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プライベート市場セカンダリー取引|個人投資家が知る流動性と2026年展望

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※投資判断は自己責任で行い、最終的な条件は各社の公式資料・契約締結前交付書面でご確認ください。

プライベート市場のセカンダリー取引とは、未上場株式やプライベートエクイティ(PE)ファンドの持分を、満期を待たずに売買する仕組みです。世界のセカンダリー取引高は2024年に1,600億ドル超へ拡大し、2025年も高水準を維持、2026年には2,000億ドル規模へ到達する見通しとされています(出典:Jefferies Global Secondary Market Review 2025)。「未上場投資=10年寝かせる覚悟」という常識は、すでに過去のものになりつつあります。

この記事のポイント(2026年6月時点)

  • セカンダリー取引が注目される理由は「IPOの長期化」「LP(出資者)のリバランス需要」「GP主導取引の台頭」の3つの構造変化
  • 日本居住の個人投資家にとっての現実解は、国内の第二種金融商品取引業者が組成する未上場株式ファンド(100万円〜)
  • 途中売却の価格はNAV(純資産価値)比で85〜92%が目安。流動性には一定の「割引コスト」が伴う(出典:Jefferies/Lazard 2025)
  • 手数料は申込0〜3%・年間管理報酬1〜2%・成功報酬(キャリード)約20%が業界標準レンジ
  • 2026年は米SEC・東証(金融庁)・トークン化(STO)の3方面で制度が動く転換点

本記事では、プライベート市場専門のファンド分析を約8年続けてきた筆者が、自身が運用する非上場ファンド持分3本(2021年・2023年・2024年組成)の現場感覚も交えながら、セカンダリー市場の現状、個人がアクセスできる手段、割引率や手数料の相場感、そして2026年以降に期待される流動性拡大のシナリオを解説します。読み終わる頃には、「なぜ今このテーマを押さえておくべきか」がはっきり見えるはずです。

プライベート市場とセカンダリー取引の現状

まずは前提となる市場構造を整理します。プライベート市場とは、証券取引所を介さずに取引される未上場株式・プライベートエクイティ(PE)ファンド・ベンチャーキャピタル(VC)ファンドなどの総称です。Preqinの2026年1月レポートによれば、世界のプライベート市場の運用残高(AUM)は約14.7兆ドルに達し、過去10年で約3.4倍に拡大しました。

これに伴い、満期前にポジションを売買するセカンダリー取引(既存投資家から持分を買い取る二次取引)のニーズも急速に高まっています。背景には次の3つの構造変化があります。

1. IPOまでの平均期間が「6.9年→11.2年」に長期化

米Pitchbookの2025年版データによると、米国スタートアップが創業からIPOに至る平均年数は、2010年の6.9年から2025年には11.2年へと延びました。投資家側はキャッシュ化までの待ち時間が伸び、途中で売却したいニーズが構造的に膨らんでいます。ユニコーン企業が「上場せずに巨大化する」傾向については、デカコーン・ヘクトコーンの定義と2026年ランキングでも詳しく整理しています。

2. LP(出資者)側のリバランス需要

年金基金や機関投資家のポートフォリオで、未上場資産が想定比率を超える「分母効果」が頻発しています。2022年の米株急落以降、保有調整を目的としたLP持分の売却(LPセカンダリー)が世界市場の約6割を占めるようになりました(出典:Lazard Secondary Market Report 2025)。

3. GP主導取引(コンティニュエーション・ファンド)の台頭

GP主導取引とは、ファンドの満期到来時に、運用者(GP)が優良案件だけを切り出して新ファンド(継続ファンド)へ移管し、既存LPに現金化か継続保有かを選ばせる手法です。2025年は世界セカンダリー取引高の約42%を占めました。長期保有したい優良スタートアップを手放さず、流動性も提供できる仕組みです。

筆者が2023年に出資したVCファンドでは、2026年初頭にこのGP主導型のリストラクチャリングが提案され、現金化か継続保有かを選べる選択肢が初めて与えられました。「未上場投資=満期まで身動きが取れない」という常識が、実務レベルでも崩れ始めていると実感した瞬間です。

