宇宙・防衛セクターに眠る「次の10倍株」をどう見つけるか
「宇宙・防衛産業が伸びるのはわかっている。でも、どの銘柄を買えばいいのかわからない」。
こう感じている個人投資家は少なくないはずです。
2025年以降、各国の防衛予算は増加の一途をたどり、宇宙関連の民間投資も加速しています。
しかし、ロッキード・マーティンやノースロップ・グラマンといった大型株はすでに市場に織り込まれ、ここからの爆発的な成長は期待しにくい状況です。
本当のテンバガー(株価10倍)候補は、まだ市場の注目を集めていない中小型株に隠れています。
問題は、そうした銘柄をどうやって効率的に見つけるかです。
2026年5月時点の情報をもとに、実際のフィルター設定例や注意すべき落とし穴まで、すぐに実践できる内容をお届けします。
なぜ今「宇宙・防衛産業」なのか——セクターの構造変化を理解する
防衛予算の構造的な拡大
NATO加盟国の多くがGDP比2%以上の防衛費を達成・超過する方針を掲げ、日本でも防衛費のGDP比2%への引き上げが進行中です。これは一時的な予算増ではなく、地政学リスクの高まりを背景にした構造的な変化です。米国の2026年度国防予算は約8,950億ドルに達し、過去最高を更新しました。
重要なのは、この予算増加の恩恵が大手プライムコントラクター(主契約企業)だけでなく、サプライチェーン全体に広がっている点です。センサー技術、サイバーセキュリティ、無人システム、衛星通信など、特定の技術領域に強みを持つ中小企業が急成長するケースが増えています。
宇宙産業の「第二の波」
SpaceXが切り拓いた商業宇宙の流れは、すでに第二段階に入っています。打ち上げコストの劇的な低下により、衛星コンステレーション(複数の小型衛星による通信網)、宇宙空間での製造、軌道上サービス(衛星の燃料補給や修理)といった新しいビジネスモデルが現実味を帯びてきました。
Morgan Stanleyの試算によれば、宇宙産業の市場規模は2040年までに1兆ドルを超えると予測されています。この成長の大部分は、現在はまだ時価総額が小さい企業群によって担われる可能性が高いのです。
テンバガー候補が「隠れている」理由
宇宙・防衛セクターで有望な中小型株が見過ごされがちな理由はいくつかあります。第一に、機関投資家の多くは流動性の観点から大型株を選好するため、時価総額が小さい企業のカバレッジ(アナリストによる調査対象)が薄い傾向があります。第二に、防衛関連企業は事業内容の機密性が高く、一般メディアで取り上げられにくいという特性があります。第三に、宇宙関連のスタートアップはSPAC(特別買収目的会社)経由で上場したものも多く、SPAC銘柄全体への不信感から本来の実力より低い評価を受けている企業も存在します。
こうした「情報の非対称性」が存在するセクターだからこそ、個人投資家がスクリーニングを活用して先回りするチャンスがあるのです。
moomoo証券のスクリーニングでテンバガー候補を絞り込む具体的手順
ステップ1:セクターと業種で大枠を絞る
moomoo証券のアプリまたはデスクトップ版を開き、スクリーナー機能にアクセスします。まず、対象市場を「米国株」に設定し、セクターを「資本財・サービス」「情報技術」の2つに絞ります。
宇宙・防衛関連銘柄は、証券取引所の分類上「航空宇宙・防衛」だけでなく、「電子機器・装置」「ソフトウェア」「通信機器」など複数のサブセクターにまたがっています。最初の段階ではやや広めに網を張ることがポイントです。
moomoo証券のスクリーナーは業種分類が細かく設定できるため、「Aerospace & Defense」を含む関連業種を複数選択しましょう。この段階ではまだ数百銘柄が表示されているはずです。
ステップ2:時価総額フィルターでテンバガー候補の「器」を選ぶ
テンバガーを狙う上で最も重要なフィルターが時価総額です。すでに時価総額が数百億ドルある企業がそこから10倍になるのは極めて困難です。現実的なテンバガー候補を探すなら、以下の範囲が目安になります。
- 時価総額の下限:3億ドル(あまりに小さいと流動性リスクや上場廃止リスクが高い)
- 時価総額の上限:30億ドル(中型株の上限付近。ここから10倍で大型株入りする計算)
