こんにちは、小松由和(@komaty1210)です。
このブログでは、ブログ上で回答OKという条件で、無料&優先的に回答させて頂くご質問を募集しているのですが(【Q&A】ブログ上で回答OKな質問、相談募集中です!)、
ブログ回答OKのご相談がありましたので、ご相談内容と回答をご紹介したいと思います。
この度はご相談頂きありがとうございます。
回答内容がご相談頂いた方の参考になれば幸いです。
【ブログ回答Q&A】
ご相談内容
こんにちは。ご相談です。
はじめまして。
私はケータリング業務を今後個人でやりたいと考えている28歳会社員女性です。
しかしながら、飲食店ホールでの経験のみで、料理についても家で家事をやる程度の為、転職をして、飲食店でキッチンを学ぶべきか、働きながら料理教室や学校に通うべきか悩んでいます。
飲食店で働くとなると学校等では得られない現場の経験や繋がりは得ることができますが、圧倒的に金銭面が厳しくなる為、開業する際の初期費用が心配です。
働きながら料理教室や学校に通うとお金は貯まりますが、カフェのキッチンに比べると料理に触れる機会は少なく、また、料理教室に行ける日や時間が限られたりします。(大好きな料理教室が平日しか営業していない為)
ちょうど近所の有名なカフェがキッチンを募集しており、より悩んでいます。
開業時の初期費用というのはどれくらいかかるんでしょうか?
まだまだ漠然としていますが、お弁当のケータリング、小さなお弁当屋さんのような仕事をしたいと思っています。
よろしくお願いします。
回答
お弁当のケータリング、小さなお弁当屋さん、として今後個人で活動していきたいという前提で、主に、以下の2つのご質問に整理させて頂き回答したいと思います。
①飲食店ホールでの経験のみで、料理についても家で家事をやる程度の為、転職をして、飲食店でキッチンを学ぶべきか、働きながら料理教室や学校に通うべきか。
目標とする、お弁当ケータリング/小さなお弁当屋さんのスタイル、規模、働き方、などの目標、ゴールが具体的に明確になれば、それにあわせて、進むべき道も(目標達成に必要な技術や経験、お金など)明確になってきます。
ですので、まずは目標をより具体的に明確にすることから始めるのがよいと思います。
②開業時の初期費用というのはどれくらいかかるんでしょうか?
様々な要因によって初期費用は変動するので一概に言うのは難しいですが、小さなお弁当屋さんでも固定店舗を構えるとなると、300万〜1000万円の費用は必要になります。
色々な工夫やノウハウによって、費用を抑える方法や手段はありますが、開業時の初期費用についても①の回答と同じで、目標が明確であればあるほど、より正確な初期費用を算出することが可能です。
以上がざっくりな回答になりますが、以下でより具体的に回答、説明していきたいと思います。
【Q&A ①】飲食店ホールでの経験のみで、料理についても家で家事をやる程度の為、転職をして、飲食店でキッチンを学ぶべきか、働きながら料理教室や学校に通うべきか。
一部の情報のみですので具体的なアドバイスは難しいですが、どうやって考えて決断すべきかのアドバイスをしたいと思います。
流れとしては以下のようなプロセスになるかと思います。
①目指す目標、ゴールを決める
②目標、ゴールから逆算して、必要なこと、自分に不足していることを洗い出す
③目標、ゴールに到達するために、必要なこと、不足していることを手に入れるための方法を考える
④それぞれの方法のメリット、デメリットを整理して比較する
⑤行動する
具体的にそれぞれ説明していきますね。
①目指す目標、ゴールを決める
大前提として、途中で目標やゴールが変わることは問題ありません。
目標を決めなくても、自分が望むゴールに到達できる場合もありますが、目標、ゴールを決めた方が断然近道です。
例えば、「将来自分のレストランでミシュラン三ツ星をとりたい」と考えている人が、日本の地方都市で繁盛しているカフェで働いていても、目標に到達する可能性は低いままです。
ミシュラン三ツ星をとりたいのであれば、やはりすでにミシュラン三ツ星をとっているレストランや、相応のレベルや評価があるレストランで修行をして、「ミシュラン三ツ星をとるにはこのレベルの料理が必要なのか」「料理だけでなくサービスやドリンクも品質もこれくらいないといけないのか」といった経験が積めるので、その経験をベースに独立する方が目標に到達する可能性はグンと高まります。
まずは自分がなりたい姿、お店、どんな料理、お弁当を提供したいのか、をイメージして、どのようなケータリング業務を目指すのか、目標とゴールを決めるところから始めるといいと思います。(もちろん軌道修正はあり)
例えば、お弁当のケータリングだとしても、
・自分1人で毎日50個のお弁当の注文×週5のようなスタイルが理想なのか
・スタッフ数人雇用して、毎日300個のお弁当の注文×年中無休のようなお店が理想なのか
・お弁当単価は500円程度のリーズナブルなお弁当なのか、2000円以上の高級お弁当なのか、マクロビなどこだわりお弁当なのか
・どんなお客様にお弁当をケータリングしたいのか、オフィスワーカー向けなのか、ロケ弁なのか、
