こんにちは、小松由和(@komaty1210)です。
今回読んだのはこちらの本。
『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』著:本田直之, 四角大輔
本書は、「ノマドいいよ!最高だよ!」といった最近書店にたくさん並ぶノマド本とは一線を画しています。
著者の2人が長年実践して現在形となって本を通して紹介している考え方、生き方が、
「モバイルボヘミアン」。
モバイルボヘミアンとは、仕事のために生きるのではなく、自分の好きなことをライフスタイルの中心に据えながら、旅するように働き、暮らす、自由な生き方のこと。
「モバイルボヘミアン」という生き方の魅力と必要性(ここ大事!)を紹介する部分と、
じゃあ実際そうなりたい場合はどうしたらいいのかを紹介するHowTo部分(ここも大事!)が、
バランスよくミックスされた内容となっています。
最初に他のノマド本と一線を画していると言ったのは、
・モバイルボヘミアンという生き方の必要性を説いている
・特別な人じゃなくて普通の人でもしっかり時間をかけて準備をすればできることを説明している
・具体的にどう行動していけばよいのか参考HowToを紹介している
この3点がしっかり書かれているから。
自己啓発本にありがちなのは、良い点ばかり書かれていて、なぜそれが必要なのか説明されていない、具体的にどうすればそうなれるのか全然書いていない、パターン。
本の内容の一部になりますが、以下の問いなんかは、多くのサラリーマン、社会人にとって、重要な示唆を与えてくれるのではないでしょうか。
「本当に今の働き方をあと何十年も続けたいか?」
「1つの収入源(会社など)に依存していないか?」
「自分や家族が最低限生活できるためのコスト(ミニマムライフコスト)をちゃんと把握しているか?」
あなたは、今の会社の仕事がなくなっても生活していけますか?すぐに転職できるスキルや人脈などを持っていますか?
自分や家族が最低限生活できるコストは残業しなくても十分稼げているのに、会社の指示通りたくさんの残業をしてしまっていて貴重な自分の時間を余分な稼ぎのために浪費していませんか?
大企業で勤めれば定年まで安泰という時代が終わった不透明極まりない日本の現在とこれからの未来に向けて、
本書は、今の自分の働き方、生き方を見直す良いきっかけを与えてくれる本だと思います。
「何歳まで今の会社で働くのかな・・とぼんやり考えている30代」
「とりあえずみんな就職活動してるから就職してみた新入社員の方々」
等々
ぜひ本書を読んで、自分の人生の選択肢を広げてみてほしいと思います。
では、少し本の内容で気になったところをピックアップして紹介していきます。
『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』の紹介
どうすれば自由な働き方、生き方ができるのか?
どうすれば好きな場所で生活しながら、好きな仕事ができるのかを考え抜き、気が遠くなるほどたくさんの、試行錯誤と創意工夫を打ち続けた。
結果、行き着いた答えは、「高度なモバイルリテラシーを身につけ、自分を移動させる力(モビリティ)を最大限まで引き上げること」だった。
最近だいぶ一般的になってきたクラウドソーシング、リモートワークといった仕事、働き方も、PC、インターネット、スマートフォンなどのモバイルテクノロジーの進化と普及がもたらした結果です。
モバイルテクノロジーを使いこなすモバイルリテラシーと、1つの場所や収入源などに縛られない、依存しない状態で、自分を移動させることができる形、働き方が、好きな場所で好きな仕事をするために必要です。
毎日、毎週、自分が会社のオフィスに行かないと仕事が成立しない状態では、好きな時に移動することすらままならないですからね。
モバイルテクノロジーをうまく使いこなすことが、移動しながら仕事をする秘訣。
収入源を1つに依存することの怖さにあなたは気づいていますか?
