インボイス制度が導入されてから、日々の経理業務が少し複雑になったと感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、取引先への値引きや、納品した商品の返品が発生した際の対応は「あれ、どうすればいいんだっけ…」と迷いがちなポイントです。
このような「売上に係る対価の返還等」を行う際に必要となるのが、「返還インボイス(適格返還請求書)」です。
「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください。
会計ソフトのマネーフォワード クラウドを利用すれば、この返還インボイスの発行から受け取り後の処理まで、スムーズに行うことができます。
この記事では、マネーフォワードを使って返還インボイスを処理する具体的な手順を、発行側・受取側の両方の視点から分かりやすく解説していきます。
この記事を読めば、急な値引きや返品にも慌てず、正確に対応できるようになります。
そもそも返還インボイス(適格返還請求書)とは?
まずは、返還インボイスの基本的な役割と、なぜそれが必要なのかについておさらいしましょう。
インボイス制度における「対価の返還」のルール
インボイス制度の大きな目的の一つは、消費税の計算を正確に行うことです。事業者は、売上にかかった消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を差し引いた額を国に納めます。この差し引きを「仕入税額控除」と呼びます。
インボイス(適格請求書)は、この仕入税額控除を適用するために「いくら消費税を支払ったか」を証明する重要な書類です。
では、一度請求書を発行した後に、値引きや返品が発生した場合はどうなるでしょうか。この場合、当初の売上金額と、それに対応する消費税額が減少します。つまり、「売上にかかる対価の返還」が行われたことになります。
このとき、売り手側は、返還した消費税額を明確にするために、買い手側へ返還インボイスを交付する義務があります。買い手側は、この返還インボイスを受け取って保存することで、仕入税額控除の額を正しく修正することができます。
返還インボイスが必要になる主なケース
具体的には、以下のような場合に返還インボイスの交付が必要となります。
- 返品: 販売した商品が、品質の問題や顧客都合で返送された場合。
- 値引き: 納品後の商品に傷があったための部分的な値引きや、販売促進のための割引など。
- 割戻し(リベート): 一定期間に多くの取引をしてくれた得意先に対し、売上の一部を返金する場合。
- 契約の解除: サービス提供の契約が途中で解除され、前払い金の一部を返金する場合。
これらのケースでは、当初発行したインボイスに記載された金額と、実際の取引金額にズレが生じます。その差額と消費税額を正確に証明するために、返還インボイスが不可欠となるのです。
【発行側】マネーフォワードで返還インボイスを発行する手順
それでは、実際にマネーフォワード クラウド請求書を使って返還インボイスを発行する手順を見ていきましょう。非常に簡単なステップで作成できます。
ステップ1: 元となる請求書を選択
まずは、マネーフォワード クラウド請求書にログインし、画面上部のメニューから「請求書一覧」を選択します。そこから、今回値引きや返品の対象となった取引の、元となる請求書を探してクリックします。
ステップ2: 返還インボイスを作成
請求書の詳細画面が開いたら、画面右上にある「その他」ボタンをクリックし、表示されるメニューの中から「この請求書から変換」>「返還インボイス」を選択します。
これだけで、元の請求書情報を引き継いだ返還インボイスの作成画面が自動で表示されます。宛先や品目などが既に入力されているため、非常に効率的です。
ステップ3: 金額や内容を修正・入力
次に、返還する金額を入力します。返還インボイスでは、返金額をマイナスの数値で記載するのが一般的です。
例えば、10,000円(税抜)の商品から2,000円を値引きする場合、品目の単価欄に「-2000」と入力します。数量や単位も必要に応じて修正しましょう。
【独自の視点】
このとき、摘要欄に「〇月〇日納品分 品質不良による値引き」や「請求番号XXXXXに対する返品分」のように、なぜ金額がマイナスになっているのか理由を具体的に記載しておくと、相手方にとって非常に親切です。後の経理処理で見返したときにも、取引内容が分かりやすくなるため、一手間かけておくことを強くおすすめします。
入力が完了したら、内容をよく確認し、画面下部の「保存する」ボタンをクリックします。必要に応じて、請求書と同様にメール送付やPDF発行も可能です。
【受取側】返還インボイスを受け取った後の会計処理
反対に、自分が仕入れ先から返還インボイスを受け取った場合(仕入れた商品を返品したり、値引きを受けたりした場合)の処理についても見ていきましょう。こちらはマネーフォワード クラウド会計・確定申告での処理となります。
仕入値引の仕訳を登録する
返還インボイスを受け取った場合、当初計上した仕入額を減額する処理が必要です。これは「仕入値引」や「仕入戻し」といった勘定科目を使って行います。
具体的な仕訳例を見てみましょう。
例: 55,000円(税込)で仕入れた商品の一部に不備があり、5,500円(税込)の返金を受けた場合
この場合、借方に「買掛金 5,500円」、貸方に「仕入高 5,500円」(または「仕入値引 5,500円」)として計上します。マネーフォワード クラウド会計・確定申告では、「振替伝票」機能を使って以下のように入力します。
- 借方勘定科目: 買掛金 / 金額: 5,500円
- 貸方勘定科目: 仕入高 / 金額: 5,500円
- 摘要: 〇〇社より 仕入返品分(返還インボイスNo.XXXX)
摘要欄に取引内容や返還インボイスの番号を記載しておくことで、後から見返したときに取引の流れが追いやすくなります。
電子帳簿保存法への対応も忘れずに
2026年2月時点で、電子データとして受け取った返還インボイスは、電子帳簿保存法の要件に従って電子データのまま保存する必要があります。紙に印刷しての保存は認められていません。
この点、マネーフォワード クラウドBoxなどのサービスを利用していれば、受け取ったPDFデータをアップロードしておくだけで、電子帳簿保存法の要件を満たした形で簡単に保存・管理ができます。会計データと証憑データを紐づけて管理できるため、非常に便利です。
日々の確定申告業務を効率化するためにも、こうした機能を積極的に活用していくことが重要です。マネーフォワード クラウドの全体像や、あなたの事業に最適なプランの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 【完全ガイド】マネーフォワード クラウド確定申告とは?使い方・評判・料金まで個人事業主向けに徹底解説
まとめ
今回は、値引きや返品が発生した際の返還インボイス(適格返還請求書)について、マネーフォワード クラウドを使った発行・処理手順を解説しました。
重要なポイントをまとめます。
- 値引きや返品など「対価の返還」が発生した場合、売り手は返還インボイスの交付義務がある。
- マネーフォワード クラウド請求書なら、元の請求書から簡単に返還インボイスを作成できる。
- 返還インボイスを受け取った側は、「仕入値引」などで会計処理を行う。
- 受け取った返還インボイスのデータ保存は、電子帳簿保存法の要件を満たす必要がある。
一見複雑に思えるインボイス制度のルールも、マネーフォワードのような便利なツールを活用することで、日々の業務への影響を最小限に抑えることができます。
もしあなたがまだ会計ソフトを導入していなかったり、現在のソフトに使いづらさを感じていたりするなら、この機会にぜひマネーフォワード クラウドを検討してみてはいかがでしょうか。直感的な操作で、確定申告や日々の経理業務を劇的に効率化できます。
まずは1ヶ月間の無料トライアルで、その使いやすさを体験してみてください。