等々、
お弁当のケータリング、小さなお弁当屋さん、といっても、具体的に目指す内容によって、必要な技術やノウハウ、経験は変わってきます。
②目標、ゴールから逆算して、必要なこと、自分に不足していることを洗い出す
自分が目指す目標、ゴールを決めたら、その目標に到達するために必要なことや不足していることを考えます。
例えば、
・開業費用がいくら足りない
・マクロビ弁当を作るならマクロビの勉強をもっとしないといけない
・そもそもお弁当を大量に作った経験がないから、大量のお弁当作成の経験を積まないと
等々。
さきほどの三ツ星レストランの例だと、
・三ツ星レストランの料理の品質を実現する技術がない
・三ツ星レストランになるために必要な要素を知らない
・三ツ星レストランを開業するためのお金が足りない
等々。
③目標、ゴールに到達するために、必要なこと、不足していることを手に入れるための方法を考える
どのようにすれば②の必要なこと、不足していることを手に入れられるのかを考えます。
三ツ星レストランの例だと、
・三ツ星レストランで働いて料理の技術力をあげる、三ツ星レストランになるために必要な要素を学ぶ(見て盗む)
・開業資金がレストラン勤務の給料では到底足りないようであれば、スポンサーを探す。スポンサーを探すために人脈を広げる、料理コンテストなどに出場して自分の実績をつくりスポンサーを探す、など
の方法が現実的と判断することができます。
②の足りないことの一覧を目の前にして、「よし、スターバックスコーヒーに就職して仕事をしてお金を貯めつつ、飲食店の経験を積んで、三ツ星レストランを目指そう!」とはならないはず。
④それぞれのメリット、デメリットを整理する
③で考えた方法で、いくつか候補があった場合に、それぞれのメリット、デメリットを整理して、比較すると、判断がつきやすいです。
また、デメリットは他の方法で小さくすることができないかも同時に考える必要があります。
・転職して飲食店でキッチンを学ぶ
メリット:料理の経験が積める
デメリット:金銭的に厳しい(転職前に比べると収入減)
→今の職業で開業費用を貯めてから転職をして、転職後は早く経験を積んでスピーディーに起業する、金銭的負担を減らすために開業費用を抑える方法を考える、など。
・働きながら料理教室や学校に通うべき
メリット:金銭的に安心
デメリット:料理の経験が積みにくい(平日参加できない、など)
→休日に友達や知り合いからスタートしてお弁当販売を少量からスタートして経験を積む、など。
例として、今回悩まれている2つの進路を書いていますが、そもそも他に選択肢があるのかもしれないので、その点も含めて考えてもらえたらと思います。
⑤行動する
目標に向けて行動する。
結局はこれが一番重要です。
いくら頭の中で、紙の上で、100%な計画を立てても、行動に移さなければ、目標にたどり着くことはありません。
行動して、行動しながら考えて、必要があれば軌道修正をして、を繰り返すことが重要です。
まとめると、
「飲食店ホールでの経験のみで、料理についても家で家事をやる程度の為、転職をして、飲食店でキッチンを学ぶべきか、働きながら料理教室や学校に通うべきか。」
目標、ゴールとする(仮に)「お弁当」の提供レベルが、働きながら料理教室や学校に通って達成できるようであれば、飲食店に転職する必要はなく、現在の仕事の収入は確保しつつお金を貯めて、働きながら料理教室や学校に通って勉強して、開業資金が貯まったら開業という形で良いと思いますし、
逆に、目標、ゴールとしている「お弁当」を提供するのに、働きながら料理教室や学校に通っていてもたぶんそのレベルにはいけない、と思うのであれば、飲食店のキッチンに転職するか、他の方法を模索するべきです。
目標とするお店やスタイルの内容や規模によって、開業費用も大きく変わってきます。
金銭面も重要な要因であると思いますので、まずは、自分の目指す目標、ゴールを考えるところからはじめるとよいかと思います。
目標、ゴールのイメージが難しい場合などは、自分がいいな、このお弁当屋さん好きなんだよな、このお弁当ケータリング屋さんのようになりたい、といったモデルケースから考えていくのもよい方法です。
【Q&A ②】お弁当のケータリング、小さなお弁当屋さんの場合、開業時の初期費用というのはどれくらいかかるのか。
物件の立地、揃える厨房機器、などたくさんの要素によって開業時の初期費用は変動しますので一概にどれくらいかかるというのは説明しづらいので、おおまかな目安というか、イメージ程度としてもらえたらと思います。
お弁当のケータリングの場合、
・客席なし
・厨房キッチン
・お客さんはお店に来ないので悪い立地でも問題ない(家賃が安くなる)
これらの条件で、地域や店舗の広さなどによっても変わりますが、自分1人(たまにお手伝い1〜2人)で対応する規模、スペースの場合、
・物件取得費:100万円(家賃10万円程度想定)
・厨房内装工事:100万円
・厨房機器:50万円(冷蔵庫、冷凍庫、ガス器具、等、最低限の内容)
・諸経費:50万円(webサイトなどの広告宣伝費やその他細かい経費)
・運転資金:100万円(数ヶ月は売上がなくてももちこたえれないと厳しい)
ーーー
合計400万円
といったところでしょうか。
物件の条件、キッチン設備にどこまでこだわるのか、などによって金額は変動してきますので、基本1人で運営する店舗であれば500万円前後を基本にするとわかりやすいかもしれません。
小さなお弁当屋さんの場合、
上記のお弁当ケータリングの条件に加えて、
・お客さんが来店しやすい1F、立地であること(家賃アップにつながる)
・接客カウンターのスペースが必要(その分広いスペースである必要あり)
といったことから、
・物件取得費:200万円(家賃20万円程度想定)
・内装工事:150万円
・厨房機器:50万円(冷蔵庫、冷凍庫、ガス器具、等、最低限の内容)
・諸経費:50万円(webサイトなどの広告宣伝費やその他細かい経費)
・運転資金:200万円(数ヶ月は売上がなくてももちこたえれないと厳しい)
ーーー
合計650万円
といったところでしょうか。
上記の例はあくまで例ですので、
家賃が高い物件での出店となれば初期費用はアップしますし、
例えば、以下の条件や方法などで初期費用を抑えることもできます。
・内装や厨房機器のこだわりがあまりない(内装工事、厨房機器にお金をかけない)
・自分や友達に内装工事がDIYでできる人がいる
・元お弁当屋の居抜き物件が見つかった
・出店したいエリアの家賃が安い
・家賃の初期費用(敷金、保証金など)が2、3ヶ月分の物件(飲食店の場合、家賃×10倍の保証金のケースが多いです)
など。
この開業費用がどれくらいかかるのかも、自分が目指したい目標やゴールのイメージを具体的に考えられると、より明確になってきます。
「なんとなく、東京で小さなお弁当ケータリングをやりたいな〜」
よりも、(東京といっても広くてエリアによって家賃は様々、など)
「東京の浅草で外国人観光客向けに、外国人受けする和モダンなお弁当を提供する小さなお弁当屋さんをやりたい」
と具体的であればあるほど、
・東京の浅草でこれくらいの広さの物件は家賃何万円で借りれそう
・このコンセプトであれば、高級感は必要ないから手作りのDIY内装で安く内装工事費抑えられそう
といった具合に、開業時の初期費用もより具体的な数字が把握できるので、計画もスムーズに進めることができます。
固定店舗を構えずに開業する方法もあります
あと他の方法としては、お弁当ケータリングであれば、固定店舗を借りずに、初期費用を抑えて開業する方法もあります。
お弁当の注文があるごとに、飲食店営業許可のあるレンタルスペース、飲食店の使っていない時間帯を借りて、お弁当を作ってケータリングする、といった方法です。
ケータリング以外でも、オフィス街などの道端でお弁当を売っているお店がよくありますが、あのような場所(屋外問わず、オフィス内や商業施設内なども)を毎日でなくても出店できる契約や約束をして、不定期で出店する方法も可能です。
固定店舗を持たないので、その分集客が大変だったり、スポットで借りるため、毎日のようにお弁当の注文があるようだと、製造場所のレンタル費用が割高になる可能性もありますが、
いきなり500万円以上の初期費用をかけて勝負するよりも、お試しでスタートして、常連さんや色々経験を積んだ後に、固定店舗を構える方法も悪くないと思います。
お試しの間に、自分が合うスタイルの確立や、出店エリア(自分のターゲットがいるエリア)の選定もできたりと、テストできるといった意味では有効です。
デメリットとしては、売上面で通常の固定店舗より厳しくなる可能性は高いかなと。
参考記事
今まで書いたブログ記事の中で、今回のご相談内容に参考になりそうな記事を紹介しますので、ぜひあわせてご確認ください。
・選択に迷うときなどに
人生のあらゆる選択で正しい選択をするために必要な5つのポイントを考える『あれか、これか――「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門』野口真人
人生は「選択」の連続。後悔しない、正しい「選択」をするために必要な4つのポイント。
・差別化の方法、ミニマムライフコストなど参考になるかと
『モバイルボヘミアン』は人生の選択肢を広げるために最適な良書でした(著者:本田直之&四角大輔)
・具体的にどんな仕事をしたいかわからなかったり、コンセプトが決まらないときに
これから個人で仕事をしていきたいと考えている人に伝えたい、コンセプトの作り方
迷っている、悩んでいる、やりたいことを見つけたいあなたに読んでほしい。『今、ここを真剣に生きていますか? やりたいことを見つけたいあなたへ』長谷部 葉子
・お弁当屋さんなら読んでおいて損はないかと
飲食店経営者はもちろん、飲食店で働く人もみんな読むべき『なんでお店が儲からないのかを僕が解決する』堀江貴文
・まだ読んでなければ参考に
監修したケータリング書籍『あらたしい食のシゴト』が2017年4月15日発売しました!
おわりに
以上、「【ブログ回答Q&A】転職をして、飲食店でキッチンを学ぶべきか、働きながら料理教室や学校に通うべきか悩んでいます。」でした!
それではまた!