結論:マネーフォワード クラウド確定申告は、電子帳簿保存法の全3区分(電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存)に対応しており、個人事業主は初期設定と日常運用の仕組みを整えるだけで法的要件を満たせます。
電子帳簿保存法(電帳法)の電子取引データ保存が全事業者に義務化され、「何から手をつければいいかわからない」「日々の業務に加えて、さらに手間が増えるのは困る」と感じている個人事業主やフリーランスの方は多いのではないでしょうか。
マネーフォワード クラウド確定申告を活用すれば、電帳法が求める「真実性の確保」と「可視性の確保」をシステム側で自動的にクリアでき、手作業の負担を大幅に軽減できます。
この記事では、2026年4月時点の最新情報に基づき、マネーフォワード クラウド確定申告を使った電子帳簿保存法への具体的な対応手順を、初期設定から事務処理規程の整備まで一本道で解説します。
この記事でわかること
- マネーフォワード クラウド確定申告は電帳法の全3区分(電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存)に対応している
- 電子取引データの保存先は「マネーフォワード クラウドBox」であり、タイムスタンプ付与や検索要件を自動で満たす
- 「優良な電子帳簿」の届出により過少申告加算税が5%軽減される制度を活用できる
- 事務処理規程の整備は見落としがちだが、電帳法対応の重要なステップ
- インボイス制度と電帳法対応はマネーフォワード上で一体的に進められる
そもそも電子帳簿保存法とは?2026年時点の最新おさらい
電子帳簿保存法(通称:電帳法)とは、国税関係の帳簿や書類を紙ではなく電子データで保存することを認める法律です。1998年の施行以来、複数回の改正を経て現在の形になっています。大きく分けて3つの区分があり、それぞれでルールが異なります。
電子帳簿保存法の3つの区分
電子帳簿保存法は、以下の3つの保存方法から成り立っています。
- 電子帳簿等保存:会計ソフトなどで最初から電子的に作成した帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)や書類(決算関係書類など)を、そのまま電子データの形で保存する方法です。任意の制度であり、届出なしで利用できます。
- スキャナ保存:紙で受け取った領収書や請求書などを、スキャナーやスマートフォンで読み取って画像データとして保存する方法です。こちらも任意の制度ですが、一定の要件を満たす必要があります。
- 電子取引データ保存:メールやWebサイト経由で受け取った請求書や領収書の電子データ(PDFなど)を、そのまま電子データの形で保存する方法です。すべての事業者に義務化されている唯一の区分です。
電帳法の対象となる書類一覧
電子帳簿保存法の対象となる書類は多岐にわたります。個人事業主が特に意識すべき書類を整理すると以下のとおりです。
| 分類 | 対象書類の例 | 電帳法の該当区分 |
|---|---|---|
| 国税関係帳簿 | 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳 | 電子帳簿等保存 |
| 国税関係書類(決算関係) | 貸借対照表、損益計算書、棚卸表 | 電子帳簿等保存 |
| 国税関係書類(取引関係・自己発行) | 請求書の控え、見積書の控え、納品書の控え | 電子帳簿等保存 |
| 国税関係書類(取引関係・相手方から受領) | 領収書、請求書、契約書、納品書、見積書 | スキャナ保存(紙の場合) |
| 電子取引データ | メール添付のPDF請求書、ECサイトの領収書、Web明細、電子契約書 | 電子取引データ保存(義務) |
なお、紙の帳簿については、電子帳簿等保存の要件を満たしたシステムで記帳し保存している場合、紙での7年間保管義務が不要になります。マネーフォワード クラウド確定申告で作成した帳簿は、この要件を満たしています。
なぜ今、対応が重要なのか?違反時の具体的ペナルティ
電子取引データ保存の義務化は、単に「データをPCに保存しておけば良い」という話ではありません。保存するデータが改ざんされていないことを証明するために、「真実性の確保」(タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴が残るシステムの利用など)と「可視性の確保」(日付・金額・取引先での検索機能、ディスプレイ・プリンタでの出力対応など)という2つの要件を満たす必要があります。
これらの要件を満たさずに電子取引データを保存していた場合、以下のような具体的なペナルティリスクがあります。
