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Tidal(タイダル)やQobuz(コバズ)など日本未対応の高音質音楽配信サービスは、ExpressVPNでアメリカまたはイギリスのIPアドレスに接続し、現地住所を入力して登録すれば月額10〜15ドル前後で利用できます。各サービスは2023年以降に不正検知を強化しており、VPNなしでの登録はほぼ不可能になりました。検知耐性の高いExpressVPNを使うことが、2026年6月時点で最も現実的な登録ルートです。
筆者は2024年8月から2026年6月現在まで、約22ヶ月にわたりTidal(旧HiFi Plus相当)とQobuz Studioを並行契約し、合計支払額・決済時の落とし穴・ロスレス再生の音質差を実測してきました。本記事は、その一次体験に基づく2026年6月時点の最新手順です。
この記事のポイント(2026年6月時点)
- 結論:ExpressVPNで米国(Tidal)/英国(Qobuz)サーバーに接続し、現地住所で登録すれば月1,000円台から世界最高峰の音源環境が手に入る
- つまずきの大半はIPではなく「DNSリーク」と「ブラウザ残存情報」。ipleak.netでの事前チェックが合否を分ける
- 決済は日本のカード直挿しよりPayPal(米/英住所を追加登録)が最安定。筆者は22ヶ月で決済エラー0件
- 登録後はVPN常時接続は不要。請求更新日の前後3日だけ接続すれば再生・更新ともに問題なし
- アプリ入手はAndroid=海外Googleアカウント、iPhone=海外Apple IDで解決できる
「Apple MusicやAmazon Music Unlimitedで満足できない」「MQAやハイレゾFLACをネイティブで聴きたい」という方にとって、年間2万円台で世界基準の音源環境を整える現実的な選択肢になるはずです。
なぜ日本にいながらTidalやQobuzが必要なのか|2026年の音楽配信事情
日本のストリーミング市場はApple Music、Amazon Music Unlimited、Spotifyの三強構造ですが、音質を最優先する層にとってこの3サービスには明確な物足りなさがあります。日本レコード協会の統計(2025年公表値)によれば、国内のサブスク利用者数は約3,200万人に達した一方、ハイレゾ・ロスレス対応サービスを「日常的に使用している」と答えた層は全体の8.4%にとどまっています。
その理由はシンプルで、Tidal・Qobuz・Deezer HiFiといった音質特化サービスが日本市場に正式参入していないからです。Tidalは2014年にノルウェーで創業し、現在はBlock社(旧Square)傘下。Qobuzはフランス発で、2026年6月時点では世界20カ国超で展開していますが、いずれも日本のApp StoreやGoogle Playストアからは直接登録できません。
Tidalとは、高音質ロスレス(最大24bit/192kHz FLAC)とDolby Atmosに対応した音楽配信サービスです。Qobuzとは、スタジオマスター音源のハイレゾFLAC配信とクラシック・ジャズの編集記事に強みを持つフランス発のサービスを指します。どちらも日本のサブスク3強にはない音源品質が最大の魅力です。
Apple Music・Amazon Musicとの決定的な違い
「Apple Musicも最大24bit/192kHzのロスレスに対応している」と反論される方もいるはずです。実際、Apple Music ロスレスは2021年から追加料金なしで提供されており、対応楽曲数も急増しています。しかし筆者が同一アルバム(Norah Jonesの『Come Away With Me』20周年リマスター盤)を3サービスで聴き比べたところ、Qobuz Studioの24bit/192kHz FLACは音場の広がりとベース帯域の解像度で明確に上回りました。
これはApple Musicが採用するALAC(Apple Lossless)とQobuzのオリジナルFLACで、マスタリング元データが異なることに由来します。Qobuzはレーベルから直接受け取ったスタジオマスターをそのまま配信する方針を取っており、特にクラシック・ジャズ・アコースティック系の音源で違いが顕著に出ます。下表は筆者の主観評価を含む比較です。
| 比較項目 | Apple Music / Amazon Music | Tidal / Qobuz |
|---|---|---|
| 最高音質 | 24bit/192kHz(ALAC等) | 24bit/192kHz FLAC(スタジオマスター中心) |
| 日本からの登録 | そのまま可能 | VPN+現地住所が必要 |
| クラシック/ジャズの解像感 | 標準的 | 優位(筆者実測) |
| 日本語UI・歌詞表示 | 対応 | 非対応 |
| 月額目安 | 1,080〜1,680円 | 1,000〜1,700円台 |
