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顧問税理士が節税してくれない経営者へ|料金交渉と見直し3選

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「顧問料を払っているのに、税理士が節税を提案してくれない」「毎月来ないし、正直なところ何もしてくれないと感じる」——そう悩む経営者・個人事業主は少なくありません。

結論から言えば、税理士が節税してくれない原因は税理士側だけにあるとは限らず、相談のタイミングや経営情報の共有不足など、発注側に起因するケースも多いのが実情です。そして、顧問料は「聖域」ではなく、業務範囲や訪問頻度を見直せば適正価格に修正できる経費でもあります。

この記事では、税理士が節税を提案しない5つの理由から、毎月来ない・月次訪問がない場合のリスク、顧問料の値引き交渉で使える具体フレーズ、セカンドオピニオンの取り方、税理士変更の実務までを、の情報をもとに実務目線で解説します。

この記事のポイント

  • 税理士が節税してくれない理由は5つ。うち③経営情報の共有不足・②相談タイミングの遅さは発注側でも改善できる
  • 月次訪問で税理士が本来出すべき成果物(翌月15日前後の試算表・年2回以上の節税提案など)を満たさなければ、交渉・解約の根拠になり得る
  • 顧問料の値引きは「業務範囲の見直し」という切り口なら失礼にあたらない。断られたらセカンドオピニオン→変更の順で対処
  • 小規模企業共済・経営セーフティ共済などは、課税所得500万円で年25万円前後の節税効果が見込める(編集部試算)
  • 税理士紹介サービスを使えば、自社の適正価格と「節税に強い税理士」を無料で確認できる

税理士が節税してくれない・何もしてくれない5つの理由

税理士が節税を積極的に提案しない理由は、大きく5つあります。①顧問料が低く提案工数を確保できない、②相談のタイミングが遅い、③経営情報が共有されていない、④追徴課税リスクへの保守的な姿勢、⑤節税とグレーゾーンの線引きへの慎重さ——です。原因を切り分ければ、「現税理士に動いてもらう」のか「変更すべき」のかを冷静に判断できます。

理由1:顧問料が低く、提案に割ける工数がない

節税提案は、決算シミュレーションや役員報酬の試算など、相応の作業時間を要する業務です。月額1万円前後の格安顧問契約では、税理士側に提案の工数を確保する余力がなく、「申告を正確に通す」ことが業務の中心になります。対処法:「申告だけ」の契約なら、節税提案は別料金のオプションとして依頼するか、節税込みの顧問契約に切り替えて費用対効果を比較しましょう。

理由2:相談のタイミングが遅い(決算直前では打てる手が激減する)

節税策の多くは、決算日をまたぐ前に実行しなければ効果がありません。小規模企業共済の前納や経営セーフティ共済の年払い、設備投資の前倒しなどは、決算3ヶ月前までに動かなければ間に合わないものが大半です。決算後に「節税したい」と相談しても、税理士が打てる手はほとんど残っていません。対処法:「決算事前検討会」を決算3ヶ月前に設定してもらうことを、顧問契約の条件に加えてください。

理由3:経営情報が税理士に共有されていない

設備投資の予定、役員報酬の見直し、採用計画、大口受注の見込み——これらを税理士が知らなければ、節税提案は物理的に不可能です。記帳データだけを渡し、経営の意思決定を共有していない場合、税理士は「過去の数字を整える」ことしかできません。対処法:四半期に一度、向こう半年の資金・投資・採用の計画をオンラインで共有する場を設けるだけで、提案の質は大きく変わります。

理由4:追徴課税リスクを避ける保守的な姿勢

税理士は税務署に申告書を提出する専門家として、否認・追徴のリスクを負っています。攻めた節税で後に追徴課税を受ければ、顧問先からの信頼も自身の評価も損なわれるため、保守的な判断に傾きがちです。これは「怠慢」ではなく職業的なリスク管理の側面もあります。対処法:「リスクを説明したうえで、判断は当社が行う」と伝えると、提案の選択肢を出してもらいやすくなります。

理由5:節税とグレーゾーンの線引きに慎重

「経費にできるかどうか微妙な支出」を安易に勧めると、税務調査での否認リスクが生じます。良心的な税理士ほど、根拠の曖昧な節税には慎重です。提案がないことが、必ずしも能力不足を意味するとは限りません。対処法:「合法の範囲でどこまで主張できるか、根拠とセットで教えてほしい」と依頼すれば、線引きの判断材料が得られます。