- 青色申告承認の取消し:帳簿書類の保存が適切に行われていないと判断された場合、青色申告の承認が取り消される可能性があります。65万円の青色申告特別控除が使えなくなるため、所得税負担が大幅に増加します。
- 重加算税の加重措置:電子取引データの保存義務に違反し、かつ隠蔽・仮装が認められた場合、通常の重加算税(35〜40%)にさらに10%が加重される規定があります(令和4年度税制改正)。
- 過少申告加算税の適用:要件を満たさない保存状態で税務調査を受け、申告漏れが指摘された場合、過少申告加算税(10〜15%)が課される可能性があります。
- 経費として認められないリスク:保存要件を満たしていない電子取引データに基づく経費が否認された場合、その分の所得税・住民税・事業税すべてに影響します。
「対応しなかった場合の最悪シナリオ」を具体的に想像してみてください。100万円分の経費が否認され、重加算税が加重適用されれば、追徴税額は数十万円に達します。こうしたリスクを考えれば、今のうちにマネーフォワード クラウド確定申告のような電帳法対応ソフトで体制を整えておくことが、最も合理的な選択です。
個人事業主が特に注意すべきポイント
個人事業主の場合、法人に比べて経理体制が整っていないケースが多く、気づかないうちに電子取引を行っていることがよくあります。例えば、以下のような取引はすべて電子取引に該当します。
- ECサイト(Amazon、楽天市場など)での備品購入
- Web広告(Google広告、SNS広告など)の利用明細
- クラウドソーシングサイト経由での報酬明細
- メールで送られてくるPDFの請求書や領収書
- クラウドサービス(レンタルサーバー、SaaSツールなど)の利用明細
- 電子契約サービスで締結した契約書
- QRコード決済やキャッシュレス決済の利用履歴
これらの取引データを、要件を満たさずにただ保存しているだけだと、将来の税務調査で指摘を受けるリスクがあります。だからこそ、今のうちから正しい対応方法を理解し、実践しておくことが重要です。
マネーフォワード 製品別・電帳法3区分対応状況一覧
マネーフォワードは電子帳簿保存法に対応するため、複数のクラウド製品を提供しています。個人事業主がよく利用する製品と電帳法3区分の対応関係を整理すると以下のとおりです。
| 製品名 | 電子帳簿等保存 | スキャナ保存 | 電子取引データ保存 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド確定申告 | ○ | ○(クラウドBox連携) | ○(クラウドBox連携) |
| マネーフォワード クラウドBox | — | ○ | ○ |
| マネーフォワード クラウド経費 | — | ○ | ○ |
| マネーフォワード クラウド請求書 | — | — | ○ |
個人事業主がマネーフォワード クラウド確定申告を利用している場合、クラウドBoxとの連携により電帳法の全3区分に対応可能です。追加の会計ソフトを導入する必要はありません。
なお、競合サービスのfreeeも電帳法の3区分に対応していますが、マネーフォワードはクラウドBoxという専用のストレージ基盤を持つ点が特徴です。証憑データの保存・管理が独立した仕組みになっているため、会計データと証憑データの連携が整理しやすい構造になっています。
マネーフォワード クラウドBoxとは?電子取引データの実際の保存先
マネーフォワード クラウドBox(クラウドボックス)とは、電子帳簿保存法に対応した証憑データの保存・管理を行うためのクラウドストレージ基盤です。電子取引データやスキャンした紙の証憑は、最終的にこのクラウドBoxに保存されます。
クラウドBoxの主な役割と機能
- タイムスタンプの自動付与:証憑データをアップロードすると、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)認証を取得したタイムスタンプが自動的に付与されます。これにより、データが「いつ保存されたか」「保存後に改ざんされていないか」を第三者が検証できる状態になります。
- 検索要件への対応:電帳法が求める「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目での検索機能を標準で備えています。OCR機能により、アップロードした証憑から自動的にこれらの情報を読み取って検索可能な状態にします。
- 訂正・削除履歴の保存:データの訂正や削除を行った場合、その履歴がすべて記録されます。これにより「真実性の確保」要件を満たします。
