本シリーズ、前回までの2つの記事で、
ケータリングは儲かるのか?という質問にケータリング屋が答えてみます。パート1(1/3)
ケータリングは儲かるのか?という質問にケータリング屋が答えてみます。パート2(2/3)
ケータリングを事業として展開する上でのメリットとして、
<ケータリングを事業として展開する上での2つのメリット>
①店舗規模以上の売上が可能
②事前予約で内容が決まっているためロスが少ない
の2つを紹介しました。
このメリットを聞いたら、
すべての飲食店がケータリングやったらすぐに売上アップするじゃん!
と多くの方が思うかもしれませんが、実際には、
ケータリングを事業として展開しているお店は、
店舗営業をしている飲食店の数に比べたら、微々たる少数です。
それはなぜか?
すべての飲食店がケータリングをやらない理由、やれない理由
すべての飲食店がケータリングをやらない理由、やれない理由。
その理由として、私が考える主な理由は2つ。
<すべての飲食店がケータリングをやらない、やれない、主な2つの理由>
①ケータリングをするにはノウハウが必要
②店舗規模以上の売上ではないケータリングは大変なだけ
1つめから解説していきましょう。
①ケータリングをするにはノウハウが必要
以下2つの状況があったとします、
・自分の店舗で50名分の料理と飲み物を提供する
・ケータリング先の会場で50名分の料理と飲み物を提供する
50名分の料理と飲み物を提供することは同じ内容ですが、
店舗営業とケータリングの大きな違いとしては、
・ケータリング先へ料理や飲み物、食器などすべて移動、運搬しなければいけない
自分のお店であれば、何も気にするところではないですが、ケータリングでは、すべての荷物をケータリング先の会場へ運ばないといけません。
単純に相当の荷物を運搬するのは重労働ですし、料理を運搬するということは冷蔵状態で運ぶ必要があったりと気を使う点も多々あります。
・ケータリング先の環境は会場によって様々
慣れない会場で料理や飲み物を提供する、準備をする、のは想像以上に臨機応変さを求められますし、大変です。臨機応変さを求められるということは、状況に応じて判断して実行できるスキルがないと十分なケータリングサービスを提供できないので、相応のスキルをもっていないとケータリングはできないということです。(言われたことだけやるアルバイトだけにケータリングを任せるのは厳しいかと。)
以上、
さらっと紹介しただけでも、
ケータリングをするということは相応の手間が必要になる、
通常の店舗営業とは違ったケータリングを実行するノウハウが必要になる、
ということです。
②店舗規模以上の売上ではないケータリングは大変なだけ
2つめとして、
これは例えば、
最大100席あるレストランが、
外部の会場で開催される100名のパーティーへケータリングするとします。
さきほど1つめのケータリングの手間を考えたときに、
100名分の飲食の売上は変わらないのに、ケータリングは大変さが追加されるだけ。
(ケータリングの手間賃を上乗せするのはありですが、上乗せする金額がお客様が納得する金額でないと、依頼自体が成立しません。)
それなら、
頑張って100名のケータリングをするのではなく、
自分のお店の最大100席を常に満席にするように頑張った方が全然楽ということです。
もちろん、
最大100席のレストランが、500名、1000名のケータリングを受注してくるのは、ケータリングのメリットを発揮しているのでまったく問題ないですが、
最大100席のレストランが、30名、50名、80名などのケータリングを受注してくるのは業務が複雑になって大変さが増すだけです。(レストランの空き時間/スタッフを有効活用する、満席でもケータリング対応する余裕がある、とかであれば話は別ですが。)
【まとめ】ケータリングは儲かるのか?
ここまで、
<ケータリングを事業として展開する上での2つのメリット>
①店舗規模以上の売上が可能
②事前予約で内容が決まっているためロスが少ない
<すべての飲食店がケータリングをやらない、やれない、主な2つの理由>
①ケータリングをするにはノウハウが必要
②店舗規模以上の売上ではないケータリングは大変なだけ
を説明してきました。
まとめとして、
以下の条件が整っていれば、十分儲かることは可能かと思います。
<成功するケータリング事業の条件>
①ケータリングのノウハウがあること
②店舗規模以上の売上があるケータリングのニーズがあること
③ケータリング業界の競争に負けないクオリティと気持ち
①の条件は、
・独自に経験を積んでいくか(1件1件試行錯誤しながらノウハウを貯めていく)
・経験者の協力を得るか(スタッフとして雇用する、私のようなプロにコンサルしてもらう、とか)
などの方法で、ケータリングのノウハウを得ること。
②の条件は、
5席のお店であれば30名のケータリングでもニーズがあれば店舗営業よりも売上はあげやすいですし、
50席のお店であれば100名以上のケータリングのニーズがあるのか、とか、
店舗規模と、近隣のケータリングニーズの有無、などによって。
③の条件は、
どの業界でも同じですが、事業のスタートがゴールではありません。
むしろ、スタートよりも継続の方が大変だったりします。
①と②の条件をクリアして、いざケータリング事業をスタートしたとしても、お客様から選ばれるためには、すでに多くの経験やノウハウをもつケータリング専門業者、ホテル、ケータリングのお店、よりも勝る何かを提供できるケータリングでないと、注文はこなくて売上なんてあがりません。
これは、店舗営業の片手間にケータリングもやろうという考えにも同じく当てはまります。
よほど差別化されたケータリングのクオリティ(知名度でも料理の味でも何でもOKですが)がなければ、店舗営業の片手間にケータリングをしていても、何倍もの時間を使ってクオリティを上げている競合と比べたら、お客様から選ばれることは難しいでしょう。
ケータリングの参入障壁はちょい高めかと(だからやりようによっては儲かる可能性あり)
そんなこんなで、これまでケータリングのメリット、大変なところ、ケータリングが儲かるための条件、について考えてきました。
ケータリングは、
独自のノウハウが必要な分、一般的な飲食店を開業するよりも、参入障壁がちょい高めかと思います。
でもそのおかげで、軌道に乗るまでは大変ですが、(ケータリングに限らず、事業で軌道にのるまでって何でも大変ですけどね・・)
参入障壁がちょい高めな分、飲食店に比べればライバルも競合も少なめなので、やる気とセンスがあれば、十分儲けることは可能だと思います。
あと、忘れちゃダメなのは、
ケータリング事業に限らず、どんな事業でも共通しますが、
どんな素晴らしいサービスでも、そのサービスが使いたい人がいなければ意味がないですし、使いたい人に知られなければ売上は0です。
だから、事業のスタートがゴールではないと同じですが、
サービスを提供開始すればOK!
ということはまったくなくて、
いかに、そのサービスを知ってもらうか、利用してもらうか、注文してもらうか、
という宣伝、PR、も非常に重要です。
もちろん、ズバ抜けたクオリティ、どこにも真似できないサービス、であれば、勝手に広まるかと思いますが、
ほとんどのサービスが、多くの努力と工夫をして、宣伝とPRをする必要があります。
最近、ケータリングの実績が多くなってきたこと、ノウハウも貯まってきたこと、などもあり、
企業、飲食店、などから、ケータリング事業導入のコンサルティングのお仕事を頂くようになってきました。
全国各地でケータリングに関してお困りのことがあれば、相談にのれますので、何かあればお問い合わせください。(お仕事の相談などは、お問い合わせページからお願いいたします。)
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今回のシリーズの前回の記事は、
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