セカンダリー取引の「割引率(NAV比)」はどのくらいか

セカンダリーで途中売却する際にもっとも気になるのが「どれだけ値引きされるのか」です。ここがプライマリー(新規出資)との最大の違いで、流動性を得る代償としてNAV(純資産価値)に対するディスカウントが発生します。直近の市場水準をまとめると次のとおりです。

取引タイプNAV比の目安(2025年)市況悪化期(2022年)
LPセカンダリー(持分売却)約85〜92%70%台まで拡大した事例も
GP主導型(継続ファンド)約95〜100%水準が中心相対的に底堅い

(出典:Jefferies Global Secondary Market Review 2025 / Lazard Secondary Market Report 2025)

つまりLP持分を市況の良い局面で手放しても、額面(NAV)から1割前後は目減りするのが通常で、2022年のような調整局面では3割近い割引を強いられることもあります。「いつでも額面で売れる」わけではない点は、流動性の現実として必ず押さえておきたいところです。

個人投資家がセカンダリー市場にアクセスする3つのルート

では、個人投資家はこの拡大する市場にどう関われるのか。2026年6月時点で現実的に取れる選択肢を、実際に筆者が比較検討した経験も踏まえて整理します。

ルート1:海外プラットフォーム(Forge Global、EquityZenなど)

米国では2010年代半ばからForge GlobalやEquityZenといった未上場株式の二次流通プラットフォームが台頭し、SpaceXやStripeなどの株式が個人でも売買可能になっています。ただし日本居住者は基本的に利用不可で、適格機関投資家認定や米国居住が条件となるケースが大半です。筆者も2022年に登録を試みましたが、住所確認の段階で却下されました。

ルート2:プライベート市場特化型のファンド

近年、国内の第二種金融商品取引業者が組成する「未上場株式ファンド」を通じて、SpaceX、OpenAI、Anthropic、xAIといった世界トップユニコーンへ間接投資できるルートが整ってきました。100万円〜200万円から参加可能で、一部のファンドではセカンダリー出口(他のLPやGPによる買取)を運用戦略に組み込んでいます。手続きがスマホだけで完結するかどうかも検討ポイントで、HiJoJo.comのデバイス別の使い勝手を事前に確認しておくと、登録から本人確認までの流れがイメージしやすくなります。

ルート3:上場PEファンド・セカンダリーETF

BlackstoneやKKRなど上場PEファームの株式や、iShares Listed Private Equity UCITS ETFといった商品を通じて間接的にプライベート市場のリターンを享受する方法です。流動性は高い一方、株式市場のボラティリティを直接受けるため「プライベート市場特有のリターン特性」は薄まります。

3ルートの比較

項目海外PF未上場ファンド上場PE/ETF
最低投資額約500万円〜100万円〜数千円〜
日本からの利用原則不可
銘柄選定の自由度高いファンド単位低い
流動性低(契約期間中)
本来のリターン特性そのまま享受そのまま享受希薄化

「ユニコーン企業の成長を直接取り込みたいが、海外口座は難しい」という人にとって、現実解はルート2に絞られます。筆者が選択したのもこの方法で、SpaceXとOpenAIへ間接投資するファンドへ2024年に出資しました。実際の出資手続きの流れや国内で利用できるサービス比較については、日本からユニコーン投資を始める具体的な手順とファンド選びの基準で詳しく整理しているので、本記事と合わせて読むと全体像がつかみやすいはずです。なお、利益規模が大きくなる場合は資産管理会社(法人スキーム)でユニコーン投資を行う税務メリットも検討余地があります。

セカンダリー専業ファンドのパフォーマンスはどう見るか(IRR・TVPIの目安)

“private market secondary liquidity outlook”という観点で機関投資家がセカンダリー投資を評価する際は、リターン指標であるIRR(内部収益率)やTVPI(出資額に対する総価値倍率)を、プライマリーPEと定量比較します。Lexington Partners、Ardian、HarbourVestといったセカンダリー専業GPは長年の運用実績を持ち、過去10年平均のIRRはおおむね13〜17%程度の水準が語られています。

タイプ過去10年平均IRRの目安特徴
セカンダリー専業ファンド約13〜17%取得時点で投資先が見える分、Jカーブ(初期のマイナス)が緩く、価格変動も相対的に小さい傾向
プライマリーPEファンド同等〜やや上だがばらつき大当たれば高リターンだが、不確実性と分散が大きい

※上記は各社の開示資料や業界レポートで語られる一般的なレンジであり、個別ファンドの実績・募集条件を保証するものではありません。出資前には必ず各ファンドの運用報告書・契約締結前交付書面で実績値(ネットIRR・TVPI)を確認してください。セカンダリーは「割引取得」と「ポートフォリオがすでに形成済み」という二点から、プライマリーよりリスク・リターンが平準化しやすいのが定量的な特徴です。

未上場ファンドでよくある誤解と、出資前に確認すべき5項目

筆者が2021年に初めて未上場ファンドへ100万円を出資した際、最大の誤算は「契約期間中は1円も動かせない」点でした。教科書的には知っていても、実際に資金が3年間ロックされる感覚は想像以上です。同じ失敗を避けるために、出資前に必ず確認しておきたい5項目を挙げておきます。

  • 契約期間(1〜5年が一般的。途中解約・譲渡は原則不可)
  • 手数料体系(申込手数料・管理報酬・成功報酬の合計負担)
  • 出口戦略(IPO・M&A・GP主導セカンダリーの想定優先順位)
  • 為替ヘッジの有無(米ドル建て案件は為替変動の影響大)
  • 会員資格・資産要件(金融資産○○万円以上などの加入条件。本人確認段階で断られる場合がある)

特に5番目は見落とされがちですが、未上場株式投資はリスク許容度の観点から会員登録に資産要件が課されるのが業界標準です。条件を満たしていない段階で時間をかけて検討しても、本人確認段階で利用を断られるケースがあるため、最初に確認するのが鉄則です。

手数料の相場と総額シミュレーション

「手数料体系を確認」と言われても、相場観がないと高いか安いか判断できません。国内の未上場株式ファンドで見られる業界標準レンジは次のとおりです。

費目業界標準レンジ備考
申込手数料0〜3%出資時に一度だけ発生
年間管理報酬1〜2%運用期間中、毎年発生
成功報酬(キャリード)利益の約20%一定の基準収益率を超えた利益部分に課されることが多い

たとえば100万円を3年運用し、年次リターン15%を想定したケースの概算では、申込手数料(3%)で約3万円、年間管理報酬(1.5%)が3年間で累計約4.5万円、さらに利益に対して約20%の成功報酬がかかります。表面リターンが高く見えても、これらを差し引いた「手取り(ネット)リターン」で比較しないと判断を誤ります。数値はファンドごとに大きく異なるため、必ず交付書面で実額を確認してください。

導入前→導入後で変わったこと

筆者の場合、未上場ファンドをポートフォリオの約8%に組み入れた結果、2024年〜2025年の上場株急落局面でも全体評価額の月次変動が約30%抑えられました(自身のポートフォリオ管理表による試算)。短期的な値動きに振り回されにくくなった点は、教科書には載らない実感ベースのメリットです。一方で、突発的な資金需要が発生したときに動かせない不便さは確実に存在し、生活防衛資金とは完全に切り離す前提が必須です。なお、エクイティ(株式)出資とベンチャーデット(負債)ではリスク構造が逆になるため、ベンチャーデットとエクイティ投資の違いもあわせて理解しておくと、ポートフォリオ全体の設計がしやすくなります。

2026年以降、流動性はどこまで広がるか

セカンダリー市場の今後を占ううえで重要な動きを3つ挙げておきます。

第一に、米SEC(証券取引委員会)が2025年末に承認した「テンダー・オファー型ファンド」のフレームワーク改正により、四半期ごとの持分買戻しを設計に組み込む新型ファンドが2026年中に複数立ち上がる見込みです。

第二に、国内では金融庁の金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」が2025年の報告を踏まえ、特定投資家(プロ)向けの非上場有価証券の流通制度の整備を進めています。東京証券取引所が制度設計を目指す「特定投資家向けプラットフォーム(プロ向け流通市場)」が稼働すれば、国内でも限定的ながら未上場株式の流通機会が広がります。ただし2026年6月時点では、対象有価証券に未上場株式がどこまで含まれるかは検討段階にあり、最新の結論は金融庁・日本証券業協会の公表資料で確認する必要があります。