このように、税理士が動かない原因は税理士側だけでなく、発注側の情報共有やタイミングにあるケースも多いのが実態です。まずは原因を切り分け、改善できる部分は自社で手を打ったうえで、それでも変わらなければ次の手(交渉・変更)に進むのが合理的な順序です。

月次訪問で税理士が本来提供すべき成果物・業務一覧

月次訪問契約で税理士が最低限提供すべき成果物は、主に5つあります。①翌月15日前後までの月次試算表、②経営数値の説明、③年2回以上の節税・資金繰り提案、④インボイス・電子帳簿保存法の処理チェック、⑤税務調査を見据えた証憑点検——です。これらが提供されているかが、「うちの税理士は普通以下なのか、業界標準なのか」を判断する基準になります。

本来提供すべき成果物・業務提供の目安
月次試算表(損益計算書・残高試算表)の提出翌月15日前後まで
経営数値の口頭・書面での説明(前年比・予実差)毎月または訪問の都度
節税・資金繰りのアクション提案年2回以上(決算前は必須)
インボイス・電子帳簿保存法の処理チェック毎月
税務調査を見据えた仕訳・証憑の点検四半期ごと

顧問契約書に「月次訪問」「月次関与」と明記されているにもかかわらず、これらの成果物が長期間提供されていない場合、それは単なる不満ではなく契約上の業務不履行(債務不履行)として、減額交渉や解約の正当な根拠になり得ます。まずは契約書の業務範囲と、実際に受けているサービスを突き合わせてみてください。

税理士が毎月来ない場合の経営リスクとは?

税理士が毎月来ない・月次訪問がない状態は、即座に問題になるわけではありませんが、放置すれば経営に深刻なリスクを生みます。主なリスクは3つで、①月次決算の遅れによる資金繰り悪化、②税務調査時の対応力低下、③経理ミスの蓄積です。ただし、クラウド会計で自計化できている企業なら、四半期チェックで十分なケースもあります。

リスク1:月次決算の遅れによるキャッシュフロー悪化

月次決算(げつじけっさん)とは、毎月の収支を締めて損益を確認する作業です。税理士が毎月関与しないと、この月次決算が3ヶ月分・半年分とまとめて処理され、「利益が出ていると思ったら赤字だった」「納税資金が不足した」という事態に陥りやすくなります。特に季節変動の大きい業種では、月次の数字をリアルタイムで把握できないことが致命的な判断ミスにつながります。

リスク2:税務調査時の対応力低下

税理士が定期的に帳簿をチェックしていれば、仕訳の誤りや経費計上の問題を早期に修正できます。しかし年に1〜2回しか確認しない場合、誤りが積み重なった状態で税務調査を受けることになります。実際に、税理士の関与が年2回だったために役員貸付金の未処理が3年間放置され、税務調査で給与認定を受けて追徴課税として約150万円を支払うことになった中小企業の事例もあります。

リスク3:経理ミスの蓄積と修正コストの増大

日々の記帳や経費処理のミスは、時間が経つほど修正が困難になります。インボイス制度(適格請求書等保存方式)が定着した2026年では、消費税の区分経理の誤りが多額の損失につながりかねません。毎月チェックしていれば1件ずつ直せるミスも、半年分・1年分まとまると修正作業だけで追加費用が発生し、かえって高くつきます。なお、経理担当者が突然退職した場合のリスクは「経理担当者が突然退職した!パニックを防ぐ税理士の緊急スポット活用法」で詳しく解説しています。

節税と脱税の違い・グレーゾーン支出の考え方

節税とは、税法で認められた範囲で税負担を軽くすることであり、事実を偽る「脱税」とは明確に異なります。「どこまで経費にできるか」の線引きは、税理士に確認すべき最重要ポイントです。代表的なグレーゾーン支出について、判断の考え方をQ&A形式で整理します(最終判断は必ず顧問税理士に確認してください)。