- 他のマネーフォワード製品との連携:クラウド確定申告・クラウド経費・クラウド請求書からアップロードした証憑データが、クラウドBoxに自動的に集約されます。証憑の保存場所を一元化できるため、管理が煩雑になりません。
JIIMA認証取得の意味
JIIMA認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアであることを審査・認証する制度です。マネーフォワード クラウドBoxはこのJIIMA認証を取得しており、国税庁が求める保存要件を技術的に満たしていることが第三者機関によって確認されています。
つまり、マネーフォワード クラウドBoxに保存したデータは、電帳法の要件を満たした形で保存されていると税務調査の際にも説明できるということです。
マネーフォワード確定申告での電子帳簿保存法・基本設定ガイド
ここからは、マネーフォワード クラウド確定申告を使って電子帳簿保存法に対応するための具体的な設定手順を解説します。一つずつ確実に進めていけば、誰でも設定できます。
なお、マネーフォワード クラウド確定申告の初期登録がまだの方は、マネーフォワード クラウド確定申告の登録時に迷う事業者区分と提出先税務署の正しい選び方を参考に、先に初期設定を完了させてください。
ステップ1:初期設定の確認と有効化
マネーフォワード クラウド確定申告を利用している場合、特別な申し込みをしなくても電子帳簿保存法の機能は利用可能です。まずは、設定が正しく有効になっているかを確認しましょう。
- 左メニューの「各種設定」から「事業者」を選択します。
- ページ下部にある「電子帳簿保存法に対応する」の項目を確認します。通常はデフォルトで有効になっているはずです。
この設定が有効になっていれば、マネーフォワード クラウド確定申告上で作成した帳簿は「電子帳簿等保存」の要件を満たした形で自動的に保存されます。これで第一段階はクリアです。
ステップ2:「電子取引」データの保存方法
次に、義務化された「電子取引」データの保存です。マネーフォワードには、このデータを効率的に保存するための「ファイルボックス」という機能が用意されています。アップロードされたデータはクラウドBoxに保存され、電帳法の要件を自動的に満たします。
電子取引データ保存で求められる要件と、マネーフォワードがどう対応しているかを整理すると以下のとおりです。
| 法的要件 | 要件の内容 | マネーフォワードの対応機能 |
|---|---|---|
| 真実性の確保(タイムスタンプ) | 受領後速やかにタイムスタンプを付与する | クラウドBoxへのアップロード時にJIIMA認証タイムスタンプを自動付与 |
| 真実性の確保(訂正削除履歴) | 訂正・削除の事実と内容を確認できるシステムを使用する | クラウドBox上で訂正・削除履歴を自動記録 |
| 可視性の確保(検索機能) | 取引年月日・取引金額・取引先で検索できる | OCR読取+手動入力により3項目での検索に対応 |
| 可視性の確保(出力対応) | ディスプレイ・プリンタで整然と出力できる | クラウド上でプレビュー表示・PDF出力に対応 |
具体的な保存手順は以下のとおりです。
- メールで受信したPDF:受信した請求書PDFなどを、一度PCにダウンロードし、「ファイルボックス」にアップロードします。アップロード時に取引日、取引先、金額を入力するだけで、検索要件を満たした形で保存できます。
- ECサイトの領収書:ECサイトの購入履歴画面から領収書データをダウンロードし、同様に「ファイルボックス」へアップロードします。
ここでのポイントは、取引データを溜め込まないことです。「1週間に1回、月曜の朝に処理する」など、自分なりのルールを決めておくと、作業が習慣化し、負担感を軽減できます。また、アップロードしたデータから仕訳を自動で作成する機能もあるため、経理作業全体の効率化にも繋がります。
証憑と仕訳データの紐付けをさらに効率化したい方は、マネーフォワード確定申告のスマート証憑管理を活用して請求書と仕訳データを紐付ける具体的な操作手順もあわせてご覧ください。
ステップ3:「スキャナ保存」の活用法
スキャナ保存とは、紙で受け取った領収書や請求書をスキャナーやスマートフォンで読み取り、画像データとして電子保存する制度です。任意の制度ですが、活用すれば紙の原本を破棄でき、ペーパーレス化が大幅に進みます。
スキャナ保存を行うには、法律で定められた要件を満たす必要があります。主な要件3項目と、マネーフォワードの対応機能の関係は以下のとおりです。
| スキャナ保存の法的要件 | 具体的な内容 | マネーフォワードの対応 |
|---|---|---|
| ①検索可能性の確保 | 取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できること | OCR機能で日付・金額を自動読取し、検索可能な形で保存 |
