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n8nのWaitノード使い方完全ガイド!ステップメールや時間差処理の実装法

n8nを使った業務自動化で、「特定の時間だけ処理を待ちたい」と思ったことはありませんか。

例えば、ユーザー登録から1日後にフォローアップメールを送る、APIの連続アクセスを避けるために数秒間隔を空ける、といった処理です。

このような「待つ」という単純ながらも極めて重要な機能を実現するのが、n8nのWaitノードです。

このノードを使いこなせるかどうかで、自動化ワークフローの質は劇的に変わります。

この記事では、n8nのWaitノードの基本的な使い方から、ステップメールやAPIのレート制限回避といった具体的な実践例まで、誰でも理解できるように分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたも時間差処理を自在に操り、より高度で気の利いた自動化を実現できるようになるでしょう。

n8nのWaitノードとは?基本機能と4つのモードを徹底解説

n8nにおけるWaitノードは、ワークフローの実行を特定の条件が満たされるまで一時的に停止させるための重要なコンポーネントです。これにより、単にタスクを一直線に実行するだけでなく、時間的な間隔を制御した、より洗練された自動化が可能になります。例えば、深夜に大量の通知が飛ぶのを防いだり、ユーザーのアクションに対して適切なタイミングで反応したりと、その用途は多岐にわたります。

Waitノードには、実現したい処理に応じて選択できる4つの主要な動作モードが用意されています。それぞれのモードの役割と設定方法を理解することが、Waitノードを使いこなす第一歩です。

1. Wait for Time(指定時間待機)

最もシンプルで頻繁に使用されるモードです。指定した秒、分、時間、日、週だけワークフローの実行を停止します。設定は非常に直感的で、「Amount(量)」に数値を、「Unit(単位)」に待機したい時間の単位を選択するだけです。
例えば、「Amount: 3」「Unit: Days」と設定すれば、このノードに到達したアイテムは3日間待機してから次のノードへと進みます。ステップメールの配信間隔を設定する際などに非常に有効です。

2. Wait until/after Time(指定日時まで待機)

特定の日時を基準に待機させたい場合に使用します。「Until(まで)」を選ぶと指定した日時になるまで、「After(以降)」を選ぶと指定した日時を過ぎるまで待機します。日時は「2025-12-25 10:00」のように直接指定するだけでなく、n8nのExpressions(式)を使って動的に設定することも可能です。
例えば、「次の月曜日の朝9時まで待つ」といった複雑な条件や、「前のノードで取得した発売日まで待機する」といったデータに基づいた待機処理を実現できます。

3. Wait for Webhook(Webhook受信まで待機)

外部システムからのアクションをトリガーに処理を再開したい場合に使用する高度なモードです。このモードを設定すると、WaitノードはユニークなWebhook URLを生成します。ワークフローがこのノードに到達すると実行を一時停止し、生成されたURLに対して外部からHTTPリクエスト(POSTまたはGET)が送られるのを待ち続けます。
例えば、決済システムからの「支払い完了通知」を受け取るまで発送処理を待機させたり、ユーザーからの「承認クリック」を待ってから次のステップに進めたりするシナリオで活躍します。

4. Resume with Webhook Call(Webhookで再開)

このモードは少し特殊で、Wait for Webhookと対になる機能です。別のワークフローや外部システムから特定の待機中アイテムを能動的に再開させるために使います。待機しているワークフローのExecution IDを指定することで、ピンポイントで処理を再開させることができます。

これらの基本的な機能を理解するだけでも、n8nで実現できることの幅が大きく広がります。もしn8nの基本的な概念や操作方法にまだ不安がある方は、まず「n8n完全ガイド記事」で基礎をしっかりと固めてから、この記事に戻ってくることをお勧めします。基礎知識があることで、Waitノードの強力なポテンシャルをより深く理解できるはずです。

実践例1:Waitノードで効果的なステップメールを実装する方法

Waitノードの最も代表的な活用例が、ステップメールの実装です。ステップメールとは、ユーザー登録や資料請求といったアクションを起点に、あらかじめ用意された複数のメールをスケジュールに沿って段階的に配信するマーケティング手法です。例えば、「登録直後に挨拶メール」「3日後にお役立ち情報」「7日後に製品紹介」といった流れで、顧客との関係を徐々に深めていきます。