Q. 接待交際費はどこまで経費にできますか?
A. 事業に関連する飲食・接待であれば経費にできます。中小法人は年800万円までの定額控除限度額か、接待飲食費の50%のいずれかを選択できます(国税庁の交際費等の損金不算入制度)。私的な飲食との線引きが論点になるため、税理士に確認すべきは「相手先・目的を記録した証憑があるか」です。
Q. 自宅兼事務所の社宅家賃や水道光熱費は経費にできますか?
A. 事業に使用している割合(床面積比・使用時間比など)で按分すれば経費にできます。役員社宅は「賃貸料相当額」を計算し、その範囲で会社負担にすることで適正化できます。税理士に確認すべきは「按分の根拠を合理的に説明できるか」です。
Q. 役員貸付金は問題になりますか?
A. 会社から役員への貸付は、認定利息の計上漏れや返済の実態がない場合に、税務調査で給与認定を受けるリスクがあります。長期間放置すると追徴の対象になりやすい項目です。税理士に確認すべきは「金銭消費貸借契約書と返済計画があるか」です。
Q. 自家用車を社用にした場合の経費按分は?
A. 事業使用割合に応じて、減価償却費・ガソリン代・保険料などを按分計上できます。プライベート利用分は経費にできません。税理士に確認すべきは「走行記録など使用割合の裏付けがあるか」です。

このように、合法的な節税の範囲は「根拠(証憑・記録)をどこまで残せるか」で決まります。根拠とセットで線引きを示してくれる税理士こそが、節税に強い税理士です。

毎月訪問が必要な企業・不要な企業の判断基準

税理士の毎月訪問が必要かどうかは、事業規模・取引の複雑さ・経理体制で決まります。創業3年以内・月商1,000万円超・経理専任者なしなら毎月訪問が望ましく、安定期・自計化済み・取引がシンプルなら四半期や年2回でも問題ないケースがほとんどです。重要なのは、訪問頻度を下げても節税提案の質は落とさない設計にすることです。

項目毎月訪問が必要毎月訪問が不要節税提案の質との関係
事業年数創業3年以内創業5年以上で安定期創業期は提案頻度を高く保つ価値が大きい
月商規模月商1,000万円超月商500万円未満規模が大きいほど提案1件の節税額が大きい
従業員数10名以上5名未満人件費・社保の最適化余地に比例
経理体制経理専任者がいない自計化ができている自計化済みなら訪問なしでも提案は受けられる
会計ソフト未導入・手作業中心クラウド会計導入済みデータ共有が即時なら頻度を下げても提案精度は維持
取引の複雑さ現金取引が多い・多店舗取引先が少なくシンプル複雑なほど対面の点検価値が高い
節税ニーズ積極的な節税が必要基本的な控除で十分ニーズが高いほど頻度より「提案力」を重視

注目すべきは、訪問頻度を下げること=節税機会の損失ではないという点です。クラウド会計でデータを常時共有し、決算3ヶ月前の事前検討会と四半期のオンライン面談を組み合わせれば、月次訪問がなくても節税提案は十分に受けられます。オンライン面談で実力を見抜くコツは「税理士とのオンライン面談を成功させるコツ」で詳しく解説しています。

訪問頻度別の顧問料相場(2026年6月時点)

訪問頻度月額顧問料の目安年間コスト目安
毎月訪問月3万〜5万円36万〜60万円
四半期訪問(3ヶ月に1回)月1.5万〜3万円18万〜36万円
年1〜2回訪問月1万〜2万円12万〜24万円
訪問なし(オンラインのみ)月0.5万〜1.5万円6万〜18万円

※記帳代行なし(自計化済み)の場合の目安です。記帳代行を含む場合は月額1〜3万円程度が上乗せされます(税理士ドットコム公開データおよび編集部調べ)。売上規模ごとの最適な税理士は「売上規模や年商の壁ごとに変わる最適な税理士の選び方と乗り換え時期」もご覧ください。

顧問料が高い・毎月来ないと感じたら、まず確認する3点

顧問料が高いと感じても、最もやってはいけないのは「無断で滞納する」ことと「いきなり契約解除して無申告状態になる」ことです。信頼関係が崩れるだけでなく、税務署からの信頼も失い、追徴課税のリスクが高まります。次の3点を冷静に確認してから、具体策に進みましょう。

  1. 契約書の内容:月額顧問料に含まれる業務範囲と訪問頻度が明記されているか
  2. 実際のサービス内容:契約で定められた業務(月次試算表・節税提案など)が提供されているか
  3. 事業規模の変化:創業時や売上が良かった時期と比べ、事業規模が変わっていないか

