新型ウイルスの影響により、米国、日本だけでなく全世界的にリモートワークを導入する企業が急増しています。
そのようなリモートワークが普及していく状況で、大きな成長が期待されるSaaS型の米国IT企業16選を今回紹介したいと思います。
「SaaS」とは、「Software as a Service」の略で、「サース」、「サーズ」などと呼ばれています。
ユーザーがソフトウェアをインストールして利用するのではなく、ベンダー側で稼働させたソフトウェアを、クラウド上で利用するというスタイルのサービスです。
SaaS型サービスの大きな特徴として、従来のソフトウェアのような買い切りではなく、利用したい期間分の料金を払うサブスクリプションモデルが基本です。
インターネット上で完結するため、コロナショック下にあっても影響が少なく、安定した売り上げと成長が期待されているビジネスモデルです。
このような特徴を持つSaaS企業の中から、現在米国で注目されているサービスを紹介します。
1.「Zoom」リモートワークにおすすめのビデオ会議ツール
zoomとは?
zoomはパソコンやタブレットなどで簡単に利用できるビデオ会議ツールです。
リモートワークをする人が増えたことで自宅やコワーキングスペースなどから参加できるオンライン会議の需要が高まり、話題になりました。
会議だけでなくオンラインセミナーなどにも利用されている便利なツールです。
別記事でzoomに関する基本解説をしています。ぜひあわせてご覧ください。
【徹底解説】今話題のオンライン会議ツール「Zoom」競合サービスとの比較も
zoomの特徴
zoomの大きな特徴は、無料で利用できるという点です。
有料のサービスもありますが、通常のビジネスで使う分には無料版でも十分です。
最大100人が同時参加できるビデオ会議(40分まで)や画面の共有、アプリとの連携などの機能がすべて無料で利用できます。
いつでもどこでも会議ができる、会議室に集まる必要がない便利なツールです。
「zoom」公式サイト: https://zoom.us/
2.「Slack」ビジネス向けチャットツール
Slackとは?
Slackはビジネス向けのチャットコミュニケーションツールです。
メールと比べてリアルタイムのやり取りが可能なチャットはビジネスでの連絡・コミュニケーションツールとしてよく使われていますが、その中でもSlackは優れていると言われています。
無料版・有料版がありますが、無料版でも十分な機能が使用できます。
以前は英語版のみでしたが、現在は日本語化もされより使いやすくなりました。
Slackの特徴
Slackはパソコンやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスでストレスなくリアルタイムでのやり取りが可能になるツールです。
単に会話ができるだけでなく、画像やファイルの共有が手軽にできたり、タスク管理アプリやクラウドストレージなどの他のサービスとの連携ができたりといった、ビジネスの効率を上げる機能もあります。
やり取りの過去ログの中で確認したいことがある場合に便利なのが検索機能です。
何気ないやり取りでも記録を残しておける、それを即座に検索して見返すことができるというのがSlackの強みです。
メールでのやり取りと違ってどこに行ってしまったかわからない、探すのが大変ということがないので非常に便利です。
「Slack」: https://slack.com/intl/ja-jp/
3.「CrowdStrike」クラウド型セキュリティソフト
CrowdStrikeとは?
CrowdStrikeは、クラウドで提供される新しいタイプのセキュリティソフトです。
従来の製品のようにインストールして使うタイプではなく、エンドポイントセキュリティと呼ばれています。
従来のセキュリティソフトと同じように、ウイルスやサイバー攻撃からパソコンが守られることはもちろん、さらに高度なセキュリティ機能を利用することができます。
別記事でCrowdStrikeに関する基本解説をしています。ぜひあわせてご覧ください。
【基本解説】「CrowdStrike(クラウドストライク)」リモートワーク本格導入に欠かせないセキュリティサービス
CrowdStrikeの特徴
CrowdStrikeの最大の特徴は、AIとビッグデータの活用です。
CrowdStrikeを利用するすべてのエンドポイントはリアルタイムでチェックされていて、新たなウイルスなどの脅威が確認された際の対応が早く、より多くの攻撃に対応することが可能と言えます。
またインストールせずクラウド上で提供されるため、エンドポイントのリソース使用量が少なく済み、頻繁な更新も必要ありません。
「CrowdStrike」公式サイト: https://www.crowdstrike.jp/
4.「Coupa」クラウド型支出管理・購買管理システム
Coupaとは?
Coupaはクラウド支出管理システム・購買ソリューションで、事業支出や出張費用の管理、調達、請求書発行など調達から決済まで、様々な業務をこれ一つで行うことができます。
経費の削減や効率化が可能なサービスで、SaaSであることから導入が容易で使いやすいと評判です。
Coupaの特徴
Coupaは単一のクラウドプラットフォームに支出管理に関連する様々なプロセスを一元化させることによって、より使いやすく可視性の高いシステムにしています。
間接材調達システムとしても発注から支払いまでのプロセスが電子化され、取引状況を随時ポータル上で確認できるなどのメリットがあります。
日本語にも対応したため、より使いやすくなっています。
「Coupa」公式サイト: https://www.coupa.com/ja/
5.「MongoDB」オープンソースのデータベース・システム
MongoDBとは?
MongoDBはオープンソースのデータベース・システムです。
SNSやクラウド用アプリのバックエンドとして使われる他、電子商取引やオンラインバンキング、ブロックチューンの分野などで幅広く使われています。
ビッグデータの解析やデータベースなど様々な目的で使われ、今やMongoDBがなくては困るという会社も多いです。
MongoDBの特徴
MongoDBはサーバやネットワークが物理的に異なる場合でも、データベースを稼働させ続けることができます。
つまり、今までのサーバ能力では処理できないほどにデータ量が増加した場合でも、サーバを追加して処理能力を向上させるスケールアウトが容易に行えます。
元々大量のデータを取り扱うことを想定しているため、データ量が多くても迅速に処理され、読み書きが早いという特徴もあります。
またC言語やJava、PHPなど多くのプログラミング言語向けのドライバが用意されているため、Webアプリケーションとの親和性も高くなっています。
「MongoDB」公式サイト: https://www.mongodb.com/
6.「Shopify」ECサイト構築プラットフォーム
Shopifyとは?
ShopifyはECサイト構築プラットフォームで、簡単にECショップを作ることができ、大手メーカーも利用しています。
サーバやネットワークの管理を自分で行う必要がなく、ホームページのデザインだけでなく決済システムや在庫管理など、ECサイトの運営に必要な機能が揃っています。
別記事でShopifyに関する基本解説をしています。ぜひあわせてご覧ください。
【Shopifyとは?徹底解説】ECサイトを手軽につくれる注目の日本上陸サービス!大手企業の事例など紹介。
Shopifyの特徴
Shopifyは多言語・多通貨に対応しており、海外向けの販売ツールとしても使いやすいという特徴があります。
またクレジットカードやバーコード決済など多くの支払方法に対応しています。
ECサイトだけでなく実店舗がある場合、商品情報や在庫情報などを一括でできるというメリットもあり、SNS連携も可能など様々な使い方が可能です。
「Shopify」公式サイト: https://www.shopify.jp/
7.「Okta」クラウド型ID管理・統合認証サービス
Oktaとは?
Oktaはクラウド型ID管理・統合認証サービスです。
ビジネスなどでたくさんのクラウド型サービスを利用している人が多い状況の中で、それぞれのサービスのIDやパスワードを使い分け、すべてを正しく記憶しておくことは非常に困難です。
Oktaを使うことでID管理やアクセス制御を一元的に行い効率化を図れる一方で、本人認証機能により高度なセキュリティの維持も可能です。
別記事でOktaに関する基本解説をしています。ぜひあわせてご覧ください。
【基本解説】「Okta(オクタ)」リモートワーク本格導入に欠かせないセキュリティサービス
Oktaの特徴
Oktaはたくさんのクラウドサービスに対応しており、シングルサインオンは6000以上のサービスに対応、一元管理まで可能なクラウドサービスは150以上とクラウド型ID管理サービスの中でも1番です。
アクセスが社内からか社外からかによって認証方法を自動判別することが可能で、ワンタイムパスワードや指紋認証など様々な認証方法に対応していることから、セキュリティ性は高度に保ちつつ、利便性や効率の向上を図ることができるのが最大のメリットです。
「Okta」公式サイト: https://www.okta.com/jp/
8.「DocuSign」電子署名サービス
DocuSignとは?
DocuSignは電子署名サービスです。
ビジネスでは契約書を始めとして多くの書類が必要になり、その多くに署名や押印が必要になります。
しかし近年ではペーパーレス化や働き方改革が進み、紙での書類のやり取りも見直されています。
DocuSignを使うことで、経費の削減や時間の節約など、様々な恩恵を受けることが可能です。
DocuSignの特徴
DocuSignを利用すれば、パソコンで作成した書類を印刷せずに電子署名が可能になり、様々なコストや時間の削減が可能になります。
さらに契約サイクルの管理を自動ワークフロー化できたり、フォーマットを利用した書類の準備の簡略化、契約内容のAIによる分析など、契約や書類に関連する業務の効率化を図ることができます。
他にもログ管理機能によって証拠の追跡ができるためコンプライアンスの向上につながることや、不備によって書類が行ったり来たりする無駄を省くことができるというメリットもあります。
「DocuSign」公式サイト: https://www.docusign.jp/
別記事で詳細に解説しています。合わせてご覧ください。
【基本解説】「DocuSign」日本のハンコ文化も終了間近?!米国で急成長中の電子契約クラウドサービス
9・「Cloudflare」ネットワークのセキュリティ強化サービス
画像出典:https://www.cloudflare.com/ja-jp/
Cloudflareの特徴
「Cloudflare」は、企業と外部をつなげるネットワークのセキュリティ強化を簡単な手順で行えるサービスです。
特にグローバル展開を行う事業などは、複数のネットワーク契約を行うことなくCloudflare1つで安全な接続が実現できます。
接続速度なども高速で、従来のルータに代表されるネットワーク機器の性能に左右されることが無くなります。
こうした環境に左右されないネット接続環境を提供することで、よりテレワークの推進がしやすくなるでしょう。
「Cloudflare」公式サイト:https://www.cloudflare.com/ja-jp/
10・「Twilio」コミュニケーションを一元管理
画像出典:https://cloudapi.kddi-web.com
Twilioの特徴
「Twilio」は、電話を使用したコミュニケーション手段を一元管理し、SNS連携なども行ってくれるサービスです。
新たに電話番号の申し込みは必要なく、独自に付与される電話番号を利用して行うため、匿名で電話がかけられるイメージです。
電話システムをクラウド上に構築できるため、他のクラウドサービスと連携したり、PCやモバイル端末などと連携したコールセンターや、在宅コールセンターを簡単に構築することができます。
「Twilio」公式サイト:https://cloudapi.kddi-web.com/
11・「Zscaler」VPNを不要にするネットワークセキュリティ
Zscalerの特徴
「Zscaler」は、テレワークなどで社外から社内の業務サーバにアクセスする際のセキュリティ対応を、VPNの導入なしで実施できるようにしたサービスです。
デバイス、場所、ネットワークに関係なく、安全に社内で使用しているOfficeなどのアプリケーションが利用できます。
VPNなどを利用する際に必要だった認証のための設定がほぼ必要ないため、企業のテレワーク環境構築の推進にも一役買ってくれそうです。
「Zscaler」公式サイト:https://www.zscaler.jp/
12・「Atlassian」開発管理サービス
画像出典:https://www.atlassian.com/ja
Atlassianの特徴
「Atlassian」は、ソフトウェア開発で良く採用されるアジャイル開発に対応したトータル開発管理サービスです。
作業工程をチケットで管理・機能設計や試験項目・エビデンスなどの管理・大人数での同時開発に対応したソースの管理・期日リリースのための管理の4工程に対応したアプリケーションを提供し、それぞれが連携して管理確認できるようになっています。
「Atlassian」公式サイト:https://www.atlassian.com/ja
別記事で詳細に解説しています。合わせてご覧ください。
【基本解説】「Atlassian」米国で注目度が高いソフトウェア開発を加速させるワークフローSaaSサービス
13・「Alteryx」データ分析プラットフォーム
画像出典:https://www.alteryx.com/ja
Alteryxの特徴
「Alteryx」は、膨大なデータの中から必要な情報を検索・分析し、その後の作業に敏速に有効活用できるようサポートしてくれるサービスです。
データは様々な業種に対応しており、税務管理・不動産データ・マーケディング・セールス情報など幅広く対応しています。
またワークフローを分析し、現状進捗の把握や次作業の検討などに役立てることができます。
「Alteryx」公式サイト:https://www.alteryx.com/ja
14・「Datadog」開発管理サービス
画像出典:https://www.datadoghq.com/ja/
Datadogの特徴
「Datadog」は、ITソフトを中心とした各開発過程を1つにまとめて管理できるサービスです。
システム開発でかかわるサーバ・データベース・アプリケーション・ファイルシステムなどを全体で把握できるようになります。
具体的には開発ソース管理・サーバ稼働能力の推移・調査のためのログ収集・様々な過程での状況を全体把握するためのダッシュボードなど、開発に関わるあらゆる工程をクラウド上で確認できます。
「Datadog」公式サイト:https://www.datadoghq.com/ja/
15・「Workday」人事情報管理ツール
画像出典:https://www.workday.com/ja-jp/homepage.html
Workdayの特徴
「Workday」は、人事情報をクラウド上で管理できるサービスです。
従業員の出勤・退勤記録を始め、毎日の予定もPCやモバイル機器からいつどこにいても入力できます。
こうして入力された勤怠情報はリアルタイムで確認できるため、人事部門の作業の効率化にもつながります。
こうした作業は特に教育の機会がなくても、直感的に操作できる点が人気です。
「Workday」公式サイト:https://www.workday.com/ja-jp/homepage.html
16・「ServiceNow」ワークフロー管理サービス
画像出典:https://www.servicenow.co.jp/
ServiceNowの特徴
「ServiceNow」は、企業の様々な作業をワークフローとして一括管理し優先順位を明確化、作業単位の進捗をネット上で把握することで業務の効率化をサポートするサービスです。
まとめるワークフローは業務毎・従業員毎・顧客毎に設定できるので、企業の特徴に合わせた運用が可能です。
複数の部門から同時に進捗状況を入力し、即座に管理部門が確認できるため、一目で現状が把握できるようになっています。
「ServiceNow」公式サイト:https://www.servicenow.co.jp/
別記事で詳細に解説しています。合わせてご覧ください。
【基本解説】「ServiceNow」米国で急成長中!業務を自動化するSaaSサービス
今話題の米国発SaaS企業まとめ16選
クラウド上で利用できる、サブスクリプションモデルなどの特徴があるSaaSは、現代のビジネススタイルに対応した新しいサービスです。
メリットが多く、日本語に対応しているサービスも増えて来ているため、有名企業の導入例も増えてきています。
働き方改革につながるサービスも多いため、導入してみてはいかがでしょうか?
以上、「【注目16選】リモートワークが急増する社会で高成長が期待されている米国IT企業」でした。それではまた。