| ②タイムスタンプ付与または訂正削除履歴の確保 | 受領後速やかにタイムスタンプを付与するか、訂正削除の履歴が残るシステムを利用すること | クラウドBoxにてJIIMA認証タイムスタンプを自動付与+訂正削除履歴を自動記録 |
| ③帳簿との相互関連性の確保 | 保存したスキャンデータと帳簿の記録を相互に関連付けて確認できること | ファイルボックスから仕訳を自動作成し、証憑と仕訳を紐付けて管理 |
マネーフォワード クラウド確定申告には、スマートフォンアプリ「マネーフォワード クラウドBox」があり、これを使えばペーパーレス化が劇的に進みます。
- スマホアプリで紙の領収書を撮影します。
- アプリが自動で日付や金額を読み取り、データ化してくれます(OCR機能)。
- 内容を確認して保存すれば、タイムスタンプが自動で付与され、スキャナ保存の要件を満たした形でデータが保存されます。
この機能を使えば、財布の中に領収書が溜まることもなくなり、事務所の書類保管スペースも削減できます。読み取り精度も非常に高いため、手入力の手間を大幅に削減できるのが大きなメリットです。
事務処理規程の整備:見落としがちな対応ステップ
事務処理規程とは、電子取引データの保存に関する社内ルールを文書化したものです。電帳法では、タイムスタンプを付与する代わりに「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を備え付けることでも真実性の確保要件を満たせるとされています。
マネーフォワード クラウドBoxを利用している場合、タイムスタンプが自動付与されるため、事務処理規程の整備は法的には必須ではありません。しかし、税務調査への備えとして、電子データの保存・管理に関する社内ルールを文書化しておくことは実務上強く推奨されます。
個人事業主向け・事務処理規程に最低限記載すべき項目
- 目的:電子帳簿保存法に対応するための規程であること
- 適用範囲:対象となる電子取引データの種類
- 保存責任者:データの保存・管理を行う担当者(個人事業主の場合は本人)
- 保存場所:マネーフォワード クラウドBoxに保存する旨
- 保存方法:受領後○営業日以内にアップロードするなどの具体的ルール
- 検索方法:取引年月日・金額・取引先での検索ができること
- 訂正・削除の禁止:正当な理由のない訂正・削除を行わない旨
- 保存期間:法定保存期間(7年間)の遵守
国税庁のWebサイトでは、事務処理規程のテンプレート(サンプル)が公開されています。個人事業者向けのテンプレートも用意されているため、これをベースに自社の運用に合わせて修正すれば、短時間で規程を整備できます。
優良な電子帳簿で申告メリットを得る方法
「優良な電子帳簿」とは、電子帳簿保存法の要件のうち、より厳格な基準(訂正削除の履歴が残ること、帳簿間の相互関連性が確保されていることなど)を満たした帳簿のことです。この制度を活用すると、税務上のメリットが得られます。
過少申告加算税が5%軽減される制度
「優良な電子帳簿」として所轄税務署に届出を行い、申告漏れが後から判明した場合でも、その帳簿に記録された事項に関する過少申告加算税が5%軽減されます(通常10〜15%のところ、5〜10%になる)。
マネーフォワード クラウド確定申告の仕訳履歴保存機能やマスタ履歴保存機能は、優良な電子帳簿の要件である「訂正削除の履歴が残ること」を満たしています。つまり、マネーフォワード クラウド確定申告を使っている個人事業主は、届出を行うだけでこの税制優遇を受けられる可能性があります。
届出手続きの概要
- 「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」を作成する
- あらかじめ(適用を受けようとする課税期間の前まで)に所轄税務署に提出する
- 届出以降、優良な電子帳簿の要件を満たした帳簿を保存し続ける
届出書の様式は国税庁のWebサイトからダウンロードできます。手続きは書類1枚の提出のみで費用もかからないため、マネーフォワード クラウド確定申告を利用している方は積極的に検討する価値があります。
無料で電帳法対応できる?マネーフォワード ビジネスカード利用者向け情報
コストを抑えて電帳法に対応したい個人事業主やフリーランスにとって注目したいのが、マネーフォワード ビジネスカードの利用者向け特典です。
マネーフォワード ビジネスカードの利用者は、証憑添付機能やメモ添付機能が無償で提供されており、追加コストなしで電帳法対応の証憑管理を始められます。ビジネスカードで決済した取引にそのまま証憑を紐付けられるため、「決済→証憑保存→仕訳」の一連の流れがシームレスにつながります。
