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n8nとIFTTTの違いとは?個人利用から業務自動化へのステップアップ

「この単純作業、もっと楽にできないかな?」

そう考え、IFTTT(イフト)のような自動化ツールを使い始めた方も多いのではないでしょうか。

SNSへの自動投稿やスマートホームの連携など、IFTTTは私たちの日常をとても便利にしてくれます。

しかし、使い続けるうちに「もっと複雑な条件で動かしたい」「仕事のプロセス全体を自動化したい」といった、新たな欲求が出てくることも少なくありません。

もしあなたが個人利用の自動化から一歩踏み出し、本格的な業務効率化を目指しているなら、今まさに「n8n(エヌエイトエヌ)」という選択肢を検討すべきタイミングです。

この記事では、シンプルさが魅力のIFTTTと、高機能さが特徴のn8n、この二つのツールの違いを徹底的に比較・解説します。

最後まで読めば、あなたの目的が「個人のタスク自動化」なのか、それとも「ビジネスレベルの業務自動化」なのかが明確になり、次に進むべき道筋が見えてくるはずです。

シンプルさのIFTTT vs 柔軟性のn8n – 根本的な違いを理解する

まずはじめに、IFTTTとn8nがそれぞれどのような思想で作られたツールなのか、その根本的な違いを理解しましょう。この違いが、機能や得意分野の差に直結しています。

IFTTTとは?「If This, Then That」のシンプルな世界

IFTTTは、その名の通り「If This, Then That(もし、これをしたら、あれをする)」という非常にシンプルなコンセプトに基づいています。特定のサービスで「何か」が起こったら(This)、別のサービスで「何か」を実行する(That)という、1対1のアクションを定義します。この組み合わせは「アプレット」と呼ばれ、プログラミングの知識がない人でも直感的に作成できます。

例えば、以下のような自動化がIFTTTの得意分野です。

  • Instagramに写真を投稿したら(This)、自動でTwitterにも投稿する(That)
  • 特定のキーワードを含むツイートがあったら(This)、その内容をGoogleスプレッドシートに記録する(That)
  • 家に近づいたら(This)、スマート照明をオンにする(That)

このように、IFTTTは主に個人利用を想定しており、コンシューマー向けのWebサービスやIoTデバイス同士を手軽に連携させることに長けています。設定が簡単な反面、複数のステップや複雑な条件分岐を伴う自動化は苦手です。

n8nとは?ノードで繋ぐ本格ワークフロー自動化

一方、n8nは「ワークフロー自動化ツール」と呼ばれ、より複雑で多段階のプロセスを自動化するために設計されています。n8nでは、「ノード」と呼ばれる機能ブロックをキャンバス上に配置し、それらを線で繋いで一連の処理の流れ(ワークフロー)を構築します。

IFTTTが1対1の関係しか作れないのに対し、n8nでは「トリガー(きっかけ)→データの取得→条件分岐→データの加工→複数のサービスへ通知」といった、まるでプログラムを組むかのような複雑な処理を、視覚的にデザインできます。

例えば、n8nでは以下のような業務プロセスの自動化が可能です。

  • Webサイトの問い合わせフォームから送信があったら(トリガー)
  • 顧客情報をCRM(顧客管理システム)に登録し(ステップ1)
  • 問い合わせ内容に応じて担当者を判定し(条件分岐)
  • 担当者のSlackに通知を送り(ステップ2-A)
  • 顧客には受付完了メールを送信する(ステップ2-B)

このように、n8nはビジネスシーンでの利用を強く意識しており、データ処理、条件分岐、エラーハンドリングといった、業務で求められる要件に応えるための機能が豊富に用意されています。

【比較表】IFTTTとn8nの主な違い

両者の違いを分かりやすく表にまとめました。(2025年12月時点の情報)

項目IFTTTn8n
主な目的個人のタスク自動化、Webサービス連携本格的な業務プロセスの自動化
コンセプトアプレット(1トリガー、1アクション)ワークフロー(複数ステップ、分岐、ループ)
操作性非常に簡単・直感的視覚的だが、やや学習が必要
連携サービスコンシューマー向け中心(SNS、IoT)ビジネス向け中心(CRM、DB、API)
カスタマイズ性限定的非常に高い(コード記述も可能)
料金体系無料プランあり(制限付き)、有料プランクラウド版(無料枠あり)、セルフホスト(無料)
ホスティングクラウドのみクラウド / セルフホスト

この表からも分かるように、手軽さのIFTTT、高機能・高柔軟性のn8nという明確なキャラクターの違いが見て取れます。

なぜ業務自動化にはn8nが選ばれるのか?具体的なユースケースで比較

IFTTTの手軽さも魅力的ですが、なぜ多くのビジネス現場でn8nが選ばれるのでしょうか。その理由は、IFTTTでは実現が難しい、ビジネス特有の要件に応えられる機能にあります。具体的なユースケースを交えて見ていきましょう。

ケース1:複数ステップのプロセス自動化

先ほども少し触れましたが、ビジネスの現場では「Aが起きたらBをする」という単純な処理は稀です。「Aが起きたらBをして、その結果に応じてCかDを実行し、最後にEで報告する」といった、連続したプロセスがほとんどです。

n8nの強み:
ECサイトで新規注文が入った場合を考えてみましょう。n8nを使えば、

  1. Shopifyで新規注文を受けたら(トリガー)
  2. 注文情報をGoogleスプレッドシートの売上台帳に追記し(データ記録)
  3. 在庫管理システム(例: 在庫API)の情報を更新し(API連携)
  4. お客様にサンクスメールを送信し(メール送信)
  5. 社内の出荷担当チームのSlackチャンネルに通知する(チーム連携)

という一連のワークフローを一本道で構築できます。各ステップが成功したか失敗したかを個別に確認することも可能です。

IFTTTの場合:
IFTTTでは、このような複数ステップの連携は基本的にできません。「Shopifyで注文→Slack通知」や「Shopifyで注文→メール送信」といった個々のアプレットを作ることはできますが、それらを連携させて一連の流れとして管理することは困難です。

ケース2:データの加工とインテリジェントな条件分岐

業務自動化では、取得した情報をそのまま次のサービスに渡すだけでは不十分なことがよくあります。情報を整理したり、特定の条件に基づいて処理を分けたりする必要があります。

n8nの強み:
例えば、「顧客からのアンケート回答を取得し、満足度が5段階評価で3以下の場合はサポートチームにアラートを飛ばし、4以上の場合はお礼のクーポンを送る」といった処理を考えます。

n8nには「IFノード」や「Switchノード」といった強力な条件分岐機能があります。これにより、アンケートのスコアに応じて処理を分岐させることが容易です。さらに、顧客の名前や回答内容といったデータを自由に加工して、通知メッセージやメールの文面をパーソナライズすることも可能です。例えば、「〇〇様、ご回答ありがとうございました。ご指摘の点につきまして…」のように、動的な文章を作成できます。

IFTTTの場合:
IFTTT Proには、JavaScriptライクなコードで簡単な条件を追加できる「Filter code」機能がありますが、n8nほど直感的ではなく、扱えるデータや処理の自由度も大きく劣ります。複雑な条件やデータ加工は、IFTTTの設計思想とは異なる領域と言えるでしょう。

ケース3:エラーハンドリングと安定運用

これは特に重要な視点ですが、ビジネスで自動化を運用する上では「もし処理が失敗したらどうするか」を考えておく必要があります。APIの接続が一時的に不安定になったり、予期せぬデータが送られてきたりすることは日常茶飯事です。

n8nの強み:
n8nには、ワークフローの特定の部分でエラーが発生した際に、自動で別の処理を実行させる「エラーハンドリング」機能が備わっています。例えば、「CRMへの顧客登録に失敗したら、処理をリトライ(再試行)する」「それでも失敗したら、管理者にエラー内容をメールで通知する」といったワークフローをあらかじめ組んでおくことができます。これにより、自動化プロセスが途中で停止してしまうリスクを大幅に低減でき、安定した運用が可能になります。

IFTTTの場合:
IFTTTでアプレットが失敗した場合、基本的には単に処理が実行されないだけで、失敗したこと自体に気づきにくいケースがあります。エラーの原因を追跡するログ機能も限定的なため、ビジネスの基幹部分を任せるには不安が残ります。

コストと拡張性 – 長期的な視点でどちらを選ぶべきか?

ツールの選定において、コストと将来的な拡張性は避けて通れないテーマです。短期的な利便性だけでなく、長期的な運用を見据えて比較検討しましょう。

料金体系の比較 – 無料でどこまでできる?

IFTTT:
無料プランでは作成できるアプレットの数に制限(現在は2つまで)があり、複数ステップのアクションなど高度な機能を持つProプランは有料です。個人がいくつかのタスクを自動化するには十分ですが、本格的に活用しようとするとすぐに有料プランが必要になります。

n8n:
n8nには大きく分けて2つの利用形態があります。

  • n8n Cloud: n8nが提供するクラウドサービス。サーバーの管理が不要で、サインアップ後すぐに利用を開始できます。 generousな(非常に寛大な)無料枠が用意されており、小規模な業務自動化であれば無料で始めることも十分可能です。
  • Self-hosting: 自身のサーバーやPCにn8nをインストールして利用する方法。この場合、n8nのソフトウェア自体は完全に無料で、機能制限もありません。必要なのはサーバー費用だけです。

「まずは手軽にそのパワーを試してみたい」という方には、n8n Cloudの無料プランから始めるのがおすすめです。数クリックでアカウントを作成し、すぐに最初のワークフローを構築できます。

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連携サービスの質と拡張性

連携できるサービスの数も重要ですが、その「質」と「拡張性」がn8nの大きな魅力です。

IFTTTはSNSやスマートホームデバイスなど、BtoC向けのサービス連携が豊富です。一方、n8nはAirtable, Google Sheets, Slack, Salesforce, MySQL, PostgreSQLといった、ビジネスで頻繁に使われるツールやデータベースとの連携(インテグレーション)が充実しています。

さらに、n8nの最も強力な点の一つが「HTTP Requestノード」の存在です。これは、公式に連携対応していないサービスであっても、そのサービスがAPIを公開していれば、自由にリクエストを送って連携できてしまうというものです。この機能のおかげで、n8nの連携先は事実上「無限」と言っても過言ではありません。この圧倒的な拡張性は、IFTTTにはない大きなアドバンテージです。

セルフホスティングという選択肢 – 自由とセキュリティ

n8nが持つユニークな特徴が、前述した「セルフホスティング」の選択肢です。自社で管理するサーバーにn8nを構築することで、以下のようなメリットが生まれます。

  • セキュリティ: 外部のクラウドサービスを経由せず、自社のネットワーク内でデータを処理できるため、機密情報や個人情報を扱うワークフローも安心して構築できます。
  • コスト: ワークフローの実行回数や処理データ量に制限がなく、サーバー費用だけで済むため、大規模な自動化を低コストで実現できます。
  • 自由度: 独自の認証設定や、社内システムとの特殊な連携など、環境を自由にカスタマイズできます。

このセルフホスティングの選択肢があることで、n8nは単なるSaaSツールを超え、企業のITインフラに組み込める柔軟なプラットフォームとしての地位を確立しています。

まとめ:個人利用のIFTTT、業務自動化のn8n – 次のステップへ

ここまで、IFTTTとn8nの違いを様々な角度から比較してきました。両者の特徴をまとめると、以下のようになります。

  • IFTTTは、「手軽さ」と「シンプルさ」を武器に、個人の身の回りのタスクを自動化するのに最適なツールです。プログラミング経験のない方でも、すぐに自動化の恩恵を受けることができます。
  • n8nは、「柔軟性」と「拡張性」を武器に、複数ステップや条件分岐を伴う複雑な業務プロセスを自動化するための本格的なプラットフォームです。ビジネスの生産性を飛躍的に向上させるポテンシャルを秘めています。

もしあなたが、今行っているIFTTTでの自動化に限界を感じ、「もっと業務に深く踏み込んだ自動化を実現したい」「チーム全体の生産性を上げたい」と考えているのであれば、n8nへのステップアップを強くお勧めします。

n8nは学習すべきこともありますが、その分、あなたのアイデア次第でIFTTTでは不可能だった高度な自動化を実現できる、パワフルな相棒となってくれるでしょう。

n8nについて、より詳しい機能や導入方法、具体的な使い方を知りたい方は、基本的な内容から実践的な活用法までを網羅した「n8n完全ガイド記事」もぜひご覧ください。あなたの業務自動化への挑戦を、さらに後押ししてくれるはずです。

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