Webサイトに料金の見積もりシミュレーション機能があったら、ユーザーはもっとサービスを魅力に感じてくれるはず。
そう思ったことはありませんか。
ユーザーが自分で条件を変えながら料金を確認できる見積もり機能は、顧客体験を向上させ、コンバージョン率アップにも繋がる強力な武器です。
しかし、その開発には複雑な計算ロジックや条件分岐が絡むため、従来は多くの開発工数とコストが必要でした。
この課題を解決するのが、AIがWebアプリを丸ごと開発してくれる「Lovable(ラバブル)」です。
この記事では、Lovableを使って本格的な見積もりシミュレーション機能を開発する方法を、具体的なAIへの指示(プロンプト)例を交えながら徹底解説します。
AIに「うまく指示を出すコツ」さえ掴めば、これまでエンジニアに依頼していたような複雑な機能も、驚くほどスピーディーに実装できます。
なぜLovableは見積もりシミュレーション機能と相性が良いのか?
数あるAI開発ツールの中でも、Lovableが見積もり機能のような「ロジックが重要なアプリケーション」の開発に適しているのには明確な理由があります。それは、単に見た目を作るだけでなく、アプリケーションの”頭脳”となる部分まで一貫して構築できる能力にあります。
フロントエンドからバックエンドまで一気通貫で生成
Lovableの最大の特徴は、ユーザーが操作するUI(フロントエンド)から、データを保存・処理するデータベース(バックエンド)までをAIが一気通貫で生成してくれる点です。見積もり機能では、「ユーザーが入力した値」と「データベース上の料金体系」を連携させる処理が不可欠ですが、Lovableはこの連携を前提として開発を進めてくれます。
例えば、「ユーザーが選択したプランに応じて、データベースから料金情報を取得して計算する」といった処理も、自然言語で指示するだけでOK。モダンな技術スタックであるReact(フロントエンド)とSupabaseベースのLovable Cloud(バックエンド)を自動で組み合わせ、最適なコードを生成してくれるため、開発者は面倒な接続設定に悩む必要がありません。
TypeScriptによる型安全なロジック生成
お金の計算が絡む見積もり機能では、些細なバグも許されません。Lovableは、コードの品質と信頼性を高めるTypeScriptを標準で採用しています。AIが生成するコードは型で守られているため、計算ミスや予期せぬエラーが発生しにくく、非常に堅牢です。これは、AIに開発を任せる上で大きな安心材料となります。まるで、優秀なエンジニアが丁寧にコーディングしてくれるような感覚で、メンテナンス性の高いアプリケーションを構築できるのです。
Agent Modeによる複雑なタスクの自動分解・実行
2026年1月時点のLovableでは、より高度な「Agent Mode」が標準となっています。これは、開発者が「見積もり機能を作って」のような少し曖昧な指示を出しても、AIエージェントが自律的にタスクを分解し、段階的に実装を進めてくれる機能です。
例えば、AIは以下のように思考し、実行します。
- 必要な入力項目(プラン選択、数量入力など)のフォームコンポーネントを作成しよう。
- 入力値を受け取って計算処理を行う関数を実装しよう。
- 計算結果をリアルタイムで表示するエリアを用意しよう。
- 全体のレイアウトを整えよう。
このように、一つの大きな目標を達成するために必要な小さなステップをAI自身が考え、実行してくれるため、開発者は都度細かく指示を出す必要がありません。このおかげで、複雑な機能開発もスムーズに進めることができるのです。
【実践】Lovableで見積もり機能を実装する3つのステップ
それでは、実際にLovableを使って見積もりシミュレーション機能を開発する手順を、具体的なプロンプト例と共に見ていきましょう。ここでは例として、Webサイト制作の見積もりシミュレーターを作成します。
Step 1: 要件定義と基本UIの生成(プロンプト例付き)
何よりもまず、どのような見積もり機能を作りたいのか、要件を明確にすることが重要です。AIへの指示は、人間に仕事を依頼する時と同じ。要件が具体的であるほど、AIは意図を正確に汲み取ってくれます。まずは紙やメモ帳に、必要な項目を書き出してみましょう。
- 基本ページ数: 5ページ、10ページ、15ページから選択(ラジオボタン)
- デザイン: テンプレート、オリジナルデザインから選択(ラジオボタン)
- 機能追加: お問い合わせフォーム、ブログ機能、会員機能(チェックボックス)
- 合計金額がリアルタイムで表示されること
要件が固まったら、最初のプロンプトをLovableに入力します。完璧でなくても構いません。まずは土台となるUIを生成させましょう。
【プロンプト例①:基本UIの生成】
Webサイト制作の見積もりシミュレーションページを作成してください。以下の項目を選択できるようにし、選択内容に応じて合計金額がリアルタイムで表示されるようにしてください。
- 基本ページ数:5ページ、10ページ、15ページから選べるラジオボタン
- デザイン:テンプレート、オリジナルデザインから選べるラジオボタン
- 追加機能:お問い合わせフォーム、ブログ機能、会員機能のチェックボックス
- 見出しは「簡単1分!Webサイト制作料金シミュレーション」としてください。
この指示だけで、Lovableは必要な入力フォームと結果表示エリアを備えた基本的なUIコンポーネントを生成してくれます。
Step 2: 複雑な計算ロジックをAIに指示する方法
UIの土台ができたら、次はいよいよ機能の心臓部である「計算ロジック」を実装させます。ここでのコツは、計算ルールを箇条書きで明確に、かつ網羅的に伝えることです。AIが迷わないよう、前提条件や例外処理まで丁寧に記述しましょう。
【プロンプト例②:計算ロジックの実装】
先ほど作成した見積もり機能に、以下の計算ロジックを実装してください。