働く人の多くが、目の前の忙しすぎる生活に不満や違和感を抱きながらもそこから抜け出せない、そのもっとも本質的な原因は「収入源」を1つに依存していることにある。
私も普段から常に意識していますが、サラリーマンだけでなく、経営者、フリーランス、自営業も同様に、収入源を1つに依存することは非常に危険な状態です。
サラリーマンであれば、会社の状態が悪くなったら自分の生活に直結してしまいますし、経営者も1つの取引先からの売上が自社の収入源の多くを占めていたとしたら、取引がなくなってしまったら会社は一気に傾いてしまいます。フリーランス、自営業も同様に、1つの仕事や1つの取引先に依存してしまうと、身動きがとれなくなってしまいます。
収入源を1つに依存してしまうことのデメリットとして、
・現状を維持しようと守りに、保守的な考え、行動になってしまう
・その1つがなくなったときの影響が大きい(リスクが大きい)
ことが挙げられます。
これが、複数の収入源を確保することによって、
・1つがダメになっても他があるという安心感、余裕が生まれる
・余裕が生まれるから、1つ1つの仕事に時間をかけれるようになるし、よりよい形に向けて、前向きにチャレンジができるようになる
といった好循環なスタイルになることができます。
私も、自分の飲食店だけでなく、ケータリングのコンサルティングやwebデザインといった他の仕事も同時にしていますし、このブログなども収入源を分散させるための活動の1つです。
もちろん、1つのことに集中できないデメリットもあるにはありますが、そのデメリット以上に、複数の収入源があることによって生まれる余裕のもと、それぞれの仕事に取り掛かることによって、仕事の質があがりますし、いろいろな仕事をすることによってインスピーレションが得れたり、結果として総合的に良い結果がもたらされていると感じています。
旅するように生きる
旅するように生きることで得られる恩恵のひとつに、自分をモバイルさせることで、時間も、仕事も、人も、優先順位がクリアになるのだ。スケジュールは強制的に細切れとなり、明確な時間の区切りが日常的に発生する。つまり移動生活とは「時間を区切るライフスタイル」とも言える。
たとえば、いつもの生活圏で目的のない1時間を過ごすのと、念願叶ってやっと来れたコペンハーゲンで過ごす出発までの最後の1時間を比べると、「同じ1時間でも、その価値はまったく違う」と感じられるのはぼくだけではないだろう。
私も旅行が好きな理由の1つに、「濃密な時間を過ごせて良質なインプットができる」ことがあります。
日常の1時間と、旅行中の非日常の1時間は、やはり質が違ってきますよね。せっかく来た旅行先で無駄な1時間は過ごしたくない、という気持ちになり、
結果的にたくさんのものや景色を見て、人と会い、日常では得づらい良質なインプットができます。
独自性が強くなれば、他の人との差別化になり、市場価値につながっていく
独自性が強くなれば、他の人との差別化にもなるし、「この人しかできない考えやアウトプットだよね」という市場価値につながっていく。
例えば、「サーフィン」×「ハワイ」×「不動産」。「ハワイには、サーフィンがうまい、サーファーに合った物件を紹介してくれる不動産屋がいる」という評判で、独自の価値を生み出すことができる。
私もこのブログで再三、「差別化がビジネスにとって非常に重要」と語ってきました。
最近、私が監修したケータリング書籍『あたらしい食のシゴト』の起業コンセプトのつくりかた、考え方の部分でも同様の考え方を紹介しました。
偶然、同じ「ハワイ」事例ですが。(笑)
「かけ合わせで導き出す、オリジナリティあるコンセプト」
例えば、「お菓子作りが得意」なAさん、自分で起業して手作りお菓子を販売したいと考えているとします。
「よし、手作りのドーナツ、クッキーを販売しよう!」となっても、残念ながらうまくいかない可能性はとても高いです。
理由は「すでに世の中には美味しい手作りのドーナツ屋、クッキー屋がたくさんあるから」です。
では、どうすればいいのか?