方法1:依頼する業務範囲を見直してコストを下げる(自計化)

顧問料の値引きを実現する最も確実な方法は、税理士に依頼する業務範囲を見直すこと(自計化)です。自計化とは、日々の記帳・仕訳入力を税理士に任せず自社で行うことを指します。記帳代行ありの月額3万〜5万円から、自計化の月額1万〜2万円へ移行できれば、年間10万円以上のコストカットも珍しくありません。

クラウド会計ソフトを活用して「自計化」する

顧問料が高くなる最大の要因は「記帳代行(丸投げ)」です。領収書や通帳のコピーを渡して入力をすべて任せると、その作業料が顧問料に上乗せされます。2026年6月時点で、AIを活用したクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウド、弥生会計オンラインなど)は精度が大きく向上し、銀行口座やクレジットカードを連携すれば多くの仕訳が自動化されます。簿記の知識がなくても家計簿感覚で扱えるため、入力を自社で行い、その分の値下げ交渉が可能になります。

  • 記帳代行あり:月額3万円〜5万円
  • 自計化(入力は自社):月額1万円〜2万円

訪問頻度や面談回数を減らす

毎月の面談が「世間話」で終わっているなら、それは過剰なサービスかもしれません。毎月訪問を3ヶ月に1回や年1回に変更し、対面面談をZoomやChatworkのオンライン対応に切り替えるだけで、月額顧問料が数千円〜1万円程度下がる可能性があります。2026年現在、オンライン面談は標準的になっており、対面を必須としない税理士の方が安価で柔軟に対応してくれる傾向があります。

方法2:現在の税理士に正直に相談・交渉する

顧問料の値引き交渉は失礼ではありません。「業務範囲の見直し」という切り口で提案すれば、税理士側にとっても合理的な話し合いになります。顧問先の倒産や解約よりは、一時的に報酬を下げてでも契約を継続したいと考えるのが一般的だからです。

「払えない」ではなく「見直したい」と伝える

「まけてください」ではなく、「売上が厳しいので来期までは月額〇万円に抑えたい。その代わりこちらの作業負担を増やしても構わない」といった具体的な提案を行いましょう。税理士側のメリット(作業負担の軽減)を含めることがポイントです。

交渉で使えるフレーズと、断られたときの次の一手

会話型の検索で「税理士への値引き交渉で使える言葉は?」と調べる方のために、そのまま使えるフレーズと、断られた場合のエスカレーション手順をまとめます。

Q. 値引き交渉でそのまま使えるフレーズは?
A. 次の3つが有効です。「記帳は自社で対応するので、チェックのみお願いできませんか」「訪問を四半期に1回にして、その分月額を下げていただけませんか」「オンライン対応に切り替えれば先生の負担も減ると思うのですが」。いずれも税理士側の作業削減とセットで提案するのがコツです。
Q. 交渉を断られたら次にどうすればいい?
A. ①まず断られた理由を確認する(業務量・責任範囲のどこに費用がかかっているか)→②別の税理士にセカンドオピニオン(相見積もり)を取り、自社の適正価格を客観化する→③それでも差が大きければ税理士変更を検討する、の順で進めます。感情的に即解約を伝えるのは最悪手です。
Q. 交渉でやってはいけない失敗パターンは?
A. 「他社はもっと安い」と金額だけをぶつける、無断で支払いを止める、決算直前に交渉を持ちかける、の3つは避けてください。いずれも信頼関係を壊し、引き継ぎや申告に支障が出ます。

決算料の分割払いを相談する

顧問料とは別に発生する「決算申告料(月額顧問料の4〜6ヶ月分が目安)」が支払えないケースも多々あります。事前に相談すれば「分割払い」に応じてくれる事務所も少なくありません。無断で滞納する前に、「支払う意思はあるが、キャッシュフローの都合で分割にしたい」と相談してください。値上げを打診された場合の具体的な交渉術は「顧問税理士の値上げ交渉術|年20万円減らした体験と乗り換え5基準」で書面テンプレートとともに解説しています。