moomoo証券のスクリーナーでは「Market Cap」の項目にカスタム値を入力できます。300M~3Bの範囲で設定してください。この1つのフィルターだけで対象銘柄は大幅に絞り込まれます。
ステップ3:成長性を示す財務指標でふるいにかける
時価総額で絞った後は、実際に高成長している企業を選別します。以下のフィルターを追加してください。
売上高成長率(Revenue Growth YoY):20%以上
テンバガーになる企業の共通点は、売上が加速度的に伸びていることです。利益はまだ出ていなくてもよいですが、売上が年率20%以上で成長していることは最低条件として設定します。moomoo証券では「Revenue Growth (YoY)」の項目で下限を20%に指定できます。
売上総利益率(Gross Margin):30%以上
売上が伸びていても、利益率が極端に低い企業は価格競争に巻き込まれている可能性があります。粗利率30%以上は、その企業が何らかの技術的優位性や参入障壁を持っていることの目安になります。
負債比率(Debt to Equity Ratio):2.0以下
成長企業とはいえ、過度な借入に依存している企業は金利上昇局面で脆弱です。D/Eレシオを2.0以下に設定することで、財務的に極端に危険な企業を除外します。
ステップ4:moomoo独自の機能を活用して深掘りする
ここまでのフィルターで残った銘柄は、おそらく20~40程度になっているはずです。ここからがmoomoo証券ならではの分析の出番です。
moomoo証券のプラットフォームには、一般的な証券会社のスクリーナーにはない特徴的な機能がいくつかあります。特に活用したいのが以下の3つです。
機関投資家の保有状況
各銘柄の詳細ページから、機関投資家の保有比率や直近の売買動向を確認できます。テンバガー候補を見極める上で注目すべきは、「機関投資家の保有比率が増加傾向にあるが、まだ50%以下」というパターンです。これは、プロの投資家が注目し始めているものの、まだ広く知られていない段階を示唆します。
空売り比率(Short Interest)
空売り比率が高すぎる銘柄は避けた方が無難ですが、適度な空売り(発行済み株式の5~15%程度)は、将来のショートスクイーズ(空売りの買い戻しによる急騰)の可能性を秘めています。moomoo証券では空売りデータを個別銘柄ページで確認できます。
決算データの時系列分析
moomoo証券のアプリでは、過去数年分の四半期決算をグラフで視覚的に確認できます。売上成長率が四半期ごとに加速しているか(10%→15%→22%のように)を確認してください。成長の「加速」は、テンバガーになる企業に共通するシグナルです。
ステップ5:定性分析で最終候補を選ぶ
スクリーニングはあくまで「候補リスト」を作るためのツールです。最終的な投資判断には定性的な分析が不可欠です。残った銘柄について、以下の観点でリサーチを行いましょう。
- 政府契約の受注実績:過去2年間で大型契約を獲得しているか。単発か、複数年契約か
- 技術的な堀(モート):特許、独自技術、認証資格など参入障壁となる要素はあるか
- 経営陣の経歴:防衛産業や宇宙産業での実務経験を持つ経営陣がいるか
- 顧客の集中リスク:売上の大半が1つの顧客(例:米国防総省のみ)に依存していないか
- バックログ(受注残高):将来の売上につながる受注残がどの程度積み上がっているか
moomoo証券のニュースフィード機能やSEC提出書類へのリンクを活用すれば、こうした情報を1つのプラットフォーム上で効率的に収集できます。
よくある失敗と回避方法
スクリーニングで陥りがちな失敗パターンも押さえておきましょう。
第一の失敗は「フィルターの設定が厳しすぎる」ことです。すべての条件を満点で満たす銘柄はほぼ存在しません。特に宇宙関連のスタートアップは赤字が続いている場合もあり、利益関連の指標を厳しくしすぎると有望銘柄を取りこぼします。最初は緩めに設定し、候補を出した上で手動で絞り込むのが効果的です。
第二の失敗は「スクリーニング結果だけで投資判断する」ことです。数値上は完璧でも、実際の事業内容を理解していなければ、決算発表時の急落で狼狽売りしてしまいます。必ず企業のIR資料や決算説明会の内容まで確認してください。