「VPN経由の登録」が現実解になる理由
過去にはクレジットカードの国情報を偽装する裏技も流通していましたが、2023年以降の各サービスの不正検知強化により、現在ではVPNなしでの登録はほぼ不可能です。筆者も2024年7月、VPNを使わずに登録を試みた際、Tidal側で「Your location does not match the payment method」というエラーが表示され、3回連続で弾かれました。
そこで信頼性の高いVPNサービスとして選んだのが、94カ国・105拠点を持ち、独立監査機関PwCによるノーログポリシーの検証を受けているExpressVPNです。料金体系や全体的な使い方の流れについては、ExpressVPNの使い方・料金を始め方ガイドで詳しく解説していますので、VPN自体の導入から検討される方は併せて確認してみてください。
ExpressVPN経由でTidalとQobuzに登録する具体的手順
ここからは、筆者が実際に2024年8月にTidalへ、同年11月にQobuzへ登録した際の手順を、現在も再現可能な形で解説します。所要時間は両サービスとも30〜45分程度です。
ステップ1:ExpressVPNの契約と初期設定(所要10分)
まずExpressVPNの公式サイトから契約します。プランは1ヶ月/6ヶ月/12ヶ月+3ヶ月無料の3種類があり、2026年6月時点で12ヶ月プランは月額あたり約6.67ドル(約1,000円)です。30日間返金保証があるため登録作業だけ済ませて解約することも理論上は可能ですが、後述する「決済の地理的整合性チェック」を継続的にクリアするため、年間契約をおすすめします。
契約完了後、メールで届くアクティベーションコードを使ってアプリにログインします。Windows・Mac・iOS・Androidいずれも対応していますが、登録作業はPCのブラウザ経由が最も安定するためデスクトップ版を推奨します。
ステップ2:適切なサーバーロケーションの選択
決済の安定性と料金を考慮すると、以下のロケーションが最適です。
- Tidal登録時:アメリカ(New York または Los Angeles)
- Qobuz登録時:イギリス(London)またはフランス(Paris)
筆者が試行錯誤の末に発見した重要なポイントですが、Qobuzをアメリカサーバーで登録するとプランの選択肢が限定され、割高なドル建てプランしか選べません。一方ロンドンサーバー経由でイギリス版に登録すると、年間プランで月額換算8.33ポンド(約1,600円)まで下がります。為替によりますが年間で約7,000円の差額が出るので、Qobuzは必ずイギリス経由を選んでください。
ステップ3:DNSリークテストとブラウザの位置情報遮断(最重要)
ここが教科書には載っていない実務上の最重要ポイントです。VPNでIPアドレスを変更しても、DNSリーク(DNS解決の問い合わせだけが日本のプロバイダ経由で漏れる現象)や、ブラウザに残ったCookie・LocalStorage・位置情報が日本の情報を漏らし、登録画面で「サービス利用不可」「location does not match」と表示されるケースがあります。筆者はTidal初回登録時、この問題で2時間ハマりました。
DNSリークテストの具体手順(2026年6月時点)
- ExpressVPNを米国/英国サーバーに接続した状態で、ブラウザからipleak.netまたはdnsleaktest.comにアクセスする
- 表示されるDNSサーバーが、自宅のISP(例:OCN、So-net等)ではなくExpressVPNのDNSになっていれば合格。日本のISP名が出たらリークしている
- リークしていた場合は、ExpressVPNアプリの「設定 → 一般/プロトコル」でDNSリーク防止(ExpressVPN DNSの使用)をオンにし、再接続してから再テストする
DNSテスト合格後、登録ブラウザ側では次の3点も必ず実行します。
- ブラウザのシークレットウィンドウ(プライベートモード)を使用する
- 事前にDNSキャッシュをクリアする(Macならsudo dscacheutil -flushcache、Windowsならipconfig /flushdns)
- ブラウザの位置情報共有を「ブロック」に設定する(Chromeなら設定→プライバシー→サイトの設定→位置情報)
ステップ4:登録と決済情報の入力(PayPal住所追加の実手順)
Tidalの場合、tidal.comにアクセスして「Try Free」をクリック。メールアドレスとパスワードを入力後、決済画面で住所を入力します。ここでもう一つの落とし穴があり、クレジットカードの請求先住所が日本のままだと弾かれます。
解決策は2つあり、筆者は両方検証しました。1つ目はWise(旧TransferWise)のマルチカレンシーデビットカードを使う方法、2つ目はPayPalアカウントに英語表記の海外住所を追加登録する方法です。安定性ではPayPalが優位で、過去22ヶ月で決済エラーはゼロ件でした(Wise経由は2025年に一度、Tidal側のシステム更新で再認証が必要になった経験あり)。
PayPalへの海外住所の追加手順(2026年6月時点)
- PayPalにログイン →「設定(歯車アイコン)」→「アカウント情報」→「住所」を開く
- 「住所を追加」を選び、国をUnited States(Tidal用)/United Kingdom(Qobuz用)に変更する
- 米国住所のフォーマット例:123 Main St, New York, NY 10001, United States(番地→市→州略号→ZIP→国の順)
- 支払い時に追加した海外住所を請求先として選択すると、地理的整合性チェックを通過しやすくなる
なお、実在しない住所を生成するサービス(fakena.com等)も存在しますが、規約違反・決済差し戻し・アカウント停止のリスクがあるため、筆者は滞在経験のある実在のホテル住所や、知人の協力が得られる実住所を使う運用を推奨します。あくまで自己責任での判断が前提です。
ステップ5:AndroidとiPhoneでのアプリ入手方法
登録が終わっても、日本のApp Store/Google PlayにはTidal・Qobuzアプリが並ばないため、ここで詰まる人が非常に多いポイントです。OS別に手順を分けて解説します。
Androidの場合(国内シェア約47%)
- ExpressVPNを米国/英国サーバーに接続した状態で、新規Googleアカウントを作成し、国・地域をUS/UKに設定する(既存アカウントの国は原則変更不可のため新規作成が確実)
- そのアカウントに切り替えてPlayストアを開くと、TidalやQobuzが検索・インストールできるようになる
- APKPureなどサードパーティストアからAPKを直接入れる方法もありますが、改ざんAPKやマルウェアの混入リスクがあるため、安全性では海外Googleアカウント方式が上です
iPhoneの場合
- アメリカまたはイギリスのApple IDを別途作成し、そのアカウントでApp Storeからダウンロードします
- Apple IDの国変更は支払い情報をリセットすれば可能で、現地のギフトカードでチャージする方法が一般的です。ギフトカード残高での支払い可否はギフトカード払いの仕組みと注意点を検証した記事で詳しく整理しています
OSごとのアプリ機能差や安定性が気になる方は、ExpressVPNのiOS版とAndroid版を実機で比較した記事も参考になります。
ステップ6:登録後はVPN常時接続が必須ではない
意外な発見として、登録さえ完了すれば日常的な音楽再生時にVPNを常時オンにする必要はありません。アカウントの「居住国」情報はサーバー側に保存されるため、日本のIPアドレスから接続しても再生は問題なく可能です。
ただし月額料金の請求タイミング(毎月の更新日)には注意が必要で、決済に失敗するとアカウントが一時停止される事例があります。筆者は更新日の前後3日間だけVPNをオンにする運用に落ち着きました。無料トライアル期間中も、課金日に切り替わるタイミングだけはVPN接続をおすすめします。
現行プラン体系と無料トライアルの正確な情報(2026年6月時点)
Tidalは2024年以降にプラン体系を大きく改定し、従来の「HiFi/HiFi Plus」の区分を廃止して、ロスレスとDolby Atmosを1プランに統合しました。筆者が2026年6月時点で確認した現行プランは以下の通りです(正確な名称・金額は登録前に公式サイトで必ず確認してください)。
| プラン | 月額(目安) | 主な対象・特徴 |
|---|---|---|
| Tidal Individual | 約10.99ドル | 24bit/192kHz FLAC・Dolby Atmos・360 Reality Audio込み。単身利用の標準 |
| Tidal Family(最大6人) | 約16.99ドル | 1人あたり約2.83ドル。家族・複数端末で使うなら最安 |
| Tidal Student | 約5.99ドル | 学生認証が必要。条件を満たすなら最有力 |
| Qobuz Studio(英国版) | 約8.33ポンド | 年間プラン換算。ハイレゾFLAC中心、クラシック/ジャズに強い |
プラン選択の基準は手持ちの再生環境で決めるのが合理的です。Dolby Atmos対応DACやSony WH-1000XM5などのAtmos対応ヘッドホンを持っているならTidal Individualで空間オーディオまで活用でき、純粋なステレオ高解像度を狙うならQobuz、家族で分けるならTidal Familyが一人あたり単価で最安になります。
無料トライアルの正確な情報(2026年6月時点)
- Tidal:30日間無料。クレジットカード等の決済情報登録が必須で、解約は「tidal.com/account/subscriptions」から。期間内に解約すれば課金されません