そこで独自性を出して、差別化を図るのに有効なのが、スキルや好きなことの「かけ合わせ」。
例えば、Aさんは、お菓子作り以外にも、実はハワイが大好きで毎年旅行に行っているくらい、あとは、オーガニック志向で普段の食生活はオーガニック食材で徹底しています。
そんなAさんにおすすめなのが、
「お菓子作りが得意」×「ハワイが好き」×「オーガニック志向」=ハワイのお菓子はハイカロリーなものが多いので、「オーガニック食材でつくるハワイのお菓子」を日本で販売する。
1つの得意なことでは同じように得意な人が100人いたとしても、3つの得意なことを「かけ合わせ」ることによって、100人の中の1人になれる可能性がグンと高まります。
自分の仕事、活動に独自性を持たせることは、移動しながら仕事をする上でも重要な要素です。
ミニマムライフコストを把握することは誰でも今すぐできる第一歩
ミニマムライフコストとは、「自分や家族が健康的に生活するために必要な最低限のお金」のこと。これさえわかれば、「これ以上は無理して稼ぐ必要はない」ということに気づくのと同時に、無駄な出費こそがもっともハイリスクな行為という「お金の本質」を知ることもできる。
自分の生活はいくら稼げば成り立つのか。それを把握した状態で生きることが、お金への焦りや、お金を失う恐怖からの解放につながる「自由への近道」なのである。
ボーナスや給料を微妙に増やすために、人間性が試される局面で妥協したり、承服できないことをするために魂を売る必要もなくなった。
ミニマムライフコストを把握することで、本当の意味での自由を手にすることができ、人生を決めるような重大な機会に挑戦することができるようになるのだ。
自分や家族が健康的に生活するために必要な最低限のお金を把握すること。
この「ミニマムライフコスト」を把握しておけば、不安や恐怖からの解放につながります。
必要以上に自分の時間を使って余分な収入を稼ぐ必要もなく、本当に自分がやりたいことに時間を使えるようになります。
あわせて、「ミニマムライフコスト」を把握した上で、コストを減らしていくことも、非常に意味があります。
最低限稼ぐ必要のある金額が下がれば下がるほど、仕事をする時間が減り、その分、本当に自分がやりたいことにかけれる時間が増えるわけですから。
ステップは簡単。
①家計簿をつけて自分や家族の支出を洗い出す
②自分や家族が健康的に生活するために必要な最低限のお金を把握する
③将来の自分や家族にとって不必要な出費を見つけて減らす
④ミニマムライフコストを稼ぐために必要な時間と仕事を見直す
最近では「マネーフォワード」など使いやすいスマートフォン用の無料家計簿アプリもたくさん出ていますので、それらを活用するのもおすすめです。
理想的な生き方はこれだ!
仕事につながるコンテンツすべてを、自分のライフスタイルから生み出すことができれば、あらゆる制約から解放されるようになり、「旅するように生きること」が可能になる。それこそが、「自分の時間を完全に取り戻した状態」であり、「究極レベルの自由を手にしたフェーズ」なのではないだろうか。
「仕事とプライベートの垣根をなくす」
最近では、多くの成功者や起業家、影響のある人が、同じような発言をされています。
自分が好きでやっていることや遊びが、仕事につながるコンテンツとなって収入につながったら、まさに「仕事とプライベートの垣根がなくなる」生き方です。
その状態になるためには、
・大前提として、自分の好きなこと、やりたいこと中心に
・独自性を持ち差別化が図れた個人ブランドを構築
・ミニマムライフコストを把握
した上で、
時間、場所、会社、収入源という制約から解放されることを意識しながら、
・モバイルテクノロジーをうまく使いこなす
・複数の収入源を確保する
ことを実践していく。
一気に、早く、は難しいかもしれませんが、じっくり時間をかけて、準備をすれば十分可能だと、著者の2人も言っています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
本の中でも書かれていますが、著者の2人は「モバイルボヘミアン」という生き方が全員におすすめな方法ではないし、向き不向きもあると言っています。
まさにそのとおりで、目指したい人は目指せばいいし、自分には合わないなと思ったら目指さなくてもいい。
しかし、私が思うに、今の日本の経済状況、仕事、働き方、これからの日本を考えた時に、本書に書かれていることは多くの示唆があります。
例えば、数年先を正確に予測することさえ難しい現代においては、どう考えても1つの収入源に依存することは非常にリスクが高いです。
だから、自分に必要なエッセンスだけ抜き出して取り入れるといったことでもよいと思います。サラリーマンであれば、休日を使って複業を始めてみるとか、ミニマムライフコストを把握して、無駄な出費を削ったり。
本書を読むことによって、「こういう働き方もあるのか」「この考え方は自分も納得だから活かしてみよう」といった具合に、
人生や働き方の選択肢が広がる点で、本書は生き方、人生、働き方の指南書として良書だと感じました。
今回ご紹介した本、とてもおすすめなのでぜひ一読ください。
以上、「『モバイルボヘミアン』は人生の選択肢を広げるために最適な良書でした(著者:本田直之&四角大輔)」でした!
それではまた!