タイニーハウスを欲しいと思った後に浮かんでくる、よくある疑問。
「タイニーハウスにトイレと風呂はついてるの??」
大手企業が販売しているタイニーハウス(「無印良品の小屋」「スノーピークの住箱」など)のトイレ事情から、DIYでタイニーハウス を作っている人はトイレどうしてるのか、といったあたりまで、
今回は、タイニーハウスに関する水回り事情をまとめました。
タイニーハウスにトイレと風呂はついてるの?
結論から言うと、
日本で販売されている既製品のタイニーハウスには、トイレや風呂など水回り設備は基本ついていません。
「無印良品の小屋」「スノーピークの住箱」もトイレや風呂はついていない
「無印良品の小屋」「スノーピークの住箱」もトイレや風呂はついていません。
タイニーハウス&モバイルハウスのまとめ記事で紹介しているタイニーハウスもすべてトイレや風呂はついていません。(付帯設備やオプション工事でトイレや風呂をつけれるタイニーハウスはあります)
低価格のタイニーハウス・モバイルハウスまとめ11選!無印良品スノーピークの小屋も注目!
タイニーハウスにトイレや風呂がつけれないというわけではなく、あくまで販売されている基本設備に含まれていないだけで、オプション工事として、トイレや風呂など水回り設備をつけることは可能です。
あるいは、例外的にトイレや風呂が基本設備に含まれている商品もあると思いますが、それらのほとんどがもはやタイニーハウスと呼べないくらいの広めサイズの家であることが多いです。
では、なぜタイニーハウスの基本設備にトイレや風呂がついてないのでしょうか?
なぜタイニーハウスの基本設備にトイレや風呂がついてないの?
その主な理由は、以下の2点です。
①タイニーハウスを建てる土地の環境によって水回り設備の設置費用がだいぶ違う
タイニーハウスを建てる土地が、上下水道がある都会の一軒家の庭であればさほど水回りの問題はありません。
中には、山奥や家がまばらな地方の空き地、といった具合に様々な環境にタイニーハウスを建てることが想定されます。
上下水道が通っていない山奥でトイレが基本設備に含まれるタイニーハウスを購入したところであまり意味がありませんし、設置されているトイレを活用しようと、新しく上下水道を開通させる工事となると、100万円以上の費用がかかることもざらにあります。
つまり、タイニーハウスの水回りの工事費用が、場所によっては10万円程度で済む場合もあるし、何もない場所だと100万円以上する場合もあるので、追加オプションとして対応するのが合理的となるわけです。
②人によって、タイニーハウスの使い方が多様で水回りが不要な場合も多い
タイニーハウスをメインの住居として住む人にとっては、トイレや風呂などの水回り設備は必須かと思います。
しかし、タイニーハウスは倉庫やDIY作業小屋として使う、または、一軒家の庭に新しく「離れ」として建築したい人にとっては、水回りは母屋の一軒家を利用して、離れのタイニーハウスは水回りはなしで安く建築したい、といったニーズも多いのです。
これらの理由から、どのメーカーもタイニーハウスの基本設備にはトイレや風呂はつけず、必要な人には追加オプション工事で対応、というスタイルをとっていると思われます。
タイニーハウス に必要な水回り設備とは?
各設備が必要か不要かは人や用途によって違うので、ここでは一般的な話を。
一般的な住居に必要な水回り設備は、
・キッチン
・洗面所
・お風呂
・トイレ
この4つです。
タイニーハウス もこの4つの水回り設備があれば、生活は便利になりますが、
ネックになりがちなのが、トイレと風呂です。
風呂は大量の水が必要な点、トイレは水洗トイレの場合は給排水が必要な点がネックとなります。
タイニーハウスを建てる前に水回り関連で確認しておきたいこと
「タイニーハウスを建てて水道工事をしようと思ったら、上下水道が土地まできてなくて追加費用がたくさんかかってしまった!」
こんなことにならないように、タイニーハウスを建てる前に、水回り関連のことは確認しておきましょう。
そもそも水回りが必要か考える
まずこれ。
そもそもタイニーハウスにトイレや風呂などの水回り設備が必要かどうかを考えましょう。
主に、
・タイニーハウスの用途
タイニーハウスで生活するのか、作業小屋してしか使わないのか、など用途を考えましょう。
例えば、倉庫として使ったり、ごくたまにしか使わないのであれば、お金をかけて水回り設備を設置する必要はないことも。
・タイニーハウスの中にいる時間が長いかどうか
タイニーハウスの中で生活する時間が長ければ長いほど、水回り設備がある方が快適になります。
例えば、1年のうち1週間だけしか使わない別荘的なタイニーハウスだとしても、その1週間丸々タイニーハウスの中で生活するのであれば水回り設備はあった方がよい、など。
・タイニーハウスの周囲の環境
母屋があれば母屋の水回りを活用できないか、近くに銭湯があれば風呂はいらないかも、といった具合に、周囲の環境によっても水回り設備が必要かどうかは変わってきます。
・タイニーハウスを建てる土地の環境
費用面では一番影響がある要因。上下水道が通っていない土地で新たに水道管を配管したりすると、費用面が高額になってきます。
タイニーハウスを建てる土地の上下水道の状況などを事前に確認しておきましょう。
これらを考慮してタイニーハウス にトイレや風呂などの水回り設備を設置するかどうかを決めます。
建築する土地の水回り環境を確認する