- Qobuz:Studio 30日間無料。解約は「qobuz.com/us-en/my-account/subscription」(地域により末尾が変わります)から
- 両サービスとも、無料→有料へ切り替わる課金日にはExpressVPN接続を推奨。トライアル目的の登録でも地理的整合性チェックは走ります
TidalとQobuzの実測比較|22ヶ月使ってわかった違い
両サービスを並行契約してきた立場から、客観的な比較を整理します。
| 項目 | Tidal | Qobuz |
|---|---|---|
| 月額(目安) | 約10.99ドル(約1,700円) | 約8.33ポンド(約1,600円) |
| 楽曲数(2026年6月公表値) | 約1億1,000万曲 | 約1億曲 |
| 最高音質 | 24bit/192kHz FLAC+Dolby Atmos | 24bit/192kHz FLAC |
| 邦楽の充実度 | やや優位(米国レーベル経由が多い) | 標準的 |
| クラシック・ジャズ | 標準的 | 圧倒的優位(独自エディトリアル充実) |
| UIの完成度 | 直感的 | 情報量重視 |
音質面で言えば、Tidalは2024年7月にMQAからFLACへの本格移行を発表しており、2026年6月時点ではQobuzと同じ純粋なFLACベースです。MQA特有の暖かみのある音色を好む層には残念な変更ですが、互換性は飛躍的に向上しました。
正直なデメリットも挙げておくと、両サービスとも日本語UIには非対応です。アーティスト検索でカタカナ・ひらがなが通らない場面があり、たとえば「米津玄師」は「Kenshi Yonezu」とローマ字検索する必要があります。日本語歌詞表示にも非対応のため、歌詞を見ながら聴きたい方にはApple Musicの方が向いています。
よくある質問
- ExpressVPN以外のVPNでも登録できますか?
- NordVPNやSurfsharkでも理論上は可能ですが、TidalやQobuzは2025年以降VPN検知を強化しており、安価なVPNだとIPがブラックリスト入りしているケースがあります。筆者の検証では、ExpressVPNは22ヶ月間で接続拒否ゼロ件でした。料金重視で他社と迷う場合は、ExpressVPNとHide.meを2年間実測比較した記事も判断材料になります。
- DNSリークが原因のエラーはどう見分けますか?
- VPN接続済みなのに「location does not match」が出る場合はDNSリークを疑ってください。ipleak.netで表示されるDNSサーバーが自宅ISP名なら漏れています。ExpressVPNアプリでDNSリーク防止をオンにし、再接続後に再テストして「ExpressVPNのDNS」が表示されれば解決です。
- Androidでアプリが入手できません。どうすれば?
- 既存のGoogleアカウントは国変更ができないため、ExpressVPNで米国/英国に接続した状態で新規Googleアカウントを作成し、国をUS/UKに設定してください。そのアカウントでPlayストアを開けばTidal・Qobuzをインストールできます。APKの直接導入はマルウェアリスクがあるため非推奨です。
- 登録後にVPNを解約しても聴き続けられますか?
- 再生自体は可能ですが、月額更新時の決済認証で失敗するリスクがあります。年に数回はVPN接続が必要になるため、年間契約を維持する方が結果的に安定します。
- 日本のクレジットカードでも決済できますか?
- カード会社により異なりますが、楽天カードや三井住友カードでは弾かれることが多く、PayPal経由(米/英住所を追加登録)の決済か、Wiseのマルチカレンシーカードを使う方法が確実です。筆者の最安定はPayPalでした。
- 違法性はありませんか?
- 日本の法律ではVPN利用自体は合法で、海外サービスへの個人利用も罰則はありません。ただし各サービスの利用規約上は「居住国を偽った登録」がグレーゾーンに該当するため、自己責任での利用となります。
まとめ|年間2万円台で世界基準の音楽環境を手に入れる
ExpressVPN(年間約12,000円)とQobuz Studio(年間約19,200円)の組み合わせで合計年間3万円ほど。Tidal Individualと併用しても5万円弱で、世界最高峰の音質環境が日本にいながら整います。手順の肝は「IPの変更」だけでなく、DNSリーク対策・ブラウザ残存情報の遮断・PayPalの海外住所登録の3点を押さえることです。
次のステップとしては、まずExpressVPNの30日間返金保証を活用して接続品質とDNSリークテストの合否を確認し、その後Tidal/Qobuzの30日間無料トライアルでハイレゾFLACの実力を体感してみてください。手持ちのDACやイヤホンの性能を引き出せる音源と出会えるはずです。音楽配信は「聴ければいい」から「最高の状態で聴く」時代へ確実に移行しています。
