (TCP): 信頼性が非常に高いですが、速度はUDPより遅くなる傾向があります。接続が不安定なネットワークで効果的です。
- IKEv2: モバイルデバイスでの接続安定性が高いプロトコル。
手順:
- ExpressVPNアプリのメニュー(三本線)から「オプション」を選択します。
- 「プロトコル」タブを開きます。
- 現在の設定(通常は「自動選択」)から、別のプロトコル(例: OpenVPN – UDP)に切り替えて接続を試します。
最初は「自動選択」から「Lightway」へ、それでもダメなら「OpenVPN」の順で試してみるのがおすすめです。
ステップ3: ブラウザのキャッシュとCookieを削除する
ウェブサイトにアクセスしている場合、ブラウザに保存されている古い情報(キャッシュやCookie)が原因で、VPN経由でのアクセスがうまくいかないことがあります。サイトはあなたの過去のIPアドレスや位置情報を記憶している可能性があるためです。
手順 (Google Chromeの場合):
- Chromeの右上メニュー(︙)から「その他のツール」>「閲覧履歴を消去」を選択します。
- 「期間」を「全期間」に設定します。
- 「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れ、「データを削除」をクリックします。
この操作を行った後、再度VPNに接続してサイトにアクセスしてみてください。
ステップ4: DNSキャッシュをクリアする
ブラウザだけでなく、お使いのコンピュータ(OS)自体も、ドメイン名とIPアドレスの対応表(DNSキャッシュ)を記憶しています。これが古い情報のままだと、VPNを使っても正しいサーバーに繋がりません。
Windowsの場合:
- スタートメニューを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。
- 黒い画面に
ipconfig /flushdns
と入力し、Enterキーを押します。 - 「DNSリゾルバーキャッシュは正常にフラッシュされました。」と表示されれば完了です。
Macの場合:
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」から「ターミナル」を起動します。
- お使いのmacOSのバージョンに応じて、適切なコマンドを入力し、Enterキーを押します。(例: macOS Monterey以降では
sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder
) - パスワードを求められたら入力します。
ステップ5: ExpressVPNの「Threat Manager」を無効にする
ExpressVPNには、トラッカーや悪意のあるサイトへのアクセスをブロックする「Threat Manager」という機能があります。これが過剰に反応し、問題のないサイトやアプリの通信までブロックしてしまうことがあります。
手順:
- ExpressVPNアプリのメニューから「オプション」を選択します。
- 「Threat Manager」タブを開きます。
- 「トラッカーや悪意のあるサイトをブロックする」のチェックを外し、OKをクリックします。
この設定を変更して、問題が解決するか確認してください。解決した場合、特定のサイトを利用する時だけこの機能をオフにすると良いでしょう。
ステップ6: スプリットトンネリングの設定を確認する
スプリットトンネリングは、指定したアプリやサイトだけVPNを経由させる、あるいは経由させないように設定できる機能です。この設定が意図せず行われていると、特定のアプリが接続できない原因になります。
手順:
- ExpressVPNアプリのメニューから「オプション」を選択します。
- 「スプリットトンネリング」タブを開きます。
- 設定が有効になっている場合、以下の2つのモードのどちらが選択されているか確認します。
- すべてのアプリでVPNを使用しない: 選択したアプリ「のみ」がVPNを使用します。問題のアプリがリストに含まれているか確認してください。
- 選択したアプリにVPNの使用を許可しない: 選択したアプリ「以外」がVPNを使用します。問題のアプリがリストに含まれていないか確認してください。
一度スプリットトンネリングを無効にして、全ての通信がVPN経由になる状態で問題が解決するか試すのが、原因の切り分けに役立ちます。
ステップ7: IPv6を無効にする
多くのVPNはまだIPv4プロトコルを主に使用しています。お使いのネットワークでIPv6が有効になっていると、稀にデータがVPNトンネルの外を漏れてしまう「IPv6リーク」が発生し、接続問題の原因となることがあります。
