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海外赴任する家族に「日本のネット環境」を届けたい
家族が海外赴任することになったとき、生活面でのサポートとして意外と見落とされがちなのがインターネット環境の問題です。
海外では日本の動画配信サービスやWebサービスに地域制限(ジオブロック)がかかり、これまで当たり前に使えていたサービスが突然利用できなくなります。
特にお子さんがいるご家庭では、日本語の教育コンテンツや慣れ親しんだ番組が見られないストレスは想像以上に大きいものです。
そこで有効な解決策が、VPN(Virtual Private Network)を設定したWi-Fiルーターを日本から送る方法です。
ルーターにVPNを設定しておけば、現地ではそのルーターに接続するだけで、スマホもタブレットもパソコンも、すべてのデバイスがVPN経由で通信できます。
ITに詳しくない家族でも、Wi-Fiに繋ぐだけという手軽さが最大のメリットです。
なぜ「VPNルーター」が海外赴任の家族に必要なのか
海外で直面するネット環境の現実
海外赴任先では、日本にいたときには気づかなかったさまざまな制限に直面します。具体的には以下のような問題が発生します。
- 日本の動画配信サービス(TVer、ABEMA、U-NEXT、Huluなど)が「お住まいの地域では利用できません」と表示される
- 日本の電子書籍サービスで購入・閲覧ができなくなる
- 一部の日本の銀行やネットサービスが海外IPアドレスからのアクセスを制限している
- 日本のニュースサイトやラジオアプリ(radiko等)が使えない
これらはすべて、アクセス元のIPアドレスが日本国外であることが原因です。VPNを使って日本のサーバーを経由すれば、日本国内からアクセスしているように見せることができ、多くのサービスが通常どおり利用可能になります。
スマホやPCに個別設定するのではダメなのか
もちろん、各デバイスにNordVPNアプリをインストールして使うことも可能です。しかし、ルーターに設定する方法には以下の利点があります。
- 接続するだけでVPNが有効になるため、ITに詳しくない家族でも簡単に使える
- 同時接続台数を気にする必要がない(NordVPNの同時接続数は10台だが、ルーター経由なら1台分のカウントで済む)
- VPNアプリに対応していないスマートTVやゲーム機でもVPN接続できる
- 家族全員が常時VPN接続の恩恵を受けられる
特にFire TV StickやChromecast、Nintendo Switchなど、VPNアプリを直接インストールできないデバイスを使う場合は、ルーターへのVPN設定が事実上唯一の選択肢になります。
なぜ「日本で設定して送る」のがベストなのか
赴任先でルーターを購入してVPN設定をしてもらう方法もありますが、以下の理由から日本で設定済みのものを送る方が確実です。
- 現地ではVPN対応ルーターの入手が難しい場合がある
- 日本語のUI(管理画面)で設定できるため、トラブル時のサポートがしやすい
- 設定作業を日本側で完了させておけば、現地ではLANケーブルを繋ぐだけで使い始められる
- 万が一の設定変更も、リモートデスクトップなどを使って日本から対応できる
NordVPN設定済みルーターを送るための具体的な準備手順
ステップ1:NordVPNのアカウントを準備する
まずはNordVPNのアカウントが必要です。まだ契約していない場合は、NordVPN公式サイトから申し込みましょう。海外赴任のように長期利用が前提の場合は、2年プランがコストパフォーマンスに優れています。料金プランの詳細や申し込み手順については「【2026年最新版】NordVPN完全ガイド:始め方から料金、メリット・デメリットまで徹底解説!」で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。
アカウント作成後、NordVPNの管理画面から「手動設定(Manual Setup)」のページにアクセスし、OpenVPNまたはWireGuard(NordLynx)の接続情報を取得しておきます。ルーターの設定で使う「サービスクレデンシャル(ユーザー名・パスワード)」は、NordVPNのログインIDとは異なるため注意が必要です。
ステップ2:VPN対応ルーターを選ぶ
すべてのWi-Fiルーターがルーター上のVPN接続に対応しているわけではありません。NordVPNが公式にサポートしているルーターは主に以下の種類です。
- ASUS製ルーター(RT-AX86U、RT-AX88Uなど):標準ファームウェアでOpenVPNクライアント機能を搭載しており、設定が比較的簡単
- DD-WRT対応ルーター:オープンソースのカスタムファームウェアを導入することでVPNクライアント機能が使える
- OpenWrt対応ルーター:同じくカスタムファームウェアによるVPN対応
- GL.iNet製トラベルルーター(GL-MT3000、GL-AXT1800など):WireGuardに標準対応しており、小型で持ち運びにも便利
筆者の経験からおすすめなのは、ASUS製ルーターかGL.iNet製トラベルルーターです。ASUS製はファームウェアの書き換えが不要で設定画面も日本語対応しているため、初めての方でも扱いやすいのが特長です。GL.iNet製は手のひらサイズで国際発送のコストを抑えられるうえ、WireGuardに標準対応しているため通信速度も安定しています。
ステップ3:ルーターにNordVPNを設定する
ここではASUS製ルーターでの設定手順を例に説明します。
まず、ルーターの管理画面(通常は http://192.168.1.1 または http://router.asus.com)にブラウザからアクセスします。初期セットアップが済んでいない場合は、先にインターネット接続の基本設定を完了させてください。