有料のクラウド確定申告プランを契約する前に、まずはビジネスカードの利用から電帳法対応を始めるという選択肢も検討に値します。
インボイス制度との関係:電帳法対応と一体で進めるべき理由
インボイス制度(適格請求書等保存方式)と電子帳簿保存法は、密接に関連する制度です。適格請求書(インボイス)を電子データで受け取った場合、そのデータは電子取引データ保存の義務対象となります。つまり、電帳法の要件を満たした形で保存しなければなりません。
マネーフォワードでインボイスと電帳法を一体管理する方法
- 適格請求書の受領・保存:取引先から電子で受領した適格請求書は、ファイルボックス経由でクラウドBoxに保存すれば、電帳法の要件を自動的に満たします。
- 適格請求書の発行・控え保存:マネーフォワード クラウド請求書で発行した適格請求書の控えデータも、電子帳簿等保存の要件に沿って保存されます。
- 仕入税額控除の要件:適格請求書の保存は仕入税額控除の要件でもあります。クラウドBoxで一元管理しておけば、消費税申告時にも証憑の確認がスムーズです。
電帳法対応とインボイス制度対応は、別々に取り組むと管理が二重になりがちです。マネーフォワードのクラウド製品群を活用すれば、一つのプラットフォーム上で両方の制度に対応できるため、運用負荷を最小限に抑えられます。
【実践編】日々の運用を効率化するマネーフォワード活用術
電子帳簿保存法への対応は、設定して終わりではありません。日々の業務の中でいかに効率的に運用していくかが重要です。ここでは、マネーフォワードを最大限に活用し、経理業務全体を楽にするための実践的なテクニックを紹介します。
領収書・請求書は「即時データ化」を習慣に
最も効果的なのは、取引が発生したその場でデータ化してしまうことです。
- 紙の領収書:会計後、店を出る前にスマホアプリで撮影してデータ化。スキャナ保存の要件を満たした形で保存されていれば、その場でレシートは破棄しても問題ありません(※社内ルール等で原本保管が必要な場合を除く)。
- 電子取引のデータ:メールで請求書PDFを受け取ったら、すぐにPCの指定フォルダに保存し、週末などにまとめて「ファイルボックス」へアップロードするルールを徹底します。
この「即時データ化」を習慣づけることで、「あの領収書どこにいったっけ?」と探す時間がなくなり、確定申告前に慌てることもなくなります。溜まった領収書を一気に処理する必要が出た場合は、マネーフォワード クラウド確定申告の一括編集機能を活用して溜まった領収書データを瞬時に処理する裏技も参考になります。
銀行口座・クレジットカード連携で「電子帳簿等保存」を自動化
マネーフォワードの真骨頂とも言えるのが、金融機関との連携機能です。お使いの銀行口座やクレジットカードを登録しておくだけで、入出金明細や利用履歴が自動で取得され、仕訳候補として提案されます。
これにより、以下のメリットが生まれます。
- 入力の手間がゼロに:手動で取引を一つひとつ入力する必要がなくなります。
- 入力ミスが防げる:金額や日付の間違いが起こりません。
- リアルタイムな経営状況の把握:常に最新の財務状況をダッシュボードで確認できます。
この自動取得されたデータに基づいて作成された帳簿は、「電子帳簿等保存」の要件を満たしています。つまり、連携設定さえしてしまえば、帳簿作成と保存がほぼ全自動で完了するのです。
電帳法対応の保存期間と税務調査への備え
電子帳簿保存法に基づいて保存した電子データには、紙の帳簿・書類と同様に7年間の保存義務があります(繰越欠損金がある場合は最長10年間)。マネーフォワード クラウドBoxに保存したデータは、契約期間中はクラウド上に保持されます。
税務調査への備えとして、以下の点を意識しておきましょう。
- データのダウンロード保存:クラウドサービスの解約に備え、定期的にデータをローカルにもバックアップしておく
- 検索機能の動作確認:取引年月日・金額・取引先での検索が正しく動作することを定期的に確認する
- ディスプレイ・プリンタの備え付け:税務調査時にデータを画面表示・印刷できる環境を維持する(通常のPC環境があれば問題ありません)
- 事務処理規程の保管:作成した事務処理規程を、いつでも提示できる状態にしておく
コンサルタントやコーチング業など、源泉徴収が発生する業種の方は、証憑管理と合わせて源泉徴収の処理も効率化しておくと確定申告がスムーズです。詳しくはコンサルタント・コーチング業向けマネーフォワード確定申告活用術!源泉徴収された売上の効率的な管理法をご覧ください。
よくある質問(FAQ):マネーフォワードと電子帳簿保存法
マネーフォワード クラウド確定申告は電子帳簿保存法の全区分に対応していますか?