この時間差のあるアプローチを、n8nのWaitノードを使えば驚くほど簡単に自動化できます。ここでは、具体的なワークフローの作り方を見ていきましょう。

ステップメール用ワークフローの全体像

基本的なステップメールのワークフローは、以下のノードを順に繋げることで構築します。

  1. トリガーノード (例: Webhook, Google Form): ユーザー登録などの起点となるアクションを検知します。
  2. メール送信ノード (例: Gmail, SendGrid): 1通目のメール(例: 登録完了メール)を即時送信します。
  3. Waitノード: 次のメールを送るまでの期間、待機します。
  4. メール送信ノード: 2通目のメールを送信します。
  5. Waitノード: さらに次のメールを送るまで待機します。
  6. (以下、配信したいメールの数だけ繰り返し)

このように、「メール送信」と「待機」を交互に配置するのが基本構造です。

Waitノードの具体的な設定

例えば、「1通目を送った後、3日間待ってから2通目を送りたい」場合、1つ目のWaitノードを以下のように設定します。

  • Operation: Wait for Time
  • Amount: 3
  • Unit: Days

たったこれだけの設定で、ワークフローは正確に3日間待機してくれます。さらに、「2通目を送った後、1週間待ってから3通目を送りたい」場合は、2つ目のWaitノードで「Amount: 1」「Unit: Weeks」と設定すればOKです。

独自の視点:より高度な配信タイミングの制御

Waitノードの真価は、ただ待つだけでなく、「いつ」待機を終了させるかを細かく制御できる点にあります。例えば、せっかくのメールも深夜や早朝に届けば読んでもらえないかもしれません。そこで「Wait until/after Time」モードが役立ちます。

例えば、「3日後以降の、最初の平日の朝10時」にメールを送りたい場合、Expressionsを駆使して待機終了日時を動的に計算できます。具体的には、待機終了日時を計算するFunctionノードをWaitノードの前に追加し、`{{ $json.resumeAt }}` のように計算結果をWaitノードの「Resume At」プロパティに渡します。これにより、ユーザーにとって最適なタイミングでアプローチでき、メールの開封率向上にも繋がります。これは、単に「〇日後」と設定するだけでは実現できない、一歩進んだ使い方です。

このようにWaitノードを活用することで、n8nは単なるタスク自動化ツールから、インテリジェントなマーケティングオートメーションプラットフォームへと進化するのです。

実践例2:API連携の安定化とリマインダー機能の実装

Waitノードの用途は、顧客向けのアプローチだけにとどまりません。システム間の連携や、社内業務の効率化においても絶大な効果を発揮します。ここでは、開発者やチームの生産性を向上させる2つの実践的な活用例、APIのレート制限回避タスクリマインダーについて解説します。

APIのレート制限をWaitノードで賢く回避する

外部サービスのAPIを利用して大量のデータを処理する際、多くのAPIには「レート制限(Rate Limit)」が設けられています。これは、短時間に大量のリクエストが送られることによるサーバーへの過負荷を防ぐための仕組みで、例えば「1分間に60リクエストまで」のように上限が定められています。

この制限を超えてリクエストを送ると、APIはエラーを返してしまい、ワークフローが失敗する原因となります。ここでWaitノードが活躍します。ループ処理の中で各リクエストの間にわずかな待機時間を設けることで、レート制限に抵触するのを防ぎます。

具体的なワークフローは以下のようになります。

  1. データ取得ノード: APIで処理したいアイテムのリストを取得します。
  2. Split In Batchesノード: リストを1つずつのアイテムに分割し、ループ処理の準備をします。
  3. HTTP Requestノード: アイテムごとにAPIリクエストを送信します。
  4. Waitノード: 次のループに進む前に、一定時間待機します。

例えば、レート制限が「1秒あたり1リクエスト」の場合、Waitノードで「Amount: 1」「Unit: Seconds」と設定するだけで、安定したAPI連携が実現できます。これにより、予期せぬエラーを防ぎ、信頼性の高いワークフローを構築することが可能です。

SlackやChatworkへのリマインダー通知を自動化

チーム内のタスク管理においてもWaitノードは便利です。「担当者にタスクを割り当てた3日後に、進捗確認のリマインドを送る」といった業務を自動化できます。これにより、マネージャーの確認漏れを防ぎ、プロジェクトのスムーズな進行をサポートします。

ワークフローの例:

  1. トリガーノード (例: Trello): 新しいタスクカードが「対応中」リストに移動されたら起動します。
  2. Waitノード: 3日間待機します。「Operation」は「Wait for Time」を選択します。
  3. IFノード: 3日後に、タスクカードがまだ「対応中」リストにあるかを確認します。
  4. 通知ノード (例: Slack, Chatwork): 「対応中」のままであれば、担当者に「〇〇のタスクの進捗はいかがですか?」といったメンション付きのメッセージを自動で送信します。