第三の失敗は「一度のスクリーニングで完結させようとする」ことです。市場環境は変化し、新規上場企業も増えます。月に一度はフィルター条件を微調整しながらスクリーニングを再実行する習慣をつけましょう。
他の証券会社のスクリーニングツールとの比較
moomoo証券が優れている点
米国株のスクリーニングツールは複数の証券会社やサービスで提供されていますが、moomoo証券にはいくつかの明確な優位性があります。
まず、フィルター項目の豊富さです。時価総額や財務指標に加え、テクニカル指標、機関投資家の動向、空売りデータなどを一つの画面で横断的に設定できます。Finvizなどの無料スクリーナーでも基本的なフィルターは使えますが、機関投資家の保有動向まで一体で確認できるのはmoomoo証券の大きな強みです。
次に、スクリーニング結果からシームレスに銘柄の詳細分析に移れる点です。他のスクリーナーでは候補銘柄のリストを作った後、別のサイトで個別に調べ直す手間が発生しますが、moomoo証券では同じプラットフォーム内で決算データ、チャート、ニュース、機関投資家情報まで一気通貫で確認できます。
さらに、取引手数料が米国株で業界最低水準である点も見逃せません。テンバガー候補への投資は、複数銘柄に分散して少額ずつポジションを取るのが基本戦略です。取引コストが低いことは、こうした分散投資において地味ですが大きなメリットになります。
moomoo証券を使う上での注意点
一方で、注意すべき点もあります。moomoo証券は米国株や香港株に強い一方、日本の防衛関連銘柄(三菱重工業、川崎重工業など)のスクリーニングには対応範囲が限定的です。日本株の防衛関連銘柄も分析したい場合は、国内証券会社のツールと併用するのが現実的です。
また、スクリーニング機能を最大限に活用するにはアプリ版の操作に慣れる必要があります。機能が豊富な分、初めて触る方は最初にやや戸惑う場面もあるかもしれません。ただし、チュートリアルやヘルプ機能が充実しているため、実際に手を動かしながら覚えていけば問題ないでしょう。
どんな投資家におすすめか
moomoo証券のスクリーニングを活用した宇宙・防衛銘柄の発掘は、以下のような投資家に特に適しています。
- 米国株で中小型のグロース株(成長株)を探したい方
- 自分でリサーチして銘柄選定するのが好きな方
- テーマ型ETFではなく個別株で高いリターンを目指したい方
- 宇宙・防衛セクターに関心があるが、具体的な銘柄選びの方法がわからない方
逆に、投資にあまり時間を割けない方や、個別株のリスクを取りたくない方は、iShares U.S. Aerospace & Defense ETF(ITA)やARK Space Exploration & Innovation ETF(ARKX)などのETFから始めるのも一つの選択肢です。
まとめ——スクリーニングを「武器」にして先回りする
宇宙・防衛産業は、地政学リスクの高まりと技術革新が同時に進行する、数少ない構造的成長セクターです。しかし、大型株はすでに注目されており、本当のテンバガー候補は市場の盲点に隠れています。
この記事で紹介したスクリーニング手法をまとめると、以下の流れになります。
- セクター・業種で大枠を設定し、関連する複数の業種を含める
- 時価総額3億~30億ドルの「テンバガーの器」を持つ企業に絞る
- 売上成長率20%以上、粗利率30%以上、D/Eレシオ2.0以下で財務面をチェック
- 機関投資家の保有動向と決算データの時系列変化で深掘りする
- 定性分析で技術力、契約実績、経営陣の質を最終確認する
これらのステップを実行するためのツールとして、moomoo証券のスクリーナーは豊富なフィルター項目と一体型の分析環境を備えており、個人投資家が効率的に銘柄を発掘するのに適しています。口座開設は無料で、スクリーニング機能も口座を持っていれば利用できます。
まずは今回紹介したフィルター設定を実際に試し、気になる銘柄のウォッチリストを作ることから始めてみてください。月に一度のスクリーニングを習慣にすれば、まだ市場が注目していない段階で有望銘柄を見つけられる確率は確実に上がります。
※本記事は2026年5月時点の情報に基づいて執筆しています。投資判断はご自身の責任で行ってください。個別銘柄の推奨を目的としたものではありません。