手順 (Windows 10/11の場合):
- 「設定」>「ネットワークとインターネット」>「ネットワークの詳細設定」を開きます。
- 「ネットワークアダプターオプションの詳細」をクリックします。
- 現在使用しているネットワーク接続(Wi-Fiまたはイーサネット)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「インターネットプロトコルバージョン6 (TCP/IPv6)」のチェックを外し、「OK」をクリックします。
この設定はPCの再起動後に有効になります。
ステップ8: セキュリティソフトやファイアウォールを確認する
お使いのウイルス対策ソフトやファイアウォールが、ExpressVPNの通信を妨害している可能性があります。一時的にこれらのソフトウェアを無効にして接続を試み、もしそれで解決するなら、ExpressVPNを「例外」や「許可リスト」に設定する必要があります。
確認ポイント:
- セキュリティソフトのファイアウォール設定で、ExpressVPNに関連するプロセス(ExpressVPN.exeなど)がブロックされていないか確認します。
- 可能であれば、ExpressVPNのアプリケーションフォルダ全体をスキャン対象から除外します。
ステップ9: ExpressVPNアプリを再インストールする
上記すべての手順を試しても解決しない場合、ExpressVPNアプリのファイルが破損している可能性があります。一度アプリを完全にアンインストールし、公式サイトから最新版をダウンロードして再インストールしてみてください。
それでもまだ問題が解決しない場合は、ExpressVPNの24時間年中無休のライブチャットサポートに問い合わせるのが最終手段です。状況を詳しく説明すれば、専門の技術者がより高度な解決策を提示してくれます。
これからExpressVPNを試してみたい、あるいは契約を更新したいと考えている方は、以下の公式サイトから最新のオファーを確認できます。
他の選択肢との比較: なぜこの問題はExpressVPN特有ではないのか
「ExpressVPNだから繋がらないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、この「特定サイトへの接続問題」は、NordVPNやSurfsharkなど、他の高品質なVPNサービスでも同様に発生しうる現象です。問題の本質は、VPNサービスそのものの品質よりも、VPNという技術と、それに対応するウェブサイト側のポリシーとの関係にあります。
メリット・デメリットの客観的評価:
- メリット: ExpressVPNは、業界最大級のサーバーネットワークと、問題を迅速に解決するための優秀なサポート体制を持っています。サーバー数が多ければ多いほど、ブロックされたIPアドレスを回避する選択肢が増えます。また、Lightwayのような独自プロトコルは、一般的なプロトコルよりもブロックされにくい傾向があります。
- デメリット: 人気サービスであるため、IPアドレスが研究され、ブロック対象になりやすい側面もゼロではありません。しかし、これは他の人気VPNも同じです。
どんな人におすすめか:
この問題に直面したとしても、ExpressVPNは依然として強力な選択肢です。特に、今回紹介したような複数の解決策(プロトコル変更、Threat Managerなど)をアプリ内で簡単に試せるため、初心者から中級者まで、自分でトラブルシューティングを試みたいユーザーには最適です。逆に、設定を全く触りたくないという方にとっては、どのVPNを使っても同じ問題に直面した際、解決が難しくなる可能性があります。
まとめと次に取るべき行動
ExpressVPNで特定のサイトやアプリに接続できない問題は、様々な原因が考えられますが、多くは体系的なアプローチで解決可能です。この記事で解説した9つのステップを順番に試すことで、ほとんどのトラブルは解消できるはずです。
要点の整理:
- 最も簡単な解決策: サーバーロケーションの変更とVPNプロトコルの切り替え。
- 見落としがちな原因: ブラウザやOSのキャッシュ、スプリットトンネリングの設定ミス。
- 高度な解決策: IPv6の無効化やセキュリティソフトの確認。
- 最終手段: アプリの再インストールと公式サポートへの問い合わせ。
あなたの次のステップ:
まずはこの記事を参考に、ステップ1の「サーバーロケーションの変更」から試してみてください。それでも解決しない場合は、ステップ2、ステップ3と順番に進めていきましょう。一つ一つの手順は難しくありませんので、焦らずに取り組むことが解決への近道です。