「ChatGPTは便利だけど、最新のClaudeやGoogleのGeminiも業務で使ってみたい」
「AIごとに得意なことがあるらしいけど、どうやって使い分ければいいの?」
生成AIの進化は凄まじく、特定のタスクにおいては特定のAIモデルが優れた性能を発揮する時代になりました。
しかし、それぞれのAIを個別に使いこなすのは大変です。もし、これらの強力なAIたちを、一つの場所から自由に呼び出し、連携させ、まるでオーケストラの指揮者のように操れるとしたら、あなたの業務はどれほど進化するでしょうか?
それを実現するのが、業務自動化ツール「n8n」です。
n8nは、様々なAIモデルと簡単につながる「AIハブ」として機能し、あなたの業務を次のレベルへと引き上げます。
この記事では、n8nを使って主要な3大AIモデル「ChatGPT」「Claude」「Gemini」と連携する具体的なワークフローの作り方と、それぞれのAIの長所を活かした使い分けのヒントを解説します。
n8n自体の基本的な使い方や概念について先に知りたい方は、当サイトの「n8n完全ガイド記事」を先にご覧いただくと、本記事の理解がよりスムーズになります。
なぜ、複数のAIモデルを使い分けるのか?
私の視点:
これからのAI活用は、「どのAIが一番優れているか」ではなく、「このタスクには、どのAIが最適か」を考える時代になります。それぞれのAIには、開発元の方針や学習データによって得意・不得意があります。
- ChatGPT (OpenAI): 創造的な文章生成、複雑な指示の理解、コード生成など、幅広いタスクに対応できる「万能選手」。
- Claude (Anthropic): 長文の読解・要約能力が非常に高く、より自然で丁寧な文章を生成するのが得意な「文学的な分析官」。
- Gemini (Google): 画像や音声を含むマルチモーダルな理解力、そしてGoogleのサービスとの連携や最新情報へのアクセスに強みを持つ「Googleエコシステムの専門家」。
n8nを使えば、これらのAIを適材適所で呼び出すワークフローを簡単に構築でき、常に最高品質の自動化を実現できるのです。
準備編:各AIサービスとの連携準備
始める前に、以下の準備が必要です。
- n8nのアカウント: まだお持ちでない方は、すぐに始められるクラウド版がおすすめです。>> n8n Cloudの無料トライアルを開始する
- 各AIサービスのAPIキー:
- OpenAI APIキー (ChatGPT用)
- Anthropic APIキー (Claude用)
- Google AI StudioまたはVertex AIのAPIキー (Gemini用)
これらは各サービスの公式サイトで取得します。API利用は基本的に従量課金制となる点にご注意ください。
- n8nでの認証情報設定: n8nの「Credentials」メニューから、それぞれのAIサービスを選択し、取得したAPIキーを設定しておきます。
【実践】各AIモデル連携ワークフローの作り方
それでは、各AIの得意分野を活かしたワークフローの例を見ていきましょう。
1. ChatGPT:汎用的なタスク処理(ブログ構成案の作成)
万能なChatGPTは、ブレインストーミングやアイデア出しに最適です。
ワークフロー例:キーワードを一つ入力するだけで、ブログのタイトルと構成案を自動生成し、Google Sheetsに保存します。
ワークフローの流れ:
手動実行トリガー → ChatGPTノード → Google Sheetsノード
- n8nで「OpenAI Chat Model」ノードを追加します。
- 「Model」で
gpt-4o
などを選択します。 - 「Prompt」に以下のような指示文を入力します。
「{{$json["keyword"]}}」というキーワードについて、読者の興味を引くブログタイトル案を3つと、それぞれの構成案を考えてください。
- この出力をGoogle Sheetsノードに繋いで、結果をシートに追記します。
2. Claude:長文ドキュメントの要約(契約書の要点抽出)
数十ページに及ぶPDFも扱えるClaudeの長文読解能力を活かします。
ワークフロー例:PDF形式の契約書ファイルをアップロードすると、重要な条項やリスク項目を抽出し、要約してメールで送信します。
ワークフローの流れ:
ファイルトリガー → Read PDFノード → Claudeノード → メール送信ノード
- n8nで「Anthropic Chat Model」ノードを追加します。
- PDFから読み取った全文データをインプットとして、「Prompt」に以下のように指示します。
この契約書の中から、特に注意すべき「契約期間」「支払い条件」「解除条件」「秘密保持義務」の条項を抜き出し、平易な言葉で要約してください。
- この出力をメールノードに繋いで、担当者に送信します。
3. Gemini:画像とテキストを組み合わせた分析(SNS投稿の自動生成)
画像の内容を理解できるGeminiのマルチモーダル能力を使います。
ワークフロー例:商品の画像をアップロードするだけで、その画像に基づいた魅力的なSNS投稿文を自動で生成します。
ワークフローの流れ:
ファイルトリガー → Gemini Chat Modelノード → Slack/Twitterノード
- n8nで「Google Gemini Chat Model」ノードを追加します。
- 「Input」に画像データを設定し、「Text」に以下のような指示文を入力します。
この画像の商品について、20代女性向けのInstagram投稿文を絵文字を交えて3パターン作成してください。#新商品 #コスメ のハッシュタグを付けてください。
- この出力をSNS連携ノードに繋いで投稿、または下書き保存します。
応用編:最適なAIを動的に選択する「AIルーター」ワークフロー
私の視点:
n8nの真骨頂は、ここからです。タスクの内容に応じて、最も適した(あるいはコストが安い)AIモデルをn8n自身に判断させ、処理を振り分ける「AIルーター」を構築できます。
ワークフロー例:フォームから「タスクの種類(要約/翻訳/画像説明)」と「データ」を受け取ります。n8nの「Switch」ノードがタスクの種類を判断し、処理を分岐させます。
- もしタスクが「要約」なら → Claudeノードへ
- もしタスクが「翻訳」なら → ChatGPTノードへ
- もしタスクが「画像説明」なら → Geminiノードへ
これにより、あなたはただタスクを投げるだけで、n8nが裏側で最適なAIを選んで実行してくれる、まさに「AIオーケストラ」が完成します。
まとめ:n8nで、あなただけの最強AI自動化ハブを構築しよう
今回ご紹介したように、n8nは単一のAIと連携するだけでなく、複数の強力なAIを束ね、それぞれの長所を最大限に引き出す「AI活用の中核基地」となり得ます。
特定のAIの流行り廃りに左右されることなく、常に最適なAIを業務プロセスに組み込めること。これこそが、これからの時代に求められる持続可能な自動化戦略です。
AIの進化に乗り遅れないために。そして、AIを真の意味で「使いこなす」ために。n8nという強力なハブツールを手に入れて、あなただけの最強の自動化環境を構築してみませんか?
まずは無料トライアルで、その無限の可能性を体験してください。