セカンドオピニオン活用法:変更前に別の税理士に相談する

税理士を変更する前に、スポットでセカンドオピニオンを取るのが、関係を壊さずに適正価格と提案力を確認できる中間選択肢です。セカンドオピニオンとは、現在の顧問契約は維持したまま、別の税理士に意見を求めることを指します。費用相場は時間単価1万〜3万円が一般的で、変更を迷う読者の離脱を防ぎ、判断材料を客観化できます。

セカンドオピニオン相談で持参すべき資料

  • 直近2期分の決算書・申告書の控え
  • 直近の月次試算表
  • 現在の顧問契約書(業務範囲・報酬額・訪問頻度が分かるもの)

現税理士との関係を壊さない聞き方

「今の先生を替えたい」と切り出すのではなく、「現在の契約内容で、客観的に見て改善余地があるか意見を聞きたい」「うちの規模で受けられる節税提案の幅を知りたい」という相談の仕方が無難です。紹介サービス経由なら、現税理士に知られずに複数の税理士へ同時に相談でき、合わなければ断りの連絡も代行してもらえます。

方法3:より安くて相性の良い税理士に変更する

業務範囲を見直し、交渉やセカンドオピニオンを経ても費用が下がらない、あるいは「これ以上は無理」と断られた場合、それは税理士を変更(乗り換え)するタイミングです。税理士報酬は自由化されており、事務所の経営方針やコスト構造によって料金には驚くほど差があります。

税理士変更を検討すべきタイミング

  • 決算期終了後〜次期開始前:引き継ぎがスムーズで、移行コストが最も低い
  • 契約更新月:多くの顧問契約は1年更新。更新時の申し出が自然
  • 顧問料改定(値上げ)通知を受けた後:見直しの正当な理由になる

税理士変更の手順(5ステップ)

  1. 契約書の解約条項を確認:一般的に1〜3ヶ月前の事前通知が必要です
  2. 新しい税理士の候補を探す:紹介サービスの活用が効率的です
  3. 引き継ぎ資料を受け渡す:総勘定元帳・決算書・申告書・各種届出書の控えなど
  4. 現在の税理士に書面で解約を通知:口頭だけでなくメールや書面で記録を残す
  5. 新しい税理士と正式に契約:空白期間(無申告期間)が生じないよう注意

変更後に必要な実務処理(電子申告・代理人登録の引き継ぎ)

変更の手続きで見落とされがちなのが、電子申告まわりの引き継ぎです。次の3点を必ず処理してください。

  • 電子申告データ・契約書の引き継ぎ:e-Tax用の過去申告データ、会計データ(バックアップ)、各種届出書の控えを旧税理士から受け取る
  • e-Tax・eLTAXの代理人(税理士)登録の変更:旧税理士を代理送信者から外し、新税理士を登録し直す。これを忘れると申告手続きが滞ります
  • 解約通知のタイミング:原則として解約希望の1〜3ヶ月前までに通知。決算月の直前は引き継ぎが間に合わないため避ける

税理士変更(解約)で発生しうる費用と期間の目安

「乗り換えたいが費用が不安」という方のために、変更時に発生しうる費用の種類と相場を整理します(編集部調べ・業界慣行ベース)。

費用・項目相場・目安
未払い顧問料の精算解約月までの日割り or 月割り精算
引き継ぎ資料の作成費用無料〜3万円程度(事務所により異なる)
新税理士側の初期費用無料〜顧問料1〜2ヶ月分(契約準備費用)
解約通知から完全移行までの期間おおむね1〜3ヶ月

大手事務所と小規模事務所の品質差に注意

大手税理士法人は安心感がある一方、実際の担当者が経験の浅いスタッフになるケースがあります。「所長が対応してくれると思ったら、会ったこともない担当者が処理していた」という不満は大手で特に多い声です。小規模事務所は所長が直接対応し、レスポンスが早い傾向があります。顧問料の安さだけでなく「誰が実際に担当するのか」を必ず確認してください。税理士選びの基本フレームは、失敗しない税理士の選び方と費用相場・探し方をまとめたガイドで体系的に解説しています。

「何もしてくれない」場合に頼れる公的な相談窓口

交渉や乗り換えではなく、「現在の税理士に業務を適切に履行させたい」「対応に問題があるので公的に相談したい」という場合は、各都道府県の税理士会が設けている納税者支援・苦情相談の窓口を利用できます。契約書に明記された業務の不履行や申告期限の超過など、明らかな業務懈怠は相談の対象になります。まずは契約書の控えと、提供されなかった成果物の記録を整理して相談するとスムーズです。