タイニーハウスを建築する土地に上下水道が通っているかどうか、など、土地の水回り環境は事前に確認しておきましょう。
すでに上下水道を使っている母屋が建っていて庭にタイニーハウスを建てる場合などはあまり心配ありません。
もし、母屋が上下水道を使っていない浄化槽タイプだったり、何も建物が建っていない土地の新築するのであれば、その土地、地域や自治体に確認が必要です。
タイニーハウス の水回りの対処方法
ここでは、具体的なタイニーハウスの水回りの対処方法を確認しておきましょう。
①別の建物の水回りを活用する
タイニーハウスに水回り設備を作る必要がないため、コスト的には一番安上がりです。
母屋のトイレや風呂を使う、住民が使えるトイレなど水回りが使える施設があれば活用する、風呂は近くの銭湯に通う、など。
千葉県南房総市にある『シラハマ校舎「無印良品の小屋」』では、敷地内にある「無印良品の小屋」を土地付きで販売しています。ここでは、「無印良品の小屋」自体にトイレなど水回りはなく、トイレなどは隣接しているシラハマ校舎の設備を利用可能にしています。
このように、トイレや風呂がないタイニーハウスが一箇所に集まって、1つのトイレや風呂があるインフラ拠点を共有して生活するタイニーハウスコミュニティ的な考え方もおもしろいですね。
②自然の恩恵を受ける
建てる土地周辺の環境に思いっきり左右されますが、井戸水、川や沢の水を汲んできて活用する、といった方法で給水ルートを確保する方法もあります。
井戸水や沢の水はそのまま飲用できない水質のケースがほとんどなので、実用化する場合は十分な調査と注意を。
③タイニーハウスに水回り設備を用意する
「やっぱり、タイニーハウスにトイレや風呂が欲しい!」
となれば、給排水工事をして水回り設備を導入しましょう。
タイニーハウス のトイレの種類
ここでは、タイニーハウスに導入するトイレの種類を紹介します。
①水洗トイレ(下水道)
現在一般的に一番普及しているタイプが下水道に排水する水洗トイレです。
上下水道が通っている土地であれば、水道配管工事をして設置可能です。土地の中まで配管がきていない場合は、配管工事が必要なのでご注意を。
上下水道が通っていない土地の場合は、かなり厄介で、まずは自治体の水道局に上下水道を引っ張ってくれるか確認から必要になります。
②水洗トイレ(浄化槽)
下水道が通っていない環境で水洗トイレを使いたい場合は浄化槽タイプになります。
浄化槽は、生活排水を下水道以外に流すために必要な処理をする設備です。
新規で浄化槽を設置しなければならない場合は費用がかさむのでご注意を。自治体によっては浄化槽設置費用の補助金が出る地域もあるようです。
③簡易水洗トイレ(汲み取り式トイレ、カセット式)
汲み取り式トイレとは、昔懐かしのボットン便所。
カセット式も汲み取り式と同じスタイルで、トイレは固定設置して、貯留した汚物を後から汲み取る方式です。
下水道区域外で、汲み取りの回収が行われている地域や、母屋の水洗トイレ(浄化槽タイプ)に流せる、などの環境であれば、選択肢の1つになってきます。
浄化槽の設置がない分、トイレ設置コストは安く済みます。
④ポータブルトイレ
最もトイレ設置コストが安いのが、ポータブルトイレです。
災害時にも使用される持ち運びできる簡易トイレ。
下のamazonの商品ページを見てもらうとわかりますが、簡易トイレながらも、水洗式で清潔、密閉性が高く匂いも気にならない、100kg程度の人でも問題なし、としっかりした作りです。
③簡易水洗トイレと同様、汚物の処理は必要になってくるので、処理先の確保は必要になります。
たまにしかタイニーハウスで生活しない、みたいな人にとっては手軽で安上がりな方法でよいかもしれません。
⑤バイオトイレ(コンポストトイレ)
最後は、ハードル高めに思われるかもしれませんが、意外にタイニーハウスの最適解となり得るのが「バイオトイレ」です。
バイオトイレとは、微生物と混ぜることによって排泄物を分解して農業や園芸で使える堆肥(コンポスト)にする仕組みのトイレです。
水を使わないタイプもあり、水を使う場合も水洗トイレに比べると非常に少ない水量で済みます。
バイオトイレの主なメリットは以下のとおりです。
・水が使えない環境でも使用できる(加熱式のバイオトイレは電源が必要)
・汲み取り式のように汲み取る工程がないので、ランニングコストが安い
・排泄物を再利用できるという点も含めて、最も環境に優しいトイレと言える
実際、水が貴重な山小屋や、自給自足に近い生活を送る人の家では、バイオトイレはけっこう使われてたりします。
By DocteurCosmos – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
バイオトイレのデメリットは、攪拌したりを手動でメンテナンスしていくとそれなりに大変な点。
手動の手間を電気で自動化できる設備を備えたバイオトイレもありますが、その場合は、設備費用が別途必要になってしまいます。
上下水道がない土地で、手間はかかるけど環境にやさしく、一番費用をかけない方法のトイレだとバイオトイレが最適かもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回の情報が、タイニーハウスのトイレや風呂の水回り事情の疑問解決に役立てば幸いです。
以上、「【小屋の水回り事情】タイニーハウスにトイレと風呂はついてるの?」でした。
それではまた。