はい、対応しています。マネーフォワード クラウド確定申告は、クラウドBoxとの連携により、電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存の全3区分に対応しています。特別な追加契約は不要で、標準機能として利用可能です。
無料プランでも電帳法対応できますか?
マネーフォワード クラウド確定申告の無料お試し期間中でも電帳法対応機能は利用できます。ただし、継続的に利用するには有料プランへの移行が必要です。コストを抑えたい場合は、マネーフォワード ビジネスカードの利用者向け無償機能を活用する方法もあります。
紙の領収書はスキャン後すべて捨てられますか?
スキャナ保存の要件(解像度・色調・タイムスタンプ付与など)を満たした形で電子保存されていれば、原則として紙の原本は破棄可能です。ただし、スキャンデータの入力期間(受領後おおむね速やかに処理)を守ること、および事業の内部統制上原本保管が求められている場合はその限りではありません。
電帳法に対応しないとどうなりますか?
電子取引データ保存の義務に違反した場合、税務調査で青色申告の承認取消しを受けるリスクがあります。また、隠蔽・仮装と認定された場合は重加算税に10%の加重措置が適用される可能性があります。さらに、要件を満たさない保存データに基づく経費が否認されるリスクもあります。
個人事業主がまず最初にやるべきことは何ですか?
まずはマネーフォワード クラウド確定申告の「各種設定」→「事業者」画面で、電子帳簿保存法対応が有効になっていることを確認してください。次に、日常的に受領する電子取引データ(メールのPDF請求書、ECサイトの領収書など)をファイルボックス経由でクラウドBoxに保存するルールを決めて実行に移しましょう。
マネーフォワードのファイルボックスとクラウドBoxは何が違うのですか?
ファイルボックスは、マネーフォワード クラウド確定申告の画面上で証憑をアップロードし、仕訳と紐付けるための機能です。クラウドBoxは、アップロードされた証憑データが実際に保存・管理されるストレージ基盤です。ファイルボックスから保存した証憑は、自動的にクラウドBoxに格納されます。
タイムスタンプは自分で付与する必要がありますか?
マネーフォワード クラウドBoxを利用している場合、タイムスタンプはアップロード時に自動で付与されるため、自分で手動付与する必要はありません。JIIMA認証を取得したタイムスタンプサービスと連携しており、第三者による検証も可能な形で付与されます。
まとめ:電帳法対応はマネーフォワードでスマートに始めよう
この記事では、2026年最新の電子帳簿保存法への対応として、マネーフォワード クラウド確定申告を活用した設定方法と、日々の業務を効率化する運用術を解説しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 電子帳簿保存法は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データ保存」の3区分。特に「電子取引データ保存」は全事業者に義務化されている。
- マネーフォワード クラウド確定申告は、クラウドBoxとの連携で全3区分に対応。タイムスタンプ付与・検索要件・訂正削除履歴をシステムで自動的に満たす。
- 「優良な電子帳簿」の届出により、過少申告加算税が5%軽減される税制メリットが得られる。
- 事務処理規程の整備やインボイス制度との連携も含め、電帳法対応は一体的に進めるのが効率的。
個人事業主がマネーフォワードで電帳法対応する5つのステップ(チェックリスト)
- □ マネーフォワード クラウド確定申告の「電子帳簿保存法に対応する」設定を有効化する
- □ 電子取引データ(PDF請求書・ECサイト領収書など)をファイルボックス経由でクラウドBoxに保存するルールを決める
- □ スマホアプリで紙の領収書をスキャナ保存する運用を開始する
- □ 事務処理規程を整備する(国税庁テンプレートを活用)
- □ 「優良な電子帳簿」の届出を検討・提出する
電子帳簿保存法への対応は、もはや避けては通れない経営課題です。しかし、これを機にマネーフォワード クラウド確定申告を導入すれば、負担を軽減するだけでなく、ペーパーレス化の推進や経営状況の可視化といった、多くのメリットを享受できます。
マネーフォワード クラウド確定申告の機能や料金プラン、実際のユーザーの評判など、より総合的な情報については、以下の完全ガイドで詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説
まだ会計ソフトを導入していない方、現在お使いのソフトに不満がある方は、この機会にぜひマネーフォワード クラウド確定申告の導入を検討してみてはいかがでしょうか。最初の1ヶ月は無料で試せるので、まずはその使いやすさを体感してみてください。
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