紹介サービスを活用して相場を知る

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今の顧問料が高いのか安いのかを自分だけで判断するのは難しいものです。そこで役立つのが税理士紹介サービスです。業界最大手の税理士ドットコムでは、2026年6月時点で7,300名以上の税理士が登録し、累計実績は43万件を超えています。「予算は月額1万円以内」「決算だけ安く頼みたい」「節税提案に強い人がいい」といった要望を伝えれば、条件に合う税理士を無料で紹介してくれます。紹介されても契約義務はなく、合わなければ断りの連絡も代行してもらえます。

節税相談の費用相場(スポット・顧問契約・補助金対応)

節税相談の費用は、形態によって3パターンに分かれます。スポット相談は1回1万〜3万円、顧問契約に節税提案を含める場合は基本顧問料+月1万〜2万円、補助金・融資申請のサポートは成功報酬5〜10%が主流です。費用感を持って比較すれば、自社にどのプランが合うかを判断できます。

相談形態費用相場内容
スポット節税相談1回1万〜3万円(相談60〜90分)単発で節税余地を診断してもらう
顧問契約(節税提案込み)基本顧問料+月1万〜2万円継続的な提案・実行支援を受ける
補助金・融資申請サポート成功報酬5〜10%(着手金あり/なし)申請書作成・採択までの伴走支援

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自社にどのプランが合うかは、現状の顧問料と受けているサービスを並べて比較するのが近道です。税理士ドットコムの無料相談で、複数の見積もりを取って比較するのが最も確実です。

顧問税理士の節税力を最大化するためのポイント

顧問料を下げるだけでなく、税理士の「節税提案力」を引き出すことで、トータルのコストパフォーマンスは大きく改善します。顧問料を月1万円下げるよりも、年間50万円の節税を提案できる税理士の方が、結果的にお得だからです。代表的な節税手法を、対象・効果・実行期限・確認ポイントの順で整理します。

IT対応力が高い税理士ほど、顧問料は安く節税力は高い

DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいない事務所は、入力作業や書類整理に人件費がかかるため顧問料を高く設定しがちです。一方、クラウド会計・AI・チャットツールを使いこなす税理士は業務が効率化されており、低価格でも質の高い提案を提供できます。全国対応のリモート型事務所も増え、都心の事務所にこだわる必要はなくなりました。

顧問税理士に確認・提案を求めるべき主な節税手法

節税手法対象節税効果の目安実行のタイミング税理士への確認ポイント
小規模企業共済個人事業主・小規模法人役員年84万円の所得控除年内(前納で当年分に算入可)「満額掛けた場合の手取りの変化は?」
経営セーフティ共済(倒産防止共済)1年以上継続の法人・個人年240万円を損金算入(課税の繰延)決算3ヶ月前まで/年払い活用「解約時の益金計上の出口戦略は?」
iDeCo(個人型確定拠出年金)自営業・経営者個人自営業は年81.6万円の所得控除加入は随時/掛金変更は年1回「小規模企業共済との併用上限は?」
役員報酬の最適化中小法人年数十万〜100万円超期首3ヶ月以内に改定「社保込みで手取り最大の金額は?」
中小企業経営強化税制中小法人・個人即時償却または7〜10%の税額控除設備取得前に経営力向上計画を認定「対象設備か、認定は間に合うか?」
消費税の簡易課税制度課税売上5,000万円以下業種・売上により数万〜数十万円適用年度開始日の前日まで届出「本則と簡易、どちらが有利か試算を」

各制度の運営は中小企業基盤整備機構(小規模企業共済・経営セーフティ共済)や国民年金基金連合会(iDeCo)が担っており、掛金の上限額は各機関の公表値に基づきます。

所得帯別の節税額シミュレーション(編集部試算)

「結局いくら得するのか」を把握するため、主要な所得控除型の手法を、課税所得500万円と1,000万円の2パターンで試算しました。所得税の限界税率に住民税10%を加えた概算(復興特別所得税は考慮せず)です。

節税手法(掛金上限)課税所得500万円(限界税率約30%)課税所得1,000万円(限界税率約43%)
小規模企業共済(年84万円控除)年 約25万円の節税年 約36万円の節税
iDeCo・自営業(年81.6万円控除)年 約24万円の節税年 約35万円の節税
経営セーフティ共済(年240万円損金/法人)法人実効税率約33%なら、年 約79万円分の課税を繰延(解約時は益金計上)

※あくまで概算です。実際の税率・控除は所得や家族構成で変わるため、自社の数字での試算は顧問税理士に依頼してください。

オンライン面談のみの税理士でも問題ないか?

