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【週休2日はもう古い?】週休3日の漫画家、週休4日の料理人!マンガ、飲食店の働き方改革。

こんにちは、小松由和(@komaty1210)です。

 

副業、複業が徐々に浸透してきている2017年の日本。

最近では、週3で正社員、週2でフリーランス、といった掛け合わせで活動する働き方など、様々な働き方が生まれてきています。

 

もし、あなたが仕事といったら「週5勤務、週休2日」の働き方しかないでしょ、と思っていたら、その考え方がもう古いです。

 

今回紹介したいのは、一般的に多忙なイメージが強い「料理人」「漫画家」といった職業でも(イメージだけでなく実際に多忙な仕事であることがほとんど)、

・週休4日(週3勤務)で週5日分の給料がもらえる料理人

・週休3日&残業禁止の漫画家

といった新しい働き方が生まれてきているということ。

 

「週3勤務の料理人だなんて、繁盛していないレストランの料理人なのでは?」

と思われるかもしれませんが、そんなことはなく、

「シェ・パニース」というアメリカの有名レストランで、創業から48年、満席が続き予約が取りづらいオーガニック料理のレストランです。

2階建てのレストランでスタッフの数はなんと115人で正社員が90人。

そこで働く数人のメインシェフたちは、週3勤務だけど週5日分の給料がもらえる働き方をしています。

 

「漫画家なんて徹夜ばっかりで休みがあまりないイメージだけど・・」

と思われるかもしれませんが、そんなことはなく、

漫画家は、東大受験漫画『ドラゴン桜』や投資漫画『インベスターZ』などのヒット作を手がける人気漫画家の三田紀房氏。(どちらの漫画も面白い&とても勉強になるのでおすすめです)

そこで働くアシスタントたちは、週4勤務、週休3日、残業禁止の働き方をしています。

 

料理人、漫画家、どちらも多忙な仕事のはずなのに、なぜ週3勤務で週5日分の給料がもらえる、週休3日&残業禁止といった働き方が実現可能なのか?

 

2つの事例を紹介しながら、新しい働き方のヒントを考えてみたいと思います。

週休4日(週3勤務)で週5日分の給料がもらえる!料理人の新しい働き方

「シェ・パニース」とは?

「シェ・パニース」は、アメリカに食の革命を起こしたと言われるアメリカのカリフォルニア州バークレーにある有名レストランです。

何が有名なのかと言うと、創業の1971年からオーガニック食材を使う、生産者と共存していくサスティナブルな取り組みなど、当時まったく普及していなかった考え方や取り組みを実践してきたので、最近のオーガニックレストランや地産地消の先駆者として位置付けられることが多いレストランです。

「シェ・パニース」公式サイト(英語のwebサイトです)

 

「シェ・パニース」についてもっと知りたい方は、オーナーのアリス・ウォータースさんの書籍『シェ・パニースへようこそ レストランの物語と46レシピ』『アリスのおいしい革命』や、関連書籍『美味しい革命―アリス・ウォータースと〈シェ・パニース〉の人びと』、他にもネットで検索すれば日本語の紹介記事がたくさん出てくるので調べてみてください。

 

週3勤務で週5日分の給料がもらえる料理人

シェ・パニース特有の制度として、

シェ・パニースの料理人(シェフ&スーシェフ)は、各部署(レストラン、カフェ、ペストリー)3人ずついて、

週3日ずつの勤務で、週5日分の給料を払う制度を取り入れています。

 

なぜ、週3日勤務なのに週5日分の給料も払ってくれるのか??

 

それは、レストランの生命線であるシェフをケアする制度だからです。

 

この制度によって、シェフは、週3日の勤務以外の時間を使って、食材や料理のリサーチや研究をすることもできるし、ファーマーズマーケットに行く時間もできるし、家族との時間も過ごせることができて、燃え尽きることなく情熱を持って仕事が続けることができます。

週3日勤務で週3日分の給料だったら、週5日勤務に比べて収入が減る分、別の仕事をしなければいけませんが、週3日勤務で週5日分の給料を払ってくれるのであれば、ゆとりや余裕を持って、自分のスキル向上やリフレッシュに時間を使うことが可能となります。

 

よくある話として、週1定休日のレストランのシェフが、休みの日に新しい食材の仕入れやリサーチをしていて(レストラン営業している週6日はそのような時間をとれないので)、休日は月に数回・・・といった例はレストラン業界では当たり前だったりします。

今まで常識とされてきた週6勤務、週休1日といったシェフの働き方は、短期間ならまだしも、数年の長期間に渡って高いパフォーマンスを発揮するのは体力、気力ともに難しいですよね。

 

次に漫画家の新しい働き方をご紹介します。

 

週休3日&残業禁止!漫画家の新しい働き方

三田紀房氏の働き方改革について

三田紀房氏のtwitterのツイートがこちら。

三田氏の進める漫画家の新しい働き方について取材された記事のリンクを紹介しています。

 

週休3日&残業禁止の漫画家アシスタント

三田氏のアシスタントの働き方をまとめると、以下の通り。

  • 勤務時間は9時30分〜18時30分
  • 休憩は自由(ランチもたまにしかみんな一緒にとらない)
  • 残業は禁止
  • 原則週4日勤務(長期休暇を含めて年間約160日の休み)

 

なぜ、多忙な漫画家の仕事で週4日勤務、残業なしが可能なのか?

 

それは、徹底した仕事の効率化をした結果だからです。

 

例えば、もし毎日1時間ランチをみんな一緒にとっていたとしたら、週5日勤務としたら週に5時間もの時間になります。その5時間をなしにして(休憩は各自自由にして)、休みが1日増える方がいいでしょう、という考え方。

他にも、残業なしで勤務時間が決まっている方がアシスタントは集中して仕事を進められる上に、休みの日は自分の創作活動に時間を使うこともできるということ。

 

これらを実現できている大きな要因として、三田氏は、漫画を描く作業をすべて自分たちでやるのではなく(従来のほとんどの漫画家はすべての仕事を自分とアシスタントだけでやっていた)、作画などの作業をデザイン会社への外注することで、業務の効率化を図っています。

 

新しい働き方を取り入れるための2つのヒント

今回ご紹介した2つの新しい働き方の事例を参考に、新しい働き方のヒントをまとめたいと思います。

常識に縛られない

まずはこれ。

 

シェフ、料理人は、週5日勤務、週6日勤務が当たり前だけど、その常識を疑ってみる。

漫画家は、徹夜ばかりで休みが少ないのが当たり前だけど、その常識を疑ってみる。

 

シェ・パニースでは、シェフが週3日勤務というレストラン業界の常識では考えられない制度を取り入れ、週3日以外の時間でシェフのスキルアップや休日に充てるなど、新しいシェフの働き方を実践しています。

 

漫画家の三田氏の職場では、みんなでランチを1時間食べるという当たり前をなくして、休憩は自由にとって、その分の時間を節約することで休日に充てて各自好きな時間に使えるなど、新しい漫画家の働き方を実践しています。

 

これらは一例ですが、ほとんどの仕事に常識や今まで当たり前にやってきた無駄なことや無意味なことはありふれています。

 

高いパフォーマンスを発揮するために必要なコストをかける

シェフに週3日勤務以外の時間を有効に使ってもらうために、週5日分の給料を払う「シェ・パニース」。そこには当然、週2日分のコストが追加で必要になります。

アシスタントが集中して仕事ができ、休日に自分の創作活動に時間を使えるように、週休3日&残業なしを実践する三田氏。そこには当然、全体の仕事量を減らす効率化のために外注コストが追加で必要になります。

 

追加コストをかけるのは、当然メリットがあるからです。

どちらも、結果的に、シェフが、アシスタントが、コストを上回る高いパフォーマンスで仕事をしてくれるからこそ、必要なコストがかけれる仕組みになっています。

 

仕事におけるコストといえば、「いかに削減するか」に意識が行きがちですが、本来の目的は、個人(企業、お店、なども含めて)として、高いパフォーマンスを発揮するために、コストをコントロールする必要があるので、「高いパフォーマンスが発揮できるために必要なコストであれば喜んで払うべき」ということがわかります。

 

例えば、

・新しい知識や情報を得るためにコストをかけて勉強する
→新しく得た知識や情報が仕事に活用できて、結果として高いパフォーマンスが発揮できてコスト以上のメリットが得られる。

・不得意な仕事の一部をコストをかけて外注する
→得意な仕事に集中できて、結果として高いパフォーマンスが発揮できてコストも回収以上のメリットが得られる。

といった具合に、コスト以上のメリットが得られることであれば、このようなことを消費や浪費ではなく「投資」と言いますが、どんどん投資していくべきです。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

今回ご紹介した2つの事例はどちらも、楽な働き方をしたい、休日を増やしたい、といった気持ちから生まれた働き方ではないことも留意しておきたいことです。

どちらの事例も、今までより、よりよい仕事、働き方をするにはどうすればいいか?を追求していった結果の新しい働き方です。

 

これからもどんどん新しい働き方が生まれてくるでしょう。

変化の早い現代だからこそ、常に最適な働き方を模索していきたいと思います。

 

本ページの参考文献

・「シェ・パニース」について

雑誌『料理通信 2017年11月号

 

以上、「【週休2日はもう古い?】週休3日の漫画家、週休4日の料理人!マンガ、飲食店の働き方改革。」でした!

それではまた!