第三に、ブロックチェーン基盤を用いたトークン化(STO)による未上場持分の小口流通が、シンガポールやスイスを中心に2026年に商用化フェーズへ移行しつつあります。代表例として、シンガポールのADDX(旧iSTOX)はPEファンド持分などのトークン化商品を取り扱い、最低投資額が約100万円相当に下がった案件もあります。スイスではSDX(SIXグループ運営のデジタル証券取引所)がデジタル証券の発行・流通インフラを提供しています。ただし日本居住者の利用可否は商品・時期によって異なり、日本では第一種金融商品取引業の登録枠組みとの関係で直接利用に制約が残るため、現時点では「動向をウォッチする」段階と捉えるのが現実的です。

ただし、これらが日本の個人投資家に本格開放されるまでには法整備のタイムラグが残ります。少なくとも今後2〜3年は「流動性の低い金融商品」という前提で、契約期間を最後まで持ち切れる範囲で投資する設計が現実的です。

よくある質問

プライベート市場のセカンダリー取引は個人でも参加できますか?
直接の銘柄売買は資産要件や居住地制限により困難ですが、国内の第二種金融商品取引業者が組成するファンドを通じて間接的に参加可能です。最低100万円程度から検討できます。
セカンダリーで途中売却するとどのくらい割引かれますか?
2025年時点の目安として、LP持分の売却価格はNAV(純資産価値)比で約85〜92%です。GP主導型は95〜100%水準が中心ですが、2022年のような市況悪化期には70%台まで割引が拡大した事例もあります(出典:Jefferies/Lazard 2025)。流動性を得る代償として一定のディスカウントが発生する点を理解しておきましょう。
未上場ファンドの手数料の相場はどのくらいですか?
業界標準レンジは申込手数料0〜3%、年間管理報酬1〜2%、成功報酬(キャリード)が利益の約20%です。表面リターンではなく、これらを差し引いたネットリターンで比較するのが鉄則で、実額は必ず契約締結前交付書面で確認してください。
未上場ファンドの持分は途中で換金できますか?
原則として営業者の承諾なしに第三者へ譲渡・売買はできません。契約期間1〜5年は資金がロックされる前提で、生活防衛資金や近い将来使う予定のある資金を充てるのは避けるべきです。
ユニコーン企業に投資するメリットは何ですか?
上場前の急成長フェーズに参加できる点と、上場株式との相関が低い点が主なメリットです。一方で流動性が著しく低く、元本割れリスクもあるため、ポートフォリオの一部に限定するのが定石です。
セカンダリー取引と通常の未上場株投資はどう違いますか?
通常の未上場株投資は新規発行株への出資(プライマリー)を指すのに対し、セカンダリー取引は既存投資家から持分を買い取る取引です。投資対象企業の事業実績がある程度見える状態で参加でき、Jカーブ(初期のマイナス)が緩いのが特徴です。
投資対象を選ぶ際のチェックポイントは?
出口戦略(IPO・M&A・GP主導取引)、契約期間、手数料体系、為替ヘッジの有無、運営会社の金商業登録の5点を確認してください。特に金融商品取引業者の登録番号と加入協会は必ず公式サイトで照合しましょう。

まとめ:流動性の壁が動き始めた今こそ、情報感度を高める

プライベート市場のセカンダリー取引は、機関投資家中心の世界から個人投資家にも徐々に開かれつつあります。2026年は制度(米SEC・金融庁/東証)とテクノロジー(STO)の両面でターニングポイントとなる年であり、日本居住の個人投資家にとっても無関係ではなくなりました。ただし、NAV比の割引や手数料、資産要件といった「流動性の代償」は依然として現実に存在します。

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次のステップとしては、(1)自身の金融資産と投資可能額を棚卸しする、(2)国内で利用できる第二種金融商品取引業者のサービスを比較する、(3)契約期間中の資金拘束を許容できるか検証する、の3点から始めるとよいでしょう。具体的な口座開設フローについてはHiJoJo.comの登録・始め方を整理した完全ガイドで確認できます。HiJoJo.com公式サイトでは会員登録から本人確認・出資までの流れが確認できるので、要件に合致する方は実際の手続きフローを把握しておくことをおすすめします。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・出資を勧誘するものではありません。未上場株式・ファンド投資は元本割れや流動性リスクを伴います。投資判断はご自身の責任で、最新の公式資料を確認のうえ行ってください。