クラウド会計ソフトを導入済みで自社の記帳ができている企業なら、オンライン面談のみの税理士でも実用上は問題ありません。オンライン専門の税理士は、オフィス賃料や交通費がかからない分、顧問料が対面型より2〜4割安い傾向があります。ただし、現金取引が多い業種や、税務調査で同席を求める場合は、地元で対面対応できる税理士を選ぶ方が安心です。

節税に強い税理士を見極める7つのチェックポイント

節税に強い税理士は、次の7点で見極められます。①決算事前検討会の提案、②自社業界への精通、③リスクの明示、④クラウド・オンライン対応、⑤補助金・融資との連携、⑥節税と脱税の線引きの根拠提示、⑦同規模・同業種の実績——です。初回面談での質問例とセットでチェックしてください。

  1. 決算事前検討会を提案するか:「決算3ヶ月前に節税シミュレーションをしてもらえますか?」
  2. 自社業界の税務に詳しいか:「同業の顧問先で、よく使う経費区分や特例はありますか?」
  3. 提案のリスクを説明できるか:「その節税策の否認リスクと、回避の根拠を教えてください」
  4. クラウド会計・オンライン面談に対応するか:「freee/マネーフォワードに対応し、面談はオンライン可能ですか?」
  5. 補助金・融資まで連携できるか:「資金調達や補助金申請の支援実績はありますか?」
  6. 節税と脱税の線引きを根拠で示せるか:「グレーな支出について、どこまでなら主張できると考えますか?」
  7. 同規模・同業種の実績があるか:「当社と同じ規模・業種の顧問先は何件ありますか?」

あわせて、契約段階では初回レスポンスの速度(問い合わせから24時間以内に返信があるか)契約書の明確さ(業務範囲・訪問頻度・報酬額・解約条件が書面化されているか)も確認してください。口約束だけの契約はトラブルの元です。なお、決算1ヶ月前など急いで探す場合は「決算1ヶ月前でも間に合う!繁忙期の税理士を即日で探す裏ワザ7選」が参考になります。インボイス・課税事業者の切り替え相談には「免税事業者から課税事業者になるベストなタイミングを相談できる税理士の見つけ方」も役立ちます。

まとめ:節税してくれないと感じたら、原因の切り分けから始めよう

この記事の結論:税理士が節税してくれない・何もしてくれないと感じたら、次の順で対処してください。

  1. 契約内容と顧問料水準の確認:業務範囲・訪問頻度・成果物が提供されているかを点検する
  2. 相談タイミングの見直し:決算3ヶ月前の事前検討会を依頼する
  3. 経営情報の共有強化:投資・採用・役員報酬の計画を税理士に共有する
  4. セカンドオピニオン取得:別の税理士に相見積もり・意見を求めて適正価格を客観化する
  5. 税理士変更:改善が見込めなければ、節税に強い税理士へ乗り換える

実体験:月5.5万円→3.8万円、年20万円超を削減できた

筆者自身も中小企業の経理を担当していた際、業務範囲を棚卸しして相見積もりを2社取り、現税理士と交渉した結果、月額5.5万円だった顧問料を3.8万円まで下げ、年間で20万円超のコストを削減できました。ポイントは「値引きしてほしい」ではなく「記帳は自社で行うのでチェック中心に」と業務範囲から提案したことです。実際に変更しなくても、相見積もりを取るだけで現在の顧問料が高いか適正かが客観的に分かります。

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「今の顧問料よりどれくらい安くなるか知りたい」「節税に強い税理士に替えたい」という場合は、登録税理士数が多く無理な勧誘もない税理士ドットコムの無料相談を、まずは情報収集のつもりで利用するのが最短ルートです。あなたの会社のキャッシュフローを守るために、賢い選択をしてください。