次に、左メニューから「VPN」→「VPNクライアント」を選択します。「プロファイルを追加」をクリックし、「OpenVPN」タブを選択します。ここで、NordVPNの管理画面からダウンロードしたOpenVPN設定ファイル(.ovpnファイル)をアップロードし、サービスクレデンシャルのユーザー名とパスワードを入力します。
接続先サーバーは日本のサーバー(例:jp○○○.nordvpn.com)を選びましょう。NordVPNは日本国内に100台以上のサーバーを設置しており、番号が若いサーバーほど混雑しやすいため、中間あたりの番号を選ぶのがコツです。
設定完了後、「有効化」をクリックしてVPN接続を開始します。ステータスにチェックマークが表示されれば接続成功です。この状態でルーターに接続したデバイスからIPアドレス確認サイト(例:ipleak.net)にアクセスし、日本のIPアドレスが表示されることを確認しましょう。
ステップ4:動作確認と安定性テスト
設定直後の一度の確認だけでは不十分です。実際に送る前に、以下のテストを行いましょう。
- 24時間以上の連続接続テスト:VPN接続が途中で切れないか確認する
- 自動再接続の設定確認:万が一VPN接続が切断された際に自動で再接続されるか
- Kill Switch機能の確認(ASUS製の場合「VPNが切断されたらインターネットを遮断」オプション):VPNが切れた際に生のIPアドレスが漏洩しないようにする
- 複数デバイスでの同時接続テスト:家族が同時に使う状況を想定してストリーミング再生が安定するか確認
- 速度テスト:VPN経由でも実用的な速度が出ているか(最低でも下り20Mbps程度あればHD動画の視聴は可能)
ステップ5:赴任先への発送準備
ルーターの設定が完了したら、いよいよ発送準備です。ここが意外と盲点になるポイントが多い工程です。
まず、赴任先の国の電圧とコンセント形状を確認しましょう。日本の電圧は100Vですが、多くの国は220〜240Vです。ルーター付属のACアダプターが「入力:100〜240V」と記載されていればそのまま使えますが、コンセントの形状が異なる場合は変換プラグを同梱する必要があります。
発送方法については、EMSや国際宅配便(DHL、FedExなど)が利用できます。ルーターは「電子機器」に分類されるため、一部の国では通関時に税金がかかる場合があります。送付状(インボイス)には品名を「Wireless Router(Wi-Fiルーター)」、金額は購入時の価格を正確に記載しましょう。虚偽の申告は通関トラブルの原因になります。
また、リチウムバッテリーを内蔵しているモバイルルーターの場合、航空便での発送に制限がかかることがあります。GL.iNet製トラベルルーターの多くはバッテリー非内蔵なので、この点でも発送しやすいメリットがあります。
梱包時には、ルーターの管理画面のログインID・パスワード、Wi-FiのSSIDとパスワード、そして簡単な接続手順書を紙に書いて同梱しておくと、現地での初期セットアップがスムーズです。
ステップ6:現地での接続方法を家族に伝えておく
赴任先では、現地のインターネット回線(光回線やケーブルテレビ回線)のモデムやルーターのLANポートから、送ったVPNルーターのWANポートにLANケーブルで接続します。いわゆる「二重ルーター構成」になりますが、VPNルーター側をブリッジモードではなくルーターモードのまま使うことで、VPN接続を維持したまま通信できます。
現地の回線にルーターを接続したあとは、スマホやPCからVPNルーターのSSID(Wi-Fi名)を選んでパスワードを入力するだけです。VPNの接続・切断を意識する必要はありません。
他の方法との比較:VPNルーターは本当にベストな選択か
方法ごとのメリット・デメリット
海外から日本のサービスを利用する方法はVPNルーター以外にもあります。それぞれを比較してみましょう。
各デバイスにVPNアプリをインストールする方法は、初期コストがルーター代分だけ安くなりますが、対応していないデバイスが使えない点と、家族全員が個別に設定・操作する手間が発生する点がデメリットです。
Smart DNSサービスを利用する方法は、通信速度の低下がほぼない点が魅力ですが、通信の暗号化がされないためセキュリティ面では劣ります。また、対応サービスが限定的です。
NordVPN対応のプリフラッシュドルーター(設定済みルーター)を海外の通販で購入する方法もありますが、価格が割高(200〜400ドル程度)で、日本語のサポートを受けにくいのが難点です。
総合的に見ると、日本でVPNルーターを設定して送る方法は、コスト・手軽さ・サポートのしやすさのバランスが最も優れています。特に「ITに詳しくない家族が現地で使う」というシナリオでは、事前設定済みのルーターを送るのが最も確実です。
こんな方にはVPNルーター送付がおすすめ
- 赴任先にITに詳しくない配偶者やお子さんだけが先に渡航するケース
- スマートTVやFire TV Stickで日本の動画を見たい方
- 複数デバイスを家族全員で使うため、同時接続数の制限を回避したい方
- 一度設定すれば日常的なVPN操作を不要にしたい方
まとめ:事前準備で家族の海外生活を快適にサポート
海外赴任する家族へNordVPN設定済みのWi-Fiルーターを送ることは、日本のインターネット環境を丸ごと届けるような効果があります。ポイントを整理すると以下のとおりです。
- VPN対応ルーターはASUS製またはGL.iNet製がおすすめ
- NordVPNのサービスクレデンシャルとOpenVPN設定ファイルを事前に準備する
- 設定後は24時間以上の安定性テストを必ず実施する
- 発送時は電圧・コンセント形状・通関書類に注意する
- 現地ではLANケーブルを繋いでWi-Fiに接続するだけで使える状態にしておく
NordVPNの契約がまだの方は、まずNordVPN公式サイトでプランを確認するところから始めてみてください。契約手順や各プランの違いについては「【2026年最新版】NordVPN完全ガイド」で詳しくまとめています。