# 基本料金
– 基本ページ数「5ページ」:100,000円
– 基本ページ数「10ページ」:180,000円
– 基本ページ数「15ページ」:250,000円
# デザイン料金
– デザイン「オリジナルデザイン」を選択した場合:+150,000円
# 追加機能料金
– 「お問い合わせフォーム」をチェックした場合:+20,000円
– 「ブログ機能」をチェックした場合:+50,000円
– 「会員機能」をチェックした場合:+120,000円
# 割引
– 合計金額が300,000円を超えた場合、合計金額から10%を割引してください。
これらのルールに基づいて、合計金額を計算し、表示を更新するようにしてください。
このように、まるでエンジニアに仕様書を渡すかのように指示することで、AIは条件分岐を含む複雑な計算ロジックを正確なTypeScriptコードとして実装してくれます。
Step 3: Visual Editsと手動修正でUIを調整
AIが生成した機能は、多くの場合、完璧ではありません。「ボタンの色を少し変えたい」「余白を調整したい」といったデザインの微調整は必ず発生します。そんな時、LovableのVisual Edits(ビジュアル編集)機能が非常に役立ちます。
プレビュー画面上で調整したい要素をクリックし、Figmaのような感覚で色やフォントサイズ、余白などを直感的に変更できます。プロンプトを再送信してクレジットを消費するまでもない細かな調整は、このモードで行うのが効率的です。もちろん、より抜本的な変更が必要な場合は、再度プロンプトで指示したり、コードモードに切り替えてエンジニアが直接Reactコンポーネントを編集したりと、状況に応じたハイブリッドな開発が可能です。
応用編:さらに高機能な見積もり機能へ拡張するアイデア
基本的な見積もり機能が完成したら、さらにビジネスに役立つ機能へと拡張していくことができます。Lovableなら、こうした応用的な機能追加も驚くほど簡単です。
Lovable CloudのDBと連携した料金マスタ管理
料金体系が将来変更になる可能性は高いですよね。そのたびにコードを修正するのは手間がかかります。そこで、料金情報をコード内に直接書き込む(ハードコーディングする)のではなく、Lovable Cloudのデータベースで管理する方法がおすすめです。
【プロンプト例③:DB連携】
`price_table` という名前でデータベーステーブルを作成してください。カラムは `item_id` (text), `item_name` (text), `price` (number) の3つです。
以下の初期データを登録してください。
- item_id: 'page_5', item_name: '5ページ', price: 100000
- item_id: 'page_10', item_name: '10ページ', price: 180000
- item_id: 'design_original', item_name: 'オリジナルデザイン', price: 150000
そして、現在の計算ロジックを、この `price_table` から料金を取得して計算するように変更してください。
こうすることで、管理画面などから料金を変更するだけで、見積もりシミュレーターに即時反映される、より本格的で運用しやすい仕組みを構築できます。
見積もり結果の保存とPDF出力機能
ユーザーが算出した見積もり結果を、後から見返せるように保存したり、PDFとしてダウンロードできる機能も付加価値が高いです。
【プロンプト例④:PDF出力機能】
`jspdf` と `html2canvas` ライブラリをプロジェクトに追加してください。
そして、見積もり結果の下に「この内容をPDFでダウンロード」というボタンを設置し、クリックすると現在表示されている見積もり項目と合計金額がPDFファイルとしてダウンロードされるようにしてください。
このような指示で、外部ライブラリの導入から機能実装までをAIに任せることができます。
メールでの見積もり結果送信機能
見積もり結果をユーザーのメールアドレスに送信する機能を追加すれば、見込み顧客のリスト(リード)獲得にも繋がります。これはLovable Cloudが内包するEdge Functionsというサーバーレス機能を使うことで実現可能です。
メール送信用のAPIをEdge Functionsで作成させ、フロントエンドからそのAPIを呼び出すように指示することで、バックエンドの専門知識がなくても、メール送信システムを組み込むことができます。
まとめ:複雑なロジックこそLovableで効率化しよう
この記事では、AI開発ツールLovableを使って、複雑な計算ロジックを持つ見積もりシミュレーション機能を開発する方法を解説しました。
重要なポイントは以下の通りです。
- 明確な要件定義: まずは実現したい機能のルールを日本語で整理する。
- 箇条書きでのロジック指示: 計算ルールや条件分岐は、AIが解釈しやすいように箇条書きで具体的に伝える。
- 対話的な改善: 最初の指示で完璧を目指さず、AIが生成したものをベースに対話を繰り返しながら修正していく。
Lovableを活用すれば、これまで時間とコストをかけてエンジニアに依頼するしかなかった高機能なWebアプリケーションも、アイデア次第で誰もがスピーディーに形にできる時代になりました。
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さっそくLovableで、あなたのアイデアを実現する第一歩を踏み出しましょう。
Lovableの料金プランやクレジットの仕組み、さらに詳しい使い方については、こちらの完全ガイド記事で徹底解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