よくある質問

Q. 税理士が節税を提案してくれない場合、どうすればいいですか?
A. まず原因を切り分けてください。顧問料が低い・相談が決算直前・経営情報の共有不足が原因なら、決算3ヶ月前の事前検討会を依頼し、投資や役員報酬の計画を共有するだけで提案が出ることがあります。それでも変わらなければ、別の税理士にセカンドオピニオンを取り、改善が見込めなければ変更を検討します。
Q. 節税相談だけスポットで依頼できますか?
A. できます。顧問契約を結ばず、単発のスポット相談に対応する税理士は多くいます。費用相場は1回1万〜3万円、相談時間は60〜90分が一般的です。直近2期分の決算書と試算表を持参すれば、その場で節税余地を診断してもらえます。
Q. 顧問料を払っていれば、節税提案は当然の義務ですか?
A. 契約内容次第です。一般的な顧問契約は「記帳指導・申告・税務相談」が中心で、踏み込んだ節税提案は別途の業務に位置づけられることがあります。契約書に「節税提案」「決算事前検討」が明記されていなければ、追加で依頼するか、節税提案込みの契約に切り替える必要があります。
Q. 決算が終わった後でも節税はできますか?
A. 打てる手は大きく減ります。小規模企業共済の前納や設備投資、役員報酬の改定など主要な節税策は、決算日をまたぐ前に実行する必要があるためです。決算後でも可能なのは、控除や評価方法の選択など限定的なものに限られます。だからこそ決算3ヶ月前の相談が重要です。
Q. グレーな経費はどこまで認められますか?
A. 「事業との関連性を合理的に説明でき、証憑・記録が残っている」範囲であれば経費にできます。接待交際費は相手先と目的の記録、社宅家賃は賃貸料相当額の計算、自家用車は使用割合の裏付けが論点です。最終判断は否認リスクを負う税理士と必ず相談し、根拠とセットで線引きを確認してください。
Q. 月次訪問がなくても節税はできますか?
A. できます。クラウド会計でデータを常時共有し、決算3ヶ月前の事前検討会と四半期ごとのオンライン面談を組み合わせれば、月次訪問がなくても十分な節税提案を受けられます。訪問頻度を下げること自体が節税機会の損失になるわけではありません。
Q. 税理士への値引き交渉は失礼にあたりませんか?
A. 失礼にはあたりません。「値引きしてほしい」ではなく「業務範囲を見直して、自社の負担を増やす代わりに月額を下げたい」という提案であれば、税理士にとっても合理的な話し合いになります。多くの事務所が業務範囲の調整による料金変更に応じています。
Q. 税理士を変更する最適なタイミングはいつですか?
A. 決算終了後から次の事業年度の開始前が最もスムーズです。前期の申告が完了しており、新しい税理士が期首から関与できるため、引き継ぎコストが最小限で済みます。契約更新月や、顧問料の値上げ通知を受けたタイミングも見直しの好機です。
Q. 税理士を変更すると、解約時に費用はかかりますか?
A. 大きな違約金が発生することは通常ありませんが、未払い顧問料の精算(日割り・月割り)、引き継ぎ資料の作成費用(無料〜3万円程度)、新税理士側の初期費用(無料〜顧問料1〜2ヶ月分)が発生し得ます。解約通知から完全移行までは、おおむね1〜3ヶ月を見込んでください。
Q. オンライン面談のみの税理士でも問題ありませんか?
A. クラウド会計を導入済みで自社の記帳ができている企業なら、実用上は問題ありません。オンライン専門の税理士は賃料・交通費がかからない分、顧問料が対面型より2〜4割安い傾向があります。ただし税務調査で同席が必要な場合は、事前に対応可否を確認しておきましょう。

著者・監修者について

本記事は、税理士紹介・顧問料の見直し支援に関する知見と、筆者自身の経理・経営実務の経験をもとに執筆しています。中小企業の経理担当として複数回の顧問税理士交代・顧問料交渉を実務で担当し、その過程で得た実践的な知見を反映しています。記事内の情報は2026年6月時点のもので、定期的に更新を行っています。節税額の試算は編集部による概算であり、実際の適用は顧問税理士にご確認ください。

著者: こまろぐ運営 Yoshikazu Komatsu(個人ブロガー)/公開日: /最終更新: