「Makeのモジュール一覧で『Webhook』って見るけど、何のことかよくわからないし、難しそう…」
「他のアプリで何かイベントが起きたら、”リアルタイム”でMakeのシナリオを実行させたい！」
「Makeに標準モジュールがないサービスとも連携する方法はないの？」
もしあなたが、Makeを使った自動化をもう一歩先に進め、よりスピーディーで柔軟な連携を実現したいと考えているなら、「Webhook（ウェブフック）」は必ずマスターしておきたい強力な機能です。
一見すると専門的に聞こえますが、その仕組みと設定方法は意外とシンプル。
Webhookを使いこなせば、あなたの自動化の可能性は無限に広がります。
この記事では、Webhookの基本的な概念から、Makeでの具体的な設定方法、そして業務効率を劇的に向上させる活用アイデアまで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
Makeの基本的な機能や、Webhook以外の様々なトリガーについて網羅的に知りたいという方は、まず当サイトのMake完全ガイド記事「Make（メイク）とは？機能・料金・使い方を徹底解説！今日から始めるノーコード自動化生活」をご覧いただくことをお勧めします。
Makeの基礎を理解することで、Webhookの重要性や便利さがより明確になるでしょう。
さあ、Webhookをマスターして、あなたの自動化を次のレベルへと引き上げましょう！
Webhook（ウェブフック）とは？初心者にも分かりやすく解説
Webhookを専門用語を使わずに説明するなら、「Webサービス版の呼び鈴（チャイム）」や「アプリからのプッシュ通知」のようなものです。
通常のMakeのトリガー（例：15分ごとに新しいメールをチェックする）は、こちらから定期的に「何か新しいことはありませんか？」と聞きに行く「ポーリング」という方式です。これは、お店に何度も電話して「例の商品は入荷しましたか？」と確認するようなものです。
一方、Webhookは、相手のサービス側で特定のイベントが発生した瞬間に、「〇〇が起きましたよ！」とMakeに直接知らせてくれる仕組みです。これは、お店に「例の商品が入荷したら、私の携帯に電話してください」とお願いしておくようなものです。入荷した瞬間に電話がかかってくるので、リアルタイムで情報を得られ、何度も電話する手間もありません。
Webhookを利用する3つの大きなメリット
- リアルタイム性: イベント発生とほぼ同時にMakeのシナリオが実行されます。問い合わせへの即時応答や、決済完了の即時通知など、スピードが求められる業務に最適です。
- 効率性: 「何かありませんか？」と定期的に確認しに行く無駄なポーリングがなくなるため、Makeのオペレーション消費を抑えられる場合があります。特に、イベント発生頻度が低いが即時性が求められる場合に効果的です。
- 拡張性: Makeに標準の連携モジュールが用意されていないアプリケーションでも、そのアプリがWebhook送信機能に対応していれば、Makeと連携させることが可能になります。
MakeでWebhookトリガーを設定する基本ステップ
それでは、実際にMakeでWebhookトリガーを設定する手順を、ステップバイステップで見ていきましょう。
ステップ1: 新規シナリオで「Webhooks」モジュールを選択
まず、新しいシナリオを作成し、最初のモジュールとして「Webhooks」を検索して選択します。トリガーの一覧が表示されるので、「Custom webhook」を選びます。
ステップ2: Webhookの作成とURLのコピー
「Webhook」の設定画面で「Add」ボタンをクリックして、新しいWebhookを作成します。名前を付けて保存すると、一意のURL（例: `https://hook.make.com/xxxxxxxxxxxx`）が生成されます。このURLが、外部サービスからの通知を受け取るための専用の「受付窓口」になります。このURLをクリップボードにコピーしてください。このURLは非常に重要なので、第三者に漏洩しないよう厳重に管理しましょう。
ステップ3: 外部サービス側でWebhook URLを設定
次に、データを送信したい外部のアプリケーションやサービスの設定画面に移動します。多くのサービスには「Webhook」「通知」「API連携」といった設定項目があります。そこに、ステップ2でコピーしたMakeのWebhook URLを貼り付け、「保存」や「登録」をクリックします。これで、そのサービスでイベントが発生した際に、Makeへデータが送信されるようになります。
ステップ4: データ構造の決定（Determine data structure）
Makeがどのようなデータを受け取るのかを学習させる必要があります。Makeのシナリオエディタに戻り、Webhookモジュールの設定画面で「Redetermine data structure」ボタンをクリックします。Makeがデータ待機状態になります。
この状態で、ステップ3で設定した外部サービス側で、実際にテストデータを1回送信します（例：問い合わせフォームにテスト入力して送信する、決済システムでテスト注文を行うなど）。
Makeがテストデータを受信すると、そのデータの構造（どのような項目が、どのような名前で送られてくるか）を自動的に認識し、「Successfully determined.」と表示されます。
ステップ5: 設定完了と後続モジュールの作成
データ構造の決定が完了すれば、Webhookトリガーの設定は完了です。後続のモジュール（例: Slack, Google Sheetsなど）を追加すると、Webhookから受け取ったデータ項目（例: name, email, messageなど）がマッピング可能なフィールドとして表示されるようになります。これらのデータを自由に後続のモジュールに割り当てて、シナリオを完成させましょう。
MakeのWebhook活用アイデア5選（リアルタイム連携を実現）
Webhookを使えば、以下のような高度でスピーディーな自動化が実現できます。
アイデア1: Webhook対応フォームの送信内容を即時にSlack通知＆CRM登録
- 課題: 問い合わせフォームからの連絡に気づくのが遅れ、顧客へのレスポンスが遅くなってしまう。
- Makeシナリオ例: Webhookトリガー (フォームからデータ受信) → Router → パス1: Slack – Create a message (営業チャンネルに通知) / パス2: HubSpot/Salesforce – Create a Contact (CRMにリード情報として登録)。
- メリット: 問い合わせへの初動対応を最速化し、リードの取りこぼしを防ぎます。
アイデア2: 決済サービス（Stripe, PayPal等）の支払い完了をリアルタイムで受け取り、顧客情報を更新
- 課題: 決済完了の確認と、それに伴う顧客のステータス更新やサンクスメール送信が手作業で遅れがち。
- Makeシナリオ例: Webhookトリガー (決済サービスから支払い完了データを受信) → Google Sheets – Update a row (顧客管理シートのステータスを「支払い済み」に更新) → Gmail – Send an email (サンクスメールと領収書を送付)。
- メリット: 入金確認からアフターフォローまでの一連の流れを完全に自動化し、顧客体験を向上させます。
アイデア3: 自社システムやIoTデバイスからの異常アラートをWebhookで受信し、担当者に緊急通知
- 課題: サーバーのダウンや、工場のIoTセンサーの異常値など、緊急性の高いアラートの検知とエスカレーションが遅れる。
- Makeシナリオ例: Webhookトリガー (監視システムからエラーデータを受信) → Filter (エラーの深刻度でフィルタリング) → Twilio – Make a Call/Send an SMS (担当者に電話やSMSで緊急通知)。
- メリット: システム障害や物理的な問題への対応を即座に開始でき、損害を最小限に抑えます。
アイデア4: メール配信サービス（SendGrid等）の開封・クリックイベントをWebhookで取得し、エンゲージメントを計測
- 課題: 配信したメールマガジンに対し、どの顧客がどのような反応をしたかをリアルタイムで把握し、次のアクションに繋げたい。
- Makeシナリオ例: Webhookトリガー (メール配信サービスから開封/クリックイベントデータを受信) → Notion – Update a Database Item (顧客データベースのエンゲージメントスコアを更新)。
- メリット: マーケティング施策の効果測定を自動化し、顧客の興味関心に基づいた的確なフォローアップが可能になります。
アイデア5: WordPressの記事公開をWebhookでトリガーし、複数のSNSに一斉投稿
- 課題: WordPressで記事を公開した後、手作業で各SNSに投稿するのが面倒。公開と同時にタイムリーに情報を拡散したい。
- Makeシナリオ例: Webhookトリガー (WordPressのWebhook対応プラグインから記事公開データを受信) → Router → パス1: X (Twitter) – Create a Tweet / パス2: Facebook Pages – Create a Post / パス3: LinkedIn – Create a Post。
- 独自の視点・工夫: Makeの標準WordPressトリガーは定期的なチェック（ポーリング）ですが、Webhookを使えば記事を「公開」ボタンを押した瞬間にシナリオを起動できます。このリアルタイム性が、ニュース速報性の高いコンテンツなどで特に威力を発揮します。
Webhookを使う上でのヒントと注意点（独自の視点）
Webhookは非常に強力ですが、効果的かつ安全に利用するためにはいくつかのポイントがあります。
- Webhook URLの厳重な管理: このURLは、いわば家の「鍵のかかっていないドア」です。URLを知っていれば誰でもデータを送り込めてしまうため、絶対に公開の場所に貼り付けたり、信頼できない第三者に教えたりしないでください。
- データ構造（Data Structure）の重要性: Makeがデータを受け取るには、どのような形式・項目名のデータが送られてくるかを事前に知る必要があります。ステップ4の「データ構造の決定」は非常に重要です。もし送信元から送られてくるデータの項目が増えたり変更されたりした場合は、再度このプロセスを行う必要があります。
- レスポンス（応答）の返却: 一部のWebhook送信元サービスは、データ送信後、受信側から「正常に受け取りましたよ」という応答（通常はHTTPステータスコード 200 OK）を期待します。応答がないとエラーと判断するサービスもあります。その場合は、Makeのシナリオの最後に「Webhook response」モジュールを追加し、適切なステータスコードとメッセージを返す設定をしましょう。
- セキュリティ対策の強化: より安全にWebhookを利用するために、MakeのWebhook設定でIPアドレス制限をかけたり、送信元サービス側でリクエストヘッダーに特定の認証トークンを含めてもらい、Makeのシナリオの冒頭にあるフィルターでそのトークンが正しいか検証したりする、といった対策が有効です。
- デバッグとトラブルシューティング: シナリオがうまく動作しない場合は、実行履歴でWebhookトリガーが受信した生データ（Raw data）を確認しましょう。データがそもそもMakeに届いているのか、届いているデータの内容や形式（JSONなど）は期待通りか、といった点を確認することが問題解決の第一歩です。
- 独自の視点：ポーリング型トリガーとWebhookトリガーの使い分け:
- Webhookが向いているケース: リアルタイム性が最優先される場合。イベント発生頻度が低い場合。連携したいアプリにWebhook送信機能しかない場合。
- ポーリングが向いているケース: 連携したいアプリにWebhook機能がない場合。数分〜数時間単位の遅延が許容できる場合。設定を手軽に済ませたい場合（URL設定などが不要なため）。
まとめ：Webhookを制する者は、リアルタイム自動化を制する！
Webhookは、一見すると少し技術的な響きがあるかもしれませんが、その本質は「アプリ同士がリアルタイムで対話するための仕組み」であり、Makeの自動化をよりパワフルで、よりスピーディーにするための鍵となる機能です。
定期的なチェック（ポーリング）では実現できなかった即時性のある連携や、標準モジュールがないサービスとの連携も、Webhookを使いこなすことで可能になります。この記事で紹介した設定ステップと活用アイデアを参考に、まずはあなたの業務に身近なWebhook対応サービスとの連携から挑戦してみてください。その驚くべきリアルタイム性と効率の良さに、きっと感動するはずです。
Webhookを使いこなすことで、あなたのMakeスキルは格段にレベルアップします。Makeの他の強力な機能や、多様なシナリオ構築テクニックについては、当サイトのMake完全ガイド記事「Make（メイク）とは？機能・料金・使い方を徹底解説！今日から始めるノーコード自動化生活」でさらに深く学んでいただけます。ぜひ、あなたの自動化の可能性を広げてください。
あなたもMakeのWebhookを活用して、真のリアルタイム自動化を実現しませんか？