ここでもう一工夫加えるのがおすすめです。Waitノードの「Wait until/after Time」モードとExpressionsを組み合わせ、「3日後の、次の営業日の朝10時」にリマインドを送るように設定します。これにより、担当者の休日や深夜に通知を送ることを避け、業務時間内に自然な形でリマインドできます。こうした細やかな配慮が、自動化ツールをチームに浸透させるための鍵となります。

n8n Waitノードの応用テクニックと注意点

Waitノードの基本と実践例をマスターしたら、次はより高度なテクニックに挑戦してみましょう。Expressions(式)を使った動的な制御や、利用する上での注意点を理解することで、さらに柔軟で堅牢なワークフローを設計できます。

Expressionsを使った動的な待機時間の設定

これまでの例でも少し触れましたが、Waitノードの各設定値はExpressionsを使って動的に変更できます。これにより、ワークフローは固定的でなく、データに応じたインテリジェントな動作が可能になります。

例えば、ユーザーに「何日後に通知を受け取りたいですか?」というアンケートを取り、その回答に応じて待機時間を変えたいとします。前のノードで `days` というキーにユーザーの回答(例: 5)が格納されている場合、Waitノードの「Amount」に以下のように設定します。

{{ $json.days }}

これで、待機時間がユーザーの入力に応じて「5日」に設定されます。同様に、「Unit」や「Resume At」の日時などもすべてExpressionsで制御可能です。これにより、パーソナライズされた体験の提供や、複雑なビジネスロジックへの対応が格段に容易になります。

Webhook待機の活用シナリオ

「Wait for Webhook」モードは、n8nのワークフローを外部の世界と非同期に連携させるための強力な機能です。例えば、以下のようなシナリオが考えられます。

  • 承認ワークフロー: 経費申請のワークフローで、上司からの承認を待ちます。申請内容をSlackで上司に通知し、承認ボタンにこの待機用Webhook URLを仕込みます。上司がボタンをクリックするまで、ワークフローは待機し続け、クリックされたら経理システムへの連携処理を再開します。
  • 外部サービスの処理待ち: 動画エンコードやAIによるレポート生成など、完了までに時間がかかる外部サービスと連携する場合に有効です。処理をリクエストした後にWaitノードで待機し、外部サービス側で処理が完了したらコールバックとしてWebhookを呼び出してもらうことで、n8n側は無駄なポーリング(定期的な確認)をすることなく、効率的に処理を再開できます。

Waitノード利用時の注意点 (2025年12月時点)

非常に便利なWaitノードですが、利用にあたってはいくつか知っておくべき注意点があります。

  • 長期間の待機: 数週間や数ヶ月といった非常に長い期間の待機も理論上は可能ですが、n8nの実行履歴(Executions)の保持期間に注意が必要です。クラウド版のプランやセルフホスト版の設定によっては、待機中に実行履歴が削除され、ワークフローが再開できなくなる可能性があります。重要なワークフローでは、事前に保持期間を確認しておくことが重要です。
  • Webhook待機のタイムアウト: 「Wait for Webhook」モードには、デフォルトでタイムアウトが設定されていません。つまり、Webhookが呼び出されない限り、ワークフローは永久に待機し続ける可能性があります。意図しない永久待機を防ぐため、必ずWebhookが呼び出される設計にするか、別のIFノードやタイムアウト処理を組み込むなどの工夫が推奨されます。
  • サーバーリソース: 多くのアイテムが同時に長期間待機するようなワークフローは、特にセルフホスト環境においてサーバーのメモリやデータベースのリソースを消費します。設計段階で、システム全体への影響を考慮することが望ましいです。

まとめ:Waitノードを制してn8nの自動化を次のレベルへ

この記事では、n8nのWaitノードに焦点を当て、その基本的な4つのモードから、ステップメールやAPI連携といった具体的な実践例、さらには応用テクニックまでを詳しく解説しました。

Waitノードは、単に処理を「待たせる」だけの単純な機能ではありません。時間という要素をワークフローに組み込むことで、自動化をより人間的で、よりビジネスの現実に即したものへと進化させるための鍵となるコンポーネントです。適切なタイミングでのリマインド、システムに負荷をかけない安定した連携、顧客に寄り添ったコミュニケーションの実現など、その可能性は無限大です。

さあ、あなたも今日からWaitノードを使いこなし、日々の業務をさらに賢く自動化してみませんか?n8nを使えば、これまで手作業で行っていた時間のかかるプロセスも、一度設定するだけであとはn8nが正確に実行してくれます。まずは無料プランからでも、その強力な機能を体験してみてください。

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また、n8nの全体像や導入方法、基本的な使い方からさらに深く学びたいという方は、それらを包括的に解説した「n8n完全ガイド記事」もご用意しています。ぜひ合わせてご覧いただき、あなたのn8nマスターへの